「欲張りって思われるかも知れないけど、できれば二人目も欲しいの。」そう話すのは、イギリスのバッキンガムシャー州に住むマリー・アンドリュース(32歳)だ。

マリーは生後数日で、骨形成不完全症と診断され、歩くことも立つこともできない障がいを抱えている。

骨形成不全症は、「骨が非常にもろい」という特徴を持つ、遺伝性の病気です。1万から数万人にひとり生まれてくるといわれます。骨を形作るときの基礎になるタンパク質であるコラーゲンがうまく作れないために、正常な骨が作れなくなります。そのために骨の変形や骨折が起こりやすくなっています。このほか、目や耳、歯、皮膚などにも症状が現れます。

いくつかのタイプがありますが、骨がもろく、わずかな外力でも骨折してしまいます。重症の場合には、生まれる前や分娩の時に骨折が見られることも珍しくありません。はっきりした骨折がなくても、四肢(腕=上肢、脚=下肢)の変形をおこしていることがあります。また背骨にも曲がり(側弯)などの変形がみられます。

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身長43センチの母と81センチの息子

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マリーの横に立つのは息子、マーク(1歳7カ月)だ。まだ幼児であるが、マリーにとっては巨人に見える。マリーの身長は43センチ、マークは81センチとほぼ母の2倍だ。

「骨がとにかく脆いからすぐに骨折するの。だからマークがふざけて私に寄り掛かったりしただけでも大怪我をしてしまうわ。」これまでマリーは200回もの骨折をしたという。

「最近も、ベッドに横になっただけで膝の骨が折れたの。」日々の何気ない生活がマリーにとっては苛酷以外のなにものでもない。「マークが3カ月の時に、蹴られたことがあってその時も肋骨の骨が折れたわ。」

普通の生活は難しい、でも…

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マリーは、夫ダン(34歳)と職場で知り合った。学校の受け付け勤務をしていたマリーは、科学教師であるダンと出会った。科学のことについて会話を交わすうちに親しくなった。

「マリーはとってもユーモアがあって、面白い人なんだ。すぐに意気投合したよ。」そうダンは語る。二人は恋に落ちた。普通の生活を続けるだけでも難しいのに、結婚なんてと自分でも思ったマリー。でも、マリーの夢は「母になること」だった。

そして2013年6月に結婚

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知り合って11年目の結婚となった。そしてこの時、代理母がダンとマリーの子供を妊娠していたのである。

最初、養子縁組を考えていた二人だが、福祉課がマリーの重度の障がいを考慮し、拒否したのだ。

同年に息子マーク誕生

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「代理母になってくれるって言った女性に、感謝でいっぱいよ。私の障がいのことも全く気にしない良い人だった。自宅出産にしてくれて、一番最初にマークを抱っこしたのは私だったの。」

「私もダンも、ずっと子供が欲しかったから親になれた喜びをかみしめたわ。」

しかしマリーの子育てには限界がある

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歩くことも立つこともできないマリーは、やはり一人で小さなマークを育てて行くのは無理だった。ダンには仕事がある。そのため、ヘルプをしてくれるPA(パーソナルアシスタント)を雇った。

マークのおむつ換え、マークが転んだ時に立たせたり、起き上がらせたり、また持ちあげたりする時、食事の時にハイチェアーに座らせたり、そういうことがマリーには不可能だった。少しでも力を入れると骨折してしまうからである。

「でも、お風呂に入れたり、本を読んであげたりご飯を食べさせたりする時は、私がするのよ。遊ぶ時も車椅子に乗って追いかけたりすることはできるわ。」

ただ、抱っこする時にはぎゅっと力を入れることができない。そしてマークが座る時にも膝の上にクッションを置いてからでないと骨折してしまう。

「マークは障がいを理解してくれているわ。」

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「最近は、ぎゅってするよりも優しく触れてくれるの。子供なりにわかってくれているんだと思う。」そうマリーは話す。まだ幼いマークは、マリーを車椅子に乗せようとしてくれたこともあったという。

「代理出産で子供に恵まれたのは奇跡よ。マークの成長を見ていけることが本当に楽しみだし、これ以上ないぐらい嬉しいわ。」

しかし世間は勘違いする人も多い

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「私がこんな身体だから、よく、PAがマークのお母さんって誤解されるわ。そして私、小さいからマークのちょっと年の離れたお姉ちゃん、って言われたこともあったわ。しかも夫が私の介護のヘルパーさんともよく間違えられるわね。」

「もう慣れたし勘違いされるのは仕方ないことだけど、それでも、私がマークの母親ですってはっきり言うわ。」

贅沢かも知れないけどマークに弟か妹を

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「マークに一人でいて欲しくないの。できれば弟か妹と一緒に生きて欲しいから、代理出産で二人目を考えてるの。マークを産んでもらったことが奇跡だったけど、もし、二人目ができたら、こんな嬉しいことはないわ。」

ずっと母になるのが夢だったというマリー。「マークが私とダンを本当の家族にしてくれたの。」日常生活、我々が平気で出来ることがマリーにとっては、困難で危険だ。

それでも子供を持てたこと、家族を持てたこと、それはマリー自身の「普通に生きたい」という強い思いが叶ったのだろう。近いうちに、4人家族になれる日を願うマリーを応援したい。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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