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エジプトの首都カイロの中心部にあるイタリア領事館前で11日早朝、爆破テロがありました。

領事館前の路上に複数の自動車が駐車してあり、そのうちの1台の内部にあった爆弾が爆発。領事館の建物は大きく損傷し、少なくとも1人が死亡、10人が負傷しています。

事件について過激派組織「イスラム国(ISIL)」がインターネットで犯行声明を出しています。

これはかなりものすごい爆発で、私はこの「どっかーーーーーーん!」という爆音で今朝目覚めました。

自宅から1kmのところでイスラム国がテロって、なんていうか・・・衝撃っていうのとも違って、いよいよ奴らが攻め込んできたな・・・っていう感じです。

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犯行声明によると爆発物の重量は450㎏。ものすごい爆音と衝撃で被害は周囲の住宅や車にも及んでいたそうです。

「テルマエ・ロマエ」の作者ヤマザキマリさんもツイート

なぜテロは起きたのか。混迷が続くエジプト情勢

エジプトでは2013年7月にイスラム組織ムスリム同胞団出身のモルシ大統領(当時)が軍のクーデターで追放された後、主に治安部隊や司法関係者を狙った爆弾テロが続発。6月29日には検事総長が死亡した。

出典 http://jp.reuters.com

今年5月、モルシ前大統領には死刑判決が下されました。

国内では反体制派のイスラム過激派がムスリム同胞団のメンバーらに重い判決が下されたことに不満を持ち、司法関係者や政府高官を攻撃の標的にしているのです。

エジプトのスィースィー政権はムスリム同胞団を徹底的に弾圧化して弱体化させたが、シナイ半島の「聖地エルサレムの護持者たち」を名乗る集団が「イスラーム国シナイ州」を名乗り「イスラーム国」に忠誠を誓い活動を活発化させた。

出典 http://www.fsight.jp

今回は「エジプトのイスラム国」と名乗っているようですが、おそらく「イスラム国シナイ州」と関連がある組織とみられています。

こうしたテロ事件が続発する背景には、エジプトの経済状態をめぐるさまざまな問題があります。

2011年、エジプト革命‐ムバラク政権退陣

2000年以降の経済自由化による失業率の増加、物価高による貧困状態の悪化などに耐えかねた若者たちがデモを起こします。

若者たちの呼びかけに対してムスリム同胞団などのイスラム系勢力も協力してデモに参加。組織力によってデモを拡大、長期化させます。

ムスリム同胞団は就職斡旋、貧困層への金銭援助など奉仕活動を行いますが、イスラム原理主義の組織です。同組織が参加したことで若者の声は無視できない大きさになっていきました。

デモにはさらに軍も加わり、30年の長期にわたって独裁政治を続けたムバラク政権はわずか1ヶ月で退陣に追い込まれました。

2012年 民主化後初の大統領が誕生

デモの口火を切った若者たちですが、統一して代表を送り込むことができず表舞台からは消えてしまいます。

大統領選挙ではムスリム同胞団のムハンマド・モルシと前ムバラク政権の元首相アフマド・シャフィークが争い、モルシが勝利。民主化後初の大統領が誕生します。

大統領就任後、モルシは憲法改正、大統領権限の強化などの政治改革を強硬に推し進めようとしますが経済を回復させることはできませんでした。

モルシ政権を支持しているはずのアメリカやカタール、トルコからの援助も期待したほどではなく、治安は改善するどころか宗教間の対立が広がり悪化します。

治安の悪さが影響して主要産業である観光業も落ち込んだまま。

モルシ政権は国際通貨基金(IMF)へ融資を依頼しようと試みますが、提示された条件は増税と補助金の削減という国民にさらなる痛みを強いるものでした。

2013年 モルシ大統領解任

モルシ大統領就任1周年の2013年6月には、世俗派(宗教と政治をわけるべきだと考える人々)が全国各地で政権に対する大規模なデモを組織するほと国内の不満は高まっていました。

軍はついにクーデターを起こしてモルシを逮捕、大統領を解任します。

政治は軍部が掌握することに

軍部は2011年以降の民主化を主導しましたが、この過程において軍部とムスリム同胞団は水面下で激しく権力争いをしました。大統領選挙ではムスリム同胞団出身のモルシが勝利しましたが、その後軍部と同胞団は新たに起草する憲法に、それぞれが都合のよい内容を盛り込むことで合意し、軍は政治の表舞台から撤退していきました。

出典 http://www.nhk.or.jp

ムスリム同胞団はいずれ軍の強大な権力を削ぐつもりでしたが、それを知る軍部は隙あらば民意を後ろ盾に政治に介入しようと考えていたのです。

民主化はあえなく消え、革命前に戻ってしまったかのような状態が続いています。

ムスリム同胞団への厳しい弾圧

イスラムの教えによる国づくりを目指す「ムスリム同胞団」を支持する勢力と、
それ以外の勢力との間で、真っ二つに割れています。
そして、暫定政府が、ムスリム同胞団を徹底的に取り締まっています。

出典 http://www.nhk.or.jp

ムスリム同胞団の支持者らが、モルシ氏の解任に抗議する大規模なデモを行ったところ、軍と警察がこれを強制排除し、何千人もの死傷者が出ました。さらに、ムスリム同胞団のトップを含む幹部2000人以上を逮捕しました。

出典 http://www.nhk.or.jp

ムスリム同胞団のNGOとしての認可は取り消され、事実上の解散状態に。非合法化することで国づくりから完全に排除されます。

そのうえでメンバーには終身刑や死刑など重い判決が下されました。

エジプトのイスラム国(ISIL)の活動が活発化

出典 YouTube

イスラム過激派の政府への反発が強まるなか、今月1日にはエジプト北部のシナイ半島で「イスラム国」に忠誠を誓う組織が安部隊の施設に一斉攻撃を仕掛け、兵士ら60人以上が死亡するという事件が起きました。

地元のメディアによりますと、1日、シナイ半島北部の検問所や治安部隊の施設など約15カ所が一斉に攻撃されました。「イスラム国シナイ州」を名乗る組織が犯行声明を出しています。エジプト政府はこれまでに、兵士や一般市民ら64人が死亡し、過激派メンバー35人を殺害したと明らかにしています。

出典 http://news.tv-asahi.co.jp

この時、エジプト軍は空爆を使って「イスラム国シナイ派」を町の外に追い払い、人員に大きな損害を与えたとされていますが、11日にイタリア領事館の爆破を行い、勢力を誇示したものと考えられています。

国の経済を立て直す糸口が見つからない限り、血で血を洗う争いを無くすことできません。日本はまだ豊かな国ではありますが、格差をこれ以上拡大させないよう解決策を考えていかなければいけないようです。

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華蓮 このユーザーの他の記事を見る

子供の頃から不思議なものを見つけたら調べずにはいられない性格。ちょっと恥ずかしがり屋なのはご愛嬌。一般の人が知らない「面白い」を探すのが私の喜びです。

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