記事提供:子ある日和

娘はとにかく、人見知り、場所見知りの激しい子だった。

生後4ヶ月にして、ママじゃなきゃダメ、パパはもちろん、里帰りで3ヶ月一緒に暮らした義母もダメ。

抱けば泣いて嫌がり、わたしの姿が見えなくなると発狂した。しつこい後追いも始まった。

8ヶ月

すごく上手にハイハイするから、児童館のハイハイ大会に出してみた。うちの娘だけ、スタートラインから微動だにしなかった。

家ではあんなに上手にハイハイするのに。みんなに見せてあげたい。みんなに誉めてもらいたいのに…

1歳を過ぎても、ママじゃなきゃダメだった。

半年差の甥っ子が里帰りから帰ってきて、一緒になることが増えた。甥っ子は、誰にでもにこにこ。愛想を振りまいて人気者。娘のことも、可愛がってほしいのに…

じきに『ママといつも2人。家に引きこもっているからじゃない?』なんて言われるようになって、娘の人見知り、場所見知りは、私のせいなんだ、と思うようになった。

わたしは実母を早くに亡くしていたから、心を許して頼れる場所がなくて、追い詰められていた。娘が泣いて嫌がっても、外へ連れ出すようにした。

音楽教室…、英語教室…、幼稚園のプレ保育…、娘は、ことごとく恐怖心を露にした。

私から離れられない。

『ママのことが大好きなのね』と言われても、素直に喜べない自分がいた。

3歳になると、さすがに私がそばにいれば、他の人も受け入れられるようになった。それでも、私が不在のお留守番は出来なかったし、見えなくなることを嫌がった。

愛情が足りないのかな…?

幼稚園に入学。予想した通り、大変だった。

人見知り、場所見知り以外は、比較的ちゃんと出来る子だったから、幼稚園に行かなきゃいけないこと、それは理解をしていた。

『明日、幼稚園?』『早く終わる?』『絶対迎えに来る?』何度も聞かれた。行きたくないけど、行かなきゃいけない。登園の道、繋いだ手から不安が伝わる…

締め付けられる思い。それでも明るく振る舞って、娘の気持ちを盛り上げた。他の子はみんな笑って登園してる…

そんなある日、突然、私の気持ちが晴れた。

同じマンションの男の子が、幼稚園の門で娘の手をひいてくれた。『いっしょにいこう!』

娘はやっぱり泣いていたけど、素直に手を引かれて歩いていった。その子のお母さんに『ありがとう』と、お礼を言ったら、『○○は○○ちゃんのおかげで強くなったの、こちらこそありがとう!』と言われた。

はっ!とした。弱い子がいるから、強い子がうまれる。泣いている子がいるから、助けようという気持ちがうまれる。

背負っていたものが一気に軽くなった私は、男の子に手を引かれて歩く娘の後ろ姿が、急に羨ましくなった。

私は、どちらかと言うと、周りを引っ張るタイプ。あぁして、誰かに守ってもらったことはあったかな?弱虫も悪くないじゃない。

その日から、なんでうちの娘だけ?と思うことはなくなった。そのうちに、こうゆう性格なんだ。個性なんだ。と割りきれるようにもなって、自分のせいだ、と責めることもなくなった。

娘にたいしても、過剰に期待せず、頑張らせることもせず。育児に余裕が生まれた。

そんな娘も、今年の春、年長児になった。

まだ、長いお休み明けや、体調不良の時なんかに、不安定な様子を見せるけど、基本は幼稚園大好き。楽しく通えています。

縦割りクラスでは、下の子の面倒をみているそう。自分が散々泣いて弱音をはいてきたから、『泣いている子の気持ちがわかる』と、先生に言ったそう。

『先生にもたくさん迷惑かけたから、いっぱいお手伝いしてあげる!』と、言ったそう。

『優しい子に育ってますね!』

そんな風に言われる日が来るとは思ってなかった、涙。

まだまだ、周りの子と比べると、弱虫で泣き虫な娘だけど。わたしは胸を張っています。笑って『人見知りが激しいんだ』『私じゃないとダメかも』と言えるようになった。

これからも、この子の性格だ、個性だと思って、付き合っていこうと思う。

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