記事提供:東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

本日はとある方のご紹介で、

学校法人国際学園 星槎中学校・高等学校

の授業見学・視察に伺わせていただきました。

こちらの学校、ホームページなどを見てもそれらしき記述が一切ないので一見すると普通の学校に思えるのですが…

学習障がいや発達障がい、軽度の知的障がいなどをお持ちの生徒さんが主に通いながら、決して特別支援学校のように障がい者学級に特化した教育を行うわけではないという、非常にユニークや特色を持つ学校です。

この学校を創立したのは、宮澤保夫氏という伝説的な人物。まだ「学習障がい」や「発達障がい」という概念が普及する遥か以前から、

「どんな子にも合った教育・学習方法が必ずあるはずだ」
「他人と違うからといって、教育現場から排除することは許されない」

という揺るぎない信念の元、街場のいち学習塾からスタートし、何のコネもない状況から一代で幼稚園から大学までに及ぶ学校法人を創りあげました。

その波乱と情熱に満ちたストーリーは、こちらの著作にて是非↓

それぞれの事情を持つ生徒たちに合わせて、授業はクラス自体だけではなく科目ごとに細かくメンバー分けされ、「ベーシック」と言われる基礎授業はなんと先生4人体制で行われています。

言葉は適切かわかりませんが、一見すると誰もが障がいを持っているとは思えないほど、明るくハキハキと授業を受け、先生ともしっかりとコミュニケーションを取っていました。

普通の学校現場で馴染めなかった子どもたちも、ここで教育で才能を感化させ、中には県下トップの進学校に通う生徒が出ることもあるそうです。

ちなみに学校の名前である「星槎」という文字は見慣れないかもしれませんが、星槎というのは中国の古事に出てくる「星のいかだ」のこと。

「いかだ」は時に、太さも長さも違った木々で作られる。しかしそれがひとつにまとまり、いかだとして形を変えて、力強く大海を泳いでいく…

この名前には、あらゆる多様性を受け入れる覚悟と、その大いなる可能性がこめられていると言えます。

なぜこの学校を作り上げた宮澤氏の功績は伝説的であり、星槎グループの存在と教育が注目を集めるのでしょうか。

それは我が国の教育現場には、

「特別支援学校に通うほどではないが、普通学級に行くのは困難である」

という子どもたちに対して、差し伸べる選択肢がなかったから
です。

最近でこそ「インクルーシブ教育」という言葉も普及し、障がいがあるなしに関わらず、均等な教育機会を与える機運が高まっています。

しかしながら以前までは、言葉は悪いのですが、

「普通学級でついてこれないのなら、特別支援学校に行きなさい」

という対応しか取ることはできなかったのです。

ほんの少しのサポートさえあれば、健常者と遜色ない可能性があったかもしれない子どもたちが、完全な「障がい者」として扱われることでその選択肢を限定されてしまう…。

そんな状況に風穴を空けたのが、宮澤氏と星槎の存在でした。

今でも星槎には、近隣都道府県から多くの生徒達が集まり、この学校に通うために引っ越しをする家族も少なくないそうです。

もちろん、課題もあります。

星槎グループはあくまで「私学」であり、手厚いカリキュラムや人員体制から、決してその授業料は安くありません。経済的事情から、この学校に通えない生徒たちも沢山いると言います。

しかし残念ながら、彼らが活用できる奨学金などの制度はほとんどありません。その理由は…わかりやすく少し俗な言葉で言えば、

「行政は特別支援学校という選択肢を用意しているのに、それを利用せずに『私学』に行くのは贅沢だ」

ということになるでしょう。

しかし当事者たちから見れば、これは切実な問題であり、普通学級とも特別支援学級とも割り切れないギリギリの選択なのです。

「特別な支援まで行かなくて良い、ほんの少しだけサポートがあれば良い」

というニーズ(需要)が満たせない…

実はこれは教育に限ったことではなく、我が国の社会保障全般に見られる状態です。例えば貧困世帯(シングルマザー等)の支援などは、

「生活保護を受けるか、自分で働いて生活を守るか」

の二者択一しかありません。苦しい時に一時的に、ほんのちょっとだけ…という仕組みが存在しないのです。

その結果、生活保護には落ちたくない一心でそれは拒否すれど、一向にワーキングプア状態から抜け出せない人々が大量に発生し、彼らはちょっとした病気や怪我で即座に破滅に追い込まれます。

このような、「『ほんのちょっとの手助け』があれば、頑張れる人たち」に対する支援というのが、我が国には本当に不足していると言えます。

もちろん、そのような支援のメニューを増やせば増やすほど、財政的なコストや制度を運営する負担は増します。

しかしながら、その支援で得られるリターンを考えた場合、このような教育現場や貧困世帯に対する支援については、十分な「投資対効果」があるのではないでしょうか?

本日の教育現場の視察から、そんなことを改めて感じました。

細かく大きな光は当たらない分野かもしれませんが、引き続きこうした点にしっかりと取り組み、支援メニュー拡大の政策提言を続けていきたいと思います。

夏休み前の貴重な時間をいただいた星槎グループ関係者の皆さま、本日は本当にありがとうございました!

それでは、また明日。

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