天皇陛下はタブーなのか?

天皇陛下に対して、というより、天皇陛下を記事に取り上げさせていただくことについて、なにかタブーに触れてしまっているような感覚に陥る。

この瞬間、ある側面から見れば、「これが、いわば戦後教育の賜物か」と実感させられる。

しかし、特に私たち若い世代こそ、天皇陛下について、もっと知らなければならないと思う。これから、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、グローバル化はますます加速していくが、外国の人たちに日本の歴史や文化を語る上において、天皇陛下の話を抜きにしてはありえない。

天皇陛下は世界的権威。オバマ大統領も深くお辞儀

天皇陛下は、日本および日本国民統合の象徴であり、それは日本国憲法で規定されている。世界的に見れば皇帝にあたり、例えば、アメリカ大統領も晩餐会には、最高儀礼のホワイトタイで出席する。

以前、天皇陛下に対して、オバマ大統領が腰をほぼ直角に曲げて、お辞儀している写真がネットを中心に話題となった。

日本国内のみならず、世界規模で権威ある存在なのだ。

人知れず国民を想い、祈る幸せ

世界で最も地位が高いと言っても過言ではない天皇陛下。どんなことをされているのだろうか。それは主に「お祈り」である。

天皇皇后両陛下は,宮中の祭祀を大切に受け継がれ,常に国民の幸せを祈っておられ,年間約20件近くの祭儀が行われています。皇太子同妃両殿下をはじめ皇族方も宮中祭祀を大切になさっています。

出典 http://www.kunaicho.go.jp

しかし、何とこれだけではないらしい。

実際に天皇陛下はどのように祈って下さっているのか。「産経新聞」の宮内庁担当記者だった山本雅人氏の『天皇陛下の全仕事』(講談社現代新書)で見てみよう。ちなみに氏は担当記者として毎日拝見することになる以前と以後の「天皇像」に大きなギャップがあったとし、一般の国民も同じだろうと感じて本書をまとめたそうだ。報道される皇室関係のニュースでは、「一般参賀や地方訪問でのお手振り」などが皇族の仕事だと考えがちだが、実際は全く異なる。もっと重要な、国民の幸せのための祈りは皇室の私的行事と位置づけられ、殆んど報じられない。しかし、国民に伝えられない祈りこそ、皇室が常に最重要視し、自らの存在意義としてきた重要な活動なのである。

出典 http://yoshiko-sakurai.jp

今上天皇は、新聞もテレビもあまり報じないこうした古代の祭祀を非常に大切になさるという。自らを慎み古式の装束での祭祀は年間30回を超えるそうだ。それを忙しい「公務」の間に手抜きもなさらず、とり行っておられる。

出典 http://yoshiko-sakurai.jp

世界的な権威を持っているのにもかかわらず、天皇陛下は、人知れず国民を想い、ずっと静かに「お祈り」をなさってくれているのだ。

「国民と共に」。東日本大震災時に自主停電の決断

日本中が悲しみに暮れた東日本大震災が起きたときも、天皇陛下が下された決断に感銘を受けたのを記憶している。

福島第一原子力発電所事故に伴う東京電力の計画停電に合わせ、皇居・御所で毎日、自主節電を続けられたそうだ。

宮内庁長官によると、天皇陛下からあった発言は以下の通り。

「大勢の被災者、苦しんでいる人たちがおり、電源すらない人もいる。私の体調を気遣ってくれるのはありがたいが、寒いのは厚着をすればいいだろう」「いつこういう事態があるかわからないし、こういうことはやってみないとわからないから、学ぶ機会ではないか」

また、被災地の避難所を慰問された際は、膝をつき、被災者の方々と同じ目線で手を取り、ひとりひとりに声をかけられるご様子が、とても印象的だった。

「国民と共に」。まさに、この言葉を体現され、このことこそが、天皇陛下と国民との絆を築いているのだろう。天皇陛下から激励された被災者の方が心震わせているのは、テレビを通してでも、じんわりと温度をもって伝わってきた。

今こそ天皇陛下という日本人の精神文化に向き合うとき

天皇陛下について、いわば「良いこと」を語ると、すぐに「右」だのなんだと物議を醸す。この状況が異常なわけで、天皇陛下に想いを抱くことと、「軍国主義」や「戦争」と結びつけること自体がおかしな話である。

今、この国は経済的には豊かではあるものの、ある意味、病んでいる感が否めない。東京オリンピック・パラリンピックを招致できたキーワード「おもいやり」が、この国の本当に誇るものなら、今こそ天皇陛下という日本人の精神文化に自ら向き合うことで、それぞれが心を育むべきではないだろうか。

国民が心を育み直したとき、改めて言えると思う。「日本に生まれてよかった」と。

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