記事提供:カラパイア

毎年7月1日はカナダの建国記念日である。この日は別名「ムービングデー(引越しの日)」と呼ばれている。

特にカナダ最大のフランス語圏であるケベック州では、ほとんどの賃貸契約が7月1日で切れるため、この祝日は何十万もの人々が、一斉に引越しをする。

この日路上はトラックでうめつくされ、荷物を運び出す人、これから荷物を運び入れる人たちでごった返す。なんせ、同日に前の住居人が出ていき、新しい住居人が入るというのだから、ちょっとした大騒動である。

しかし、この時期に大騒動に巻き込まれるのは、引越しをする人たちだけではない。新しい引っ越し先でペットを飼えない人がペットたちを放棄するという悲劇がいたるところで発生しているのだ。

ケベック州にあるカナダ第2の都市、モントリオールの動物保護施設では毎年この時期、保護するペットの数が通常の3倍にものぼるという。

ケベック州では「ペット不可」の物件も多く、このため引越し先にペットを連れて行けなくなった人たちが続々と保護施設を訪れるのである。

また、中には連れて行けなくなったペットたちを路上に捨てられたり、前の家に放置されたりするケースもある。

そう、この「引越しの日」は何百匹というペットが捨てられるという、ペットにとっては最も恐ろしい一日なのである。

モントリオールの動物保護施設、SCPAでは月平均600匹の動物を保護しているが、この時期になると、収容数は収容できる最大の約1,600匹に達するという。

猫の場合は飼育を認められている物件も多いが、犬になると、条件付で認める物件は19パーセント、公的に認める物件は3パーセントしかないというのが現状だ。

SCPA側は、すべての物件でペット可になれば、捨てられるペットの数は激減するはずだと指摘している。特に、低所得の家庭では、物件探しも金銭的に限られており、しかたなくペットを手放す人が多い。

SPCA職員のアニータさんは「愛する家族たちがこのような形で引き離されるのを見るのは、本当につらいことです」と語ってくれた。

このような事態を防ぐため、SPCAはケベック州に対し賃貸契約から「ペット不可」項目を削除するよう呼びかける署名活動を行っており、今年6月までに2万2,000人が署名をしている。

出典 YouTube

また、ケベック州では今年の初め、ペットを「モノ」でなく「生き物」として扱うよう定めた法案も提出されている。

これまでケベック州ではペットは法的には「動く物体」であり、極端に言えば家具と同じような位置づけだった。

しかし、この法案が通れば、ペットたちは「感覚のある生物」として適切な扱いを受けることが保障される。

動物愛護弁護団たちは、これに伴い、賃貸契約の「ペット不可」条項も差別的な条項として省くよう働きかけるという。

「ペット不可条項を賃貸契約から禁止するよう州法を改正するまで抗議活動を続けます」と弁護士の一人は述べている。

しかし大家側は現行の規則を変えたくないと主張する。その理由として、他の住民から「うるさい」「危険だ」「衛生的ではない」と多くの苦情がくるためだという。

また、無責任な飼い主などは、ペットによりボロボロにされた部屋を修復もせず、そのまま引越してしまうケースもあるという。

さらに、ペットが不可物件でも猫や犬、中には豚やヘビなどを飼っている人たちもいるそうだ。そういう場合に、ペット不可条項が契約に盛り込まれていないと、裁判が長引いたりと困る点が多い。

「借主が責任を持って、規則を守り、ペットによる損害を代償するなんて保証はどこにもない」というのが大家側の言い分だ。

実は、カナダのオンタリオ州、フランス、ベルギーなども過去に同様の問題を抱えていたが、現在これらの国、地域では「ペットによる損害は借主の責任で代償する」と義務づけた上で、賃貸契約のペット不可条項は法的に無効となっている。

つまり、どの物件でもペットを飼うのは自由だけど、ちゃんと責任を持って飼ってね、ということだ。

動物保護団体は、ケベック州もこれらの国や地域のように、適切な条件をつければペット不可条項の削除は難しくないと主張している。

ムービングデーのペット放棄問題ではこんなCMもつくられた。

出典 YouTube

とまあ、私もこの度猫を飼うことになって急きょペット可物件を探し回ったのだが、賃貸の場合だと栃木県宇都宮市内でも数える程度、しかも小型犬はOKで猫はダメというところがほとんどだった。

だが今回の引っ越しで、その理由がわかった気がした。

マナーやルールを守らない飼い主が少なからず存在するのだ。この物件、共有玄関で犬を飼っている人がおしっこをさせているためすごく臭い。

息を止めながらポストの中身を取り出さなければならない。

更には1階で犬を飼っている人がベランダにケージを設置してそこで飼育しており、糞尿をそのまま垂れ流しているものだから、その前を通るたびに異臭がする。

道路沿いに面しているため、通行人も鼻をつまむレベルだ。臭いが上がってくるため窓を開けるとつーんとした臭いが部屋中に蔓延する。

しかもこの物件、交通量が激しい道路沿いに面している。車の騒音もすごいのだが、ベランダの犬は鳴きもせずケージの中でじっとしている。

雨もダダ漏れとなっているのでちょっと心配になり、管理会社に連絡したのだが「まあ言っておきます」で終わり。強くは言えない雰囲気だ。

とりあえずその犬の安否が気になるので自分の家のベランダから毎日確認しているわけだが…

ということでペット可物件が少ない理由は、マナーを守れない飼い主側にも問題があるようだ。

自分が引っ越すまではまったく気が付かなかったけど、きちんとしていない飼い主が少なからずいるために、きちんと飼うことができる飼い主にまで偏見を持たれ住む場所が奪われていき、救えるはずのペットが救えなくなるということだ。

日本でもこの問題、いろいろ考えていかなければならないね。

出典:cbc

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