記事提供:カラパイア

海の中でキラキラと、妖艶な光を放つこの小さな生物は、サッフィリーナ・コープポッド(Sapphirina copepod)と呼ばれるカイアシ類の仲間だ。

その美しさに、「海の宝石」、「海のサファイア」とも呼ばれている。学名のサッフィリーナは、サファイアを意味する。

世界各地に分布する、体長1ミリメートルほどの小さな生き物だが、大量のコープポッドが海面近くにいるときはまるで海がダイヤモンドのようにきらめく。

出典 Vimeo

さて、なぜこうも綺麗なのだろうか。その理由はその生態と水晶のような変わった皮膜に関係しているものの、その多くは謎に包まれている。

サファイアのような深い青色から、まばゆい金色と、様々な色に変化する。ただし美しい輝きをもつのはオスのみである。メスはオスのような輝きを見せないが、その代わりオスよりもずっと大きな目を持っている。

コープポッドの生態についてはほとんど知られていないが、おそらくメスのコープポッドは煌めく海の中で特に綺麗な光を探しており、それに応えるかのようにオスが美しく光っているのかもしれない。

そもそもオスは、どうやって光っているのだろうか?

コープポッドが輝く理由は、細胞の中にある結晶の微視的な層にある。この結晶層どうしは1万分の4ミリメートルずつ離れており、これは青い光の波長と同じである。青い光がこの結晶層で跳ね返るとき、波どうしが弱め合うことはなくそのまま反射してくる。

しかし他の色の光だと、波長とのわずかなズレによって干渉が起こり波どうしが打ち消しあってしまう。

なので白い光は全ての色を含んでいるのだが、反射するのは青い光だけということになる。綺麗な色に光って見える理由は、シャボン玉や油の薄膜と同じ原理だったようだ。

映像では1匹だけだったが、稀にものすごい数のコープポッドが見つかることもあるそうだ。かつて、日本のカツオ漁の漁師らは、黒潮の分岐点で見られる美しい虹色の海面を「玉水」と呼び、その美しい海面を目指して漁をしてきたと言われている。

虹色に輝く海面の正体は、太陽の光を受けて輝くサフィリナ・コープポッドである。コープポッドがつくりだした虹色の海にはコープポッドを食べる小魚が集まり、さらに小魚を追うカツオの群れが現れる。

出典 YouTube

コープポッドの群れは、今となってはなかなか見ることができないそうだ。人目に触れていなくとも、コープポッドは彼らだけの世界のどこかで輝き続けていることだろう。

出典:deepseanews

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