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2015年3月期の連結決算が、日本企業として初めて2兆円を突破したトヨタ。そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの大企業が、2009年から2013年の5年間、税金を払っていなかった事実をご存知ですか?

大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の著者で元国税調査官主で作家の大村大二郎さんがそのカラクリを暴露。やっぱり政治家はお金が大好きのようです。

なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?

トヨタ自動車は、2015年3月期の連結決算で、グループの最終利益が2兆円を超えました。利益が2兆円を超えたのは、日本の企業としては初めてのことです。

このトヨタ、2009年から2013年までの5年間、実は国内で法人税等を払っていませんでした。2014年3月期の決算発表の際に、豊田章夫社長が衝撃的な発言をしたのを覚えている方も多いかもしれません。

「一番うれしいのは納税できること。社長になってから国内では税金を払っていなかった」

この言葉に、度を失った人は多いのではないでしょうか?日本最大の企業が、日本で税金を払っていなかったというのです。

トヨタはずっと赤字だったわけではありません。近年赤字だったのは、リーマンショックの影響を受けた2010年期、2011年期の2年だけです。それ以外の年はずっと黒字だったのです。

日本の法人税制には、決算が赤字だったら赤字金額が5年間繰り越される「赤字繰り越し制度」というものがあります。だから、2012年2月期に税金を払っていなかったというのは、理解できます。

が、2013年3月期には、その赤字分は解消しているはずであり、税金を払わなければならなかったはずです。

また2009年3月期は黒字であり、赤字繰り越しもなかったので、この期には税金を払わなければならなかったはずです。なのに、なぜトヨタは2009年から2013年まで税金を払っていなかったのでしょうか?

トヨタが、5年間も税金を払っていなかった最大の理由は、「外国子会社からの受取配当の益金不算入」という制度です。これは、どういうことかというと、外国の子会社から配当を受け取った場合、その95%は課税対象からはずされる、ということです。

たとえば、ある企業が、外国子会社から1000億円の配当を受けたとします。この企業は、この1000億円の配当のうち、950億円を課税収入から除外できるのです。つまり、950億円の収入については、無税ということになるのです。

トヨタは詳細を公表していませんが、この「受取配当の非課税制度」を利用して、税金を免れていたことは明白です。

トヨタは、2009年3月期は、営業利益は赤字だったのに、経常利益は黒字になっています。これはどういうことかというと、トヨタ本社の営業だけによる収支は赤字だったけれど、海外子会社からの配当などにより、黒字になったということです。

2010年3月期も、営業利益は3280億円もの赤字でしたが、経常利益では赤字額が771億円までに縮小されています。そして、2013年3月期は、営業利益では4398億円もの赤字だったのに、経常利益は231億円の黒字となっているのです。

これらも、海外子会社の配当などが大きく寄与していると見られます。そして、海外子会社の配当は、課税所得から除外されているので、税務上の決算書では赤字となるのです。

つまり「本当は儲かっているのに、税務上は赤字」ということになっていたのです。その結果、2014年3月期まで日本で法人税を払わずに済んだのです。

税制導入時期が怪しすぎる

海外子会社配当の非課税制度が導入されたのは、2009年です。それまでは、海外子会社からの配当は、源泉徴収された税金分だけを日本の法人税から控除するという、ごくまっとうな方法が採られていたのです。

それが2009年から、配当金自体を非課税にするという非常におかしな制度が採り入れられたのです。

そして、トヨタは2009年期から5年間税金を払っていないのです。まさにトヨタが税金を払わなくて済むために作られたような制度なのです。

トヨタは、バブル崩壊以降、国内での販売台数が落ち込み、海外での販売にシフトしていきました。特に90年代に入ってからは、海外販売の割合を急激に増やしました。

それまで50%程度だった海外販売の割合は、2000年代後半には80%前後で推移するようになったのです。2000年代後半、トヨタは完全に海外依存型の企業になったのです。

必然的に、トヨタは2000年代の後半から、海外子会社からの受取配当が「収入の柱」になっていきました。つまり受取配当の非課税制度というのは、トヨタの「収入の柱」を非課税にする制度なのです。

しかもトヨタの海外販売が激増した直後の2009年から、この非課税制度が始まったのです。単なる偶然では、到底、片づけられないモノだといえます。

実は、トヨタのための優遇税制というのは、この配当金非課税制度だけではありません。

租税特別措置法には「研究開発費の税額控除」などトヨタのためにつくられたとしか思えないようなものが多々あるのです。

トヨタがここまで税制上、優遇されている最大の要因は「政治献金」にあるといえます。

自民党
への政治献金が多い企業団体のランキングでは、社団法人日本自動車工業会が1位で毎年6000万円~8000万円、2位がトヨタで毎年5000万円程度です。この順位は、長らく変わりません。

日本自動車工業会というのは、自動車製造企業の団体であり、当然、トヨタは主宰格です。

つまり自民党の企業献金の1位と2位がトヨタ関係なのです。自民党にとって、トヨタは最大のスポンサーなのです。

そのトヨタに対して、有利な税制を敷くというのは、なんとわかりやすい金権政治なのでしょうか?

しかも、たかだか1億数千万円程度の献金で、日本全体の税制が変えられてしまうのです。日本の政治とはなんと貧弱なものなのだろうか、ということです。

金持ちや大企業というのは、こんなにずる賢いのです。我々も、ちゃんと税金について見張っておかないと、この国は大変なことになるでしょう。

ちなみに、最近、「税金を払わない奴ら~なぜトヨタは税金を払っていなかったのか~」という本を出しました。トヨタのことも、もっと詳しく書いております。よかったら手に取ってください。最後は宣伝かい。

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