「パパとママの声が聞こえるよ!」そう言って笑顔を見せた娘を見て、両親は人生で一番歓喜したという。イギリスのエセックス州に住むボブ(42歳)とアリソン(39歳)に生まれたレイア(4歳)に、世界で初の「聴性脳幹インプラント」が行われ、成功したのだ。

聴性脳幹インプラント、ABI(Auditory Brainstem Implant) とは脳幹を直接に電気刺激し聴覚を取り戻す人工臓器をうめこもう、というものである。人工内耳と内耳再生医療と何が違うのか。これは「腫瘍などで聴神経がやられて存在しない人間」に有効な技術なのだ。人工内耳も内耳再生医療もその先に音を伝える聴神経がなければ意味がない。このオペは聴神経をこえてさらに脳に近い部分まで刺激するのだ。

出典 http://d.hatena.ne.jp

日本でも最近、このインプラントが選択肢として加わるようになったと聞く。アメリカではこれまで症例があったが、手術は12歳以上を対象にしたものであった。

イギリスでも、レイアのように渦巻管と聴神経が生まれつき存在しないというケースは非常に稀だったため、もちろん幼児のインプラント手術は行ったことがなかった。

生後わずか4週間でそれが発覚した

出典 http://www.dailymail.co.uk

レイアは1歳と11カ月の時に、世界初となる聴性脳幹インプラント(ABI)手術を行った。この画期的な手術は、幼児には世界初であったためにリスクが高かった。

幸いにも手術は無事成功した。病院から自宅へ帰る地下鉄の中でレイラが電車のドアの開閉音に反応したのである。それから過去2年の間、レイアの成長と共にチップの埋め込み範囲を広げて行った。

レイアの聴覚は確実に進歩していった。3歳の誕生日に両親はhappy birthdayの歌を歌って聴かせた。しかし、まだ全部は理解できないようだった。そしてこの1年の間、更にレイアの聴覚は発達。テレビを見たり音楽を聴いたりして楽しめるようになった。

「ママ、パパ、ちゃんと聴こえるよ!!」

出典 http://www.dailymail.co.uk

7月に4歳の誕生日を迎えたレイア。両親は再度happy birthdayを歌った。するとレイラも一緒に歌ったのである。ちゃんと両親の歌声が聴こえ、理解できたのだ。

「感極まるとはこのことです。」と喜びを語る両親。「レイアが生まれた時、珍しい聴覚障がいを持ってるとわかって、辛かった。もう一生娘の耳は聞こえないままなんだと思ってました。私たちの声が聞こえるようになるなんて奇跡です。」

もうすぐ弟も誕生!

出典 http://www.dailymail.co.uk

母のアリソンは今二人目の子供を妊娠中だ。もうすぐレイアはお姉ちゃんになる。レイアの聴覚は、これからも確実に進歩していくだろう。生まれて来た弟に、レイアが子守唄を歌ってあげたり本を読んであげる日が来るのも、そう遠くないに違いない。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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