記事提供:Doctors Me

Doctors Me 編集部です。
先日、少子化対策の一環として、高校の保健体育の時間に使用する副読本に、妊娠や出産に関する医学的な知識を盛り込むという方針が示されました。
この新たな取り組みについて、医師の見解を聞いてみました。

■ Q1. この取り組みについてどう思いますか?

非常によい取り組みだと思います。インターネットや雑誌などでかなり偏った知識が蔓延し、アダルトビデオなどの影響で性を商品化し、センセーショナルに書きたてる傾向が著しい現代。そんな中で、基本に立ち返ってもう一度若い世代から、性行為の大きな側面の一つである“妊娠・出産”に至る一連の流れの中での性行為を正しく教えるということは、大変評価できます。

■ Q2. どのような効果があると思いますか?

きちんとしたテキストを作り、分かりやすく正確な説明をすることで、望まない妊娠も避けられる可能性がありますし、無知ゆえの配慮のなさも、ある程度抑えられる可能性があります。「○歳になると羊水が濁る」や「性交渉の後、コーラで膣を洗えば妊娠しない」といったトンデモ知識が若い世代にまことしやかに語り継がれ、自分やパートナーの生理周期や排卵日の存在さえも認識していないという若者が目立つ昨今、学校で妊娠の成立、出産の流れや注意点について医学的知識をもとに教える機会を持つことは大きな意味があると思います。

■ Q3. どのようなことに注意すべき?

もちろん、結婚や出産をする・しないの個人の選択や、同性のパートナーと生きること、子供を望んでもなかなか授かれないために不妊治療を受けている方、生まれつき生殖能力がない方など、いろいろな事情を持つ人がいることを忘れてはいけません。「若いうちに結婚して子供を産みましょう!」といった単純なキャンペーンを政府主導で行えば、気持ちがひどく害される方も出てくるのは当然です。非常にデリケートな問題なので、個人の選択や、それぞれの事情がある方が多数いらっしゃることを最大限配慮したうえで行うことが、最低条件だと思います。

■ 医師からのメッセージ

繰り返しになりますが、医師として人間として強く願うことは、「20代で結婚して、自然妊娠で出産し2人くらい子供を授かるのが理想」といった、時代錯誤な価値観の押しつけだけは決してあってはならないということです。価値観は人それぞれだということを認識して、よりよい社会を作っていけるといいですね。

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