今でこそ“女芸人”というジャンルは、一大勢力として認知されています。

しかし、その“元祖”とも言うべき存在を知っている方は少ないのではないでしょうか。

元祖女芸人 内海桂子師匠

出典 http://tabelog.com

現在92歳にして、最古参ピン芸人とも言われる内海桂子師匠は、女芸人のパイオニアとも言える存在です。

まずは、桂子師匠の経歴から紹介したいと思います。

1922(大正11)年9月12日生まれ、92歳。

両親の駆け落ち先である千葉・銚子で誕生。その後、母の実家があった浅草へ。

9歳から働き始め、16歳で漫才の初舞台。

50年、漫才コンビ、内海桂子・好江を結成。好江が亡くなる97年まで約50年間にわたって人気を博した。

紫綬褒章、勲四等宝冠章を受章。元漫才協会会長。

弟子にウッチャンナンチャン、ナイツなど。

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16歳で初舞台を踏んでいますから、芸歴はなんと76年!現在、現役最高齢芸人に君臨しています。

また、紫綬褒章や勲四等宝冠章も受章…まさに生ける伝説と言っても過言ではありません。

そして、ウッチャンナンチャンや、ナイツの師匠だということもあまり知られていないのではないでしょうか。

さて、桂子師匠が最も長くコンビを組んだのは「内海桂子・好江」です。相方だった好江師匠は、97年に胃がんでこの世を去っていますが、二人の間には壮絶なエピソードが存在しました…。

14歳差のコンビ、自殺未遂も…

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好江師匠は、わずか14歳で桂子師匠とコンビを組むことになりました。この時、桂子師匠は28歳…なんと歳の差は14歳!

中学2年生とアラサーのお姉さんが一緒に仕事をすると考えると、どれだけ大変だったかが想像できます…。

当時の様子について、桂子師匠は次のように語っていました。

好江さんの親はわたしの2番目の相方と同門で、その娘さんでね。

でも親とやりたくないらしく、わたしに何とか一人前にしてやってくれないかと頼みにきたので、面倒みてやろうと思ったの。

でもその代わり、わたしのいうこと聞いてやってくれなきゃやだよって。

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踊りも三味線もトークもままならない好江師匠を、一人前に教育したのは桂子師匠でした。毎日控え室から罵声が飛んでいたのだとか…。

厳しい修行と舞台を繰り返していたある日、事件は起きました。それは、NHK新人漫才コンクールで惜しくも準優勝になった時のこと…。

後一歩と言うとこで優勝を逃してしまった圭子さんは、恥ずかしさとイライラから好江さんに「全てあんたのせいだよ!」と当たってしまします。

好江さんは自責の念にかられ、自殺未遂を犯してしまいますが、一命を取り留めました。

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死にたいと思うほどまでに好江師匠を追い詰めてしまったことを、桂子師匠は深く反省し目を覚ました好江師匠に「すまないね」と謝ったのだそうです。

この事件から、もう一度二人で再出発した結果、第四回NHK新人漫才コンクールでは優勝を果たしました。

「好江さんは“一生の宝”」

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好江師匠が亡くなる2年前に、桂子師匠は勲四等宝冠章を受章しました。受章パーティーの時に桂子師匠は、こんなコメントをしています。

「本当は2人で一緒に頂きたい、頂けるくらい一緒にやってるんです」と言い「全部好江さんのおかげなんです、彼女がいなかったら内海圭子はいないんです」

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半世紀近くも一緒にコンビを組んでてきたのに、受章をしたのは自分だけ…好江師匠に心から感謝していたからこそ、この言葉が出てきたのではないでしょうか。

また、桂子師匠が公の場で好江師匠に感謝の言葉を述べたのは、この時が初めてでした。

しかし、2年後に胃がんで好江師匠は死去。桂子師匠は、好江師匠ががんだったことを最後まで知らずにいたそうです…。

わからせまいとしてたんだよね。

でもね、48年一緒にいるとね、相手が何を思ってるか知らされなくてもわかっちゃって、その心意気も十分理解できます。

ほんとに、好江さんという人は、わたしの一生の宝ですよ。

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好江師匠が亡くなった後は、「あした順子・ひろし」の順子さんとAKB48というコンビを結成。(※A(あした順子)K(内海桂子)B(ババア)48(シワだらけ))

そして、直弟子のナイツをはじめとした若手芸人と舞台に上がるようにもなりました。

特にナイツは、桂子師匠をネタにすることもあり、こんなエピソードを明かしています。

桂子師匠、原宿で号泣…

出典 https://www.twellv.co.jp

「桂子師匠、原宿に行ったことないだろうなって思って、原宿に連れて行ったんですけど、したらちょうど土曜日かなんかで地方から来た若い女の子がバーって集まってきちゃって、カメラ回っているから」

「で、桂子師匠にカワイイ!カワイイ!つて、すごい寄ってきちゃったんですよ」

「したら桂子師匠が、泣いちゃって」

「泣き出しちゃったんですよ」

「泣き出しちゃって。嬉しくて」

出典 http://blog.livedoor.jp

若い女の子のファンが出来たことに対して、嬉しくて泣いてしまったのかと思ったら…

「嬉しくて。原宿っていうのはね、昔私が若い頃はね、米兵しかいなかった」

「米兵ばっかだったのに。こんなにね(今は)日本人の若い女の子がね、元気なんだっていうので、すごい嬉しくなっちゃって、泣き出しちゃった。竹下通りの真ん中で」

「で最後、桂子師匠感極まって竹下通りの真ん中で、日本バンザイ!!っつったんですよ。」

出典 http://blog.livedoor.jp

集まった女の子達に「あんた達結婚すんのよ!」とアドバイスもしていたとか…。パワフルだ…。

いずれにしても若者が元気だということに、感動して泣いてしまったのです。

「そっちかい!」と突っ込みたくなりますが、感慨深いお話でした。

最後に桂子師匠の名言を紹介したいと思います。

桂子師匠の名言

出典 http://blogs.yahoo.co.jp

桂子師匠は先輩芸人から「客の足元を見ろ」と教えられたという。

「たとえヨッパライでも、ちゃんとしたナリしているか。地下足袋でも汚れているかどうか。つまり親方と職人とじゃ、漫才のやり方が違う。今じゃ若い芸人に、そんなこと教えられるのはあたしぐらいしかいないんだよ」

出典 http://www.zakzak.co.jp

今だって、このババァが役に立つんだったら、どこにでも出しなさいっていってるの。この身ひとつ、使える間はとことん使わなきゃ。

出典 http://salitote.jp

再来月には93歳になる桂子師匠。

これからもお元気に活躍されることを期待したいと思います。

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