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今回の「3分間書評」で取り上げるのは、倒産企業の取材暦20年のプロが、成功する企業と失敗する企業の特徴を分析し、解説した一冊。

コンサルタントを目指す人には「教養本」に、会社経営者は「心積もり」の一冊になるのでは?『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』からご紹介いたします。

こんにちは、土井英司です。

本を書く人の条件のひとつに、「観察者」というのがあります。

何かひとつのテーマを定め、たくさんのケースを観察してきた人の洞察は鋭く、読者はそこから多くを学べるからです。

人間は往々にして自分一人のケース(過去の体験)しか持っていませんが、これでは予期せぬ未来に対処することはできない。

だからわれわれは、他者の成功・失敗から多くを学ぶのでしょう。

本日ご紹介する一冊は、企業の倒産取材を20年以上続けてきたという帝国データバンク情報統括部長の藤森徹さんと、読売新聞調査研究本部主任研究員の中村宏之さんが、成功企業と失敗企業、双方の特徴を読み解いた、興味深い論考。

過去の日本の倒産ケースを具体的に挙げながら、その時何が起こったのか、社長はどう行動したのか、なぜ周囲(銀行員など)は倒産に気づけなかったのか、興味深い事実が述べられています。

帝国データバンクの方が書いた本には、『百年続く企業の条件』はじめ、興味深い内容のものがいくつかありますが、本書はどちらかと言うと社長、コンサルタント、銀行員向けの内容。

豊富なデータから導かれた倒産原因ヤバい会社・社長の条件倒産の教訓、そしてできれば関わりたくないけれど、倒産の基礎知識…。

破産、特別清算、民事再生法申請の違いなど、知りたかったことが詳しく書かれているので、コンサルタントやジャーナリストは、教養として読んでおくといいでしょう。

「怪しい会社は名前が変わる」
「将来の話ばかりする社長は危ない」
「危ない会社の経理部長」

興味深いトピックが満載の内容。さっそくチェックしてみましょう。

危ない会社の兆候とは?

スカイマークの負債総額は約710億円(申立時点の2015年1月現在)と巨額ですが、実は同社は無借金経営でした。

潤沢な手持ちの現金で航空機を調達するほか、リース会社から借りる形をとっていたため、この会社には「メーンバンク」といったものが存在しませんでした(中略)スカイマークの倒産はメーンバンク不在の事態が招いた「円安倒産」の側面があったといえます。

スカイマークのリース支払い債務は約5億ドルと巨額でした。そのドル建て支払い債務の「為替ヘッジ」を行っていなかったことで、円安の影響をもろに受けた格好となりました

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アクセルを踏む勇気よりも、ブレーキが踏めるかどうかが、経営トップや取締役会に求められる役割

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白元の四代目社長

・「売上至上主義」を掲げた結果、無理をしていわゆる「押し込み販売」
・継続した取引を約束して、それを信じた取引先が設備投資を行ったにもかかわらず、その後それを反故に

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危ない会社の兆候

・管理職がやめる会社は危ない
・経営トップの肩書きがやたらと多いのも危険
・支払いのサイト(期間)が長くなるのは危うい兆候
・怪しい会社は名前が変わる
・将来の話ばかりする社長は危ない

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2014年度の「円安関連倒産」の合計は401件で、前年度(178件)の約2.2倍に急増し、倒産企業の従業員数は7915人と、前年からほぼ倍増しました。

業種別に見ると、累計で「運輸業」(99件、構成比24.7%)がトップを占め、このほか繊維、食料品、建設が目立っており、全体の約75%を負債5億円未満の中小企業が占める

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粉飾する際に最初に操作する可能性が高い部分が在庫

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経理部長本人しかわからない書類が存在する会社は注意が必要

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帝国データバンクの集計では、40歳前後の社長がいる会社が増収増益を達成するのが一番多く、なだらかに減る形で50代、60代と続きますが、70歳を超えるとがくんと下がります

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会社がつぶれる原因はやっぱりお金です。お金がまわらなくなることが最大の原因です

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第4章には、「生き残る企業の条件」と題して、虎屋、渡辺パイプ、岩井の胡麻油、ホテル佐勘、ういろうなど、長寿企業へのインタビューも掲載されており、興味深く読むことができました。(渡辺パイプ、面白い会社です)

経営者、コンサルタント、銀行員、起業を志す方は、ぜひチェックしてみてください。

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