ロンドン市民の足として「チューブ」の愛称で親しまれているロンドンの地下鉄

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日本の通勤電車内でもそうですが、乗客それぞれが各々の目的で乗っていますから、隣り合わせになって目が合っても言葉を交わすわけでもなく、ましてや話し込むことなんて「地下鉄内のエチケットに反する」なんて冗談めかして言われる事もあるようです。

そこにふっと気がついて他の乗客達と話してみる事にしたエイミー・ディケットさん

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思い切って話しかけてみると素晴らしい話をシェアしてくれる人がたくさんいるのが分かり、その毎日の発見をまとめるのに「コミュート・ブログ」と名付けたブログを立ち上げました。「コミュート」というのは通勤・通学のことです。

ブログにはその人の写真とシェアしてくれた話が短い会話形式で掲載されています。人生のほんの一片が切り取られただけなのに意外性があって面白く、まさに「人の数だけ物語がある」と言えます。

例えば、ちょっと近寄りがたいファッションの2人

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「ビヨンセが好きなの。私達こんな格好だからソレっぽい音楽しか聞かないと思われるけど、すっごい好きなのよ。彼女は女王様だわ」

例えば、スーツケースを2個も抱えた旅行帰りっぽいこの男性

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「グラストンベリーから帰るところだよ。僕はピエロで世界中でパフォーマンスしているけど、偉大な友人達が見に来てくれるグラストンベリーは特別な場所なんだ。他のパフォーマーと知り合えるという意味でも素晴らしい土地だよ」

(毎年6月の終わりの5日間、グラストンベリー・フェスティバルという盛大な音楽フェスティバルがあるそうです)

例えば、ワンちゃんが普通に乗っているのですね

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「2日前にこの子、勝手に家からでて1人で道を渡ってバッターシー・パークに迷い込んでしまったの。2日間ずっと泣いたわ。でも親切な人がこの子を見つけて、バッターシー・ドッグ・ホームに連れて行ってくれていたの。連絡を貰ったので、受け出しに行って来たのよ」

(バッターシー・ドッグ・ホームはイギリス最古の犬猫保護施設です)

例えば、ちょっとイケメンのこの男性

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「僕は役者でロッククライマー。『戦火の馬』で2年間の全英ツアーを終えて来たところだよ」
「あなたが馬だったの?」
「うん、実はそうなんだ。馬のいななきを真似しながら奏演もしないとならなかった。口で全ての音を出すんだが、3人で演るうち1人が低音、1人が高音を担当する。やたらと馬を見学しに連れて行かれたよ。以前は馬の事なんか気にもしなかったけど、今は素晴らしい生き物だと思っているよ」

例えば、ごく普通の通勤客風のこの女性

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「うちの家族史を書いています。内戦が始まってすぐの頃にソマリアを離れ、スウェーデンに移住しました。私は2歳でした。ちょうど戦争がますます酷くなる直前でした。12歳の時に2年間ソマリアへ戻りましたが、もしその時に帰っていなかったら今の自分は無いと思っています」
「ソマリアでの体験から何か分かったことがありますか?」
「自分達がくそラッキーだったっていうこと!」

他の乗客に話しかけてみようと思ったキッカケは…

「毎週末、ノーザン・ライン線を端から端まで乗っていて、iPodを聞いて時間をつぶすよりも何かもっと面白い事が出来そうだってずっと考えていたんです。それがこのブログになったんです。もともとおせっかい焼きでお喋りが大好き、だからこのアイディアを思いついた時は、やるしかないでしょって感じでした」とエイミーさん。

「誰かにアプローチするときにはまず自分のこととブログのことを少し話します。それから写真を撮って掲載していいか確認します。それで何かビックリするような話を聞きたいと言うと、大抵はひかれてしまうから、何をしているのか、どこへ行くのかというところから聞きます」

面白いのは、とても素晴らしい話題を提供してくれる人が、その素晴らしさに気付いていない事がおおいこと

たしかに誰かから尋ねられて話してみて、「えーっそれってスゴイことだよ!」と驚かれても、「え、そう?そうなの?」って思ってしまうこと、ありますよね。でもきっと、そう思っていなくて淡々と話すからこそ、素晴らしさが引き立つ事ってあるんじゃないかと思います。同じ話でも上から偉そうに話されたら、まず拒否感が立ってしまいますから…

おしまいに、いかにも実直な通勤客風のこの男性

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「もし働かなくてもよくなったら、どうしたいですか?」
「もっと家族と過ごす時間を持ちたいですね。小さな娘が2人いますが、仕事の関係で平日は滅多に顔もあわせられないですから」

…どこの国でも勤め人はツライですね…

エイミーさんのコミュート・ブログの文章は短くて分かりやすいですし、写真を見ているだけでもロンドンっ子のさりげない日常が垣間みられて、楽しいです。

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