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記事提供:Doctors Me

Doctors Me 編集部です。
大きな事故を経て、記憶が抜け落ちたり人格が変わるといった現象は、実際の臨床の場でよく起こるといいます。一体どのような脳のメカニズムが働いているのでしょうか。医師に解説してもらいましょう!

■ 記憶がつくられるメカニズムとは?

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まず、記憶はどのようにつくられるのでしょうか。

あることを見たり、聴いたり、感じたりしたとき、脳は基本的にすべての体験をまず覚えようとします。そのとき大事になるのが、脳の中の「海馬」という部位です。

海馬に入った外界からの刺激や内面からの感情は、その後、取捨選択され、大事でないと判断されたものは瞬時に忘れ去られてしまいます。聞いたばかりの話を全然覚えていないというのは、一瞬は覚えたものの、すぐに忘れる例ですね。

そしてここで残った記憶は、その後「大脳」に送られ、整理されます。ここまでくると、短期記憶として、後からでも思い出すことができます。さらに1~2日で忘れてしまうか、もっと長く記憶に残るか、もしくは何年も忘れないような長期記憶になるかが、取捨選択されます。その際に大事なのは、刺激を受けたときの感情です。

■ どうして記憶が抜け落ちるの?

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強い感動や喜び、恐怖につながる記憶は、その後の人生にとって重要な情報と判断され、長い記憶に残ります。一方で、あまり強くない感情とともに行った体験は、ほとんどその後の人生に影響を与えないと判断され、短期記憶にとどまります。

しかし、あまりに強すぎる感情とともに体験した経験は、脳の判断で、あえて記憶に残さないということもあります。これは、思い出したときに精神的に不安定な状態になることを避けるためです。大きな事故などを経た場合は、そのような判断を脳が行い、あえて記憶に残さないことがよくあります。つまり“記憶が抜け落ちる”ということですね。

例えば、人間関係で嫌なことがあって長年勤めた会社を辞めた方が、その会社の住所や電話番号を思い出せなくなるケースです。何百回、何千回と目にした情報なのに、どうしても正確に思い出せないのです。

このような場合は、潜在意識で退職にまつわる嫌な出来事を思い出したくないため、それに関連する情報をシャットアウトしている可能性があります。昔の恋人の電話番号や、うまくいかなかった試験の受験番号などもこれに当たるかもしれません。

【医師から最後に一言】

“人格”は、遺伝的なものと、経験によって形成されます。辛い人生を送っている人と、楽しい人生を送っている人で、なんとなく人格が違うのはそのせいです。

記憶が一部分抜けてしまうと人格を形成する材料が変わってしまうため、大きな事故の後には人格が変わるという現象があり得るのです。

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