日本では毎年実に3万人もの人が「孤独死」を迎えている。イギリスでも、近年孤独死を迎える高齢者の数が増えている傾向にあると、今回厚生省が発表した。

毎日8人がどこかで孤独な死を迎えている

出典 http://www.express.co.uk

厚生省の調査によると、イギリスでは毎年2900人もの孤独死があるという。そのうちの半分は65歳以上の人である。計算すると毎日8人もの人が孤独死を迎えていることになる。

つい先日も、エジンバラで年金生活の高齢者が、アパートで亡くなっていたことがわかった。3年間誰にも気付かれなかったという。厚生省のジェレミー・ハントは国民に注意を呼び掛けている。

出典 http://www.dailymail.co.uk

厚生省勤務のジェレミーは、自身も中国人の妻を持っているので、アジアの文化や社会問題に興味深いと語る。

「現在、起こっている孤独死のうち、本当に親族が全くいない人たちばかりなのか、いても連絡を取らずにいるのか、亡くなってから随分経って気付くということがあるため、非常に難しいです。」

9人に1人が家族と連絡を取り合っている現実

出典 http://www.express.co.uk

イギリスでは、70歳以上の高齢者のうち、3分の1は1人暮らしだ。家族や親族と連絡を取っているのは、9人にたった1人ということが統計調査で明らかになった。

ジェレミーは「イギリスには約600万人もの福祉関係のスタッフがいます。今後、こういった孤独死が増えないように、もっと社会福祉の充実を図るべきです。」と主張している。

チャリティー活動や福祉活動に厚いイギリスだが、実際のところは、まだまだ行き届いていないといった現状だろう。日本よりも孤独死の数は少ないが、増えているのは確実だ。

厚生省の調べでは、65歳以上の人が子供と一緒に住んでいる割合は、シンガポールが67%、中国が40%、そしてイギリスがたった16%だという。欧米では、子供の自立も早いため、子供が大学に入るようになったら既に別々に暮らすという家族がほとんどだ。

そして、その子供が地方で結婚し、仕事をしていれば、きっと親もそれが普通と思ってしまうこともあるのだろう。イギリスは昔からそういう文化だ。しかし、自分も年を取るということは当然親も年老いて来るということだ。

出典 http://www.telegraph.co.uk

イギリスの介護施設も日本と同じように高い。余裕がある人は入れるが、そうでなければ小さいアパートに1人で暮らすことになる。次第に家族とも疎遠になり、そして誰にも気付かれずに孤独死…日本でも当たり前になってしまった悲しい光景だ。

今、イギリスの厚生省では高齢者に「家族がいる人は必ず連絡を取るように」と呼びかけている。全く親族がいない人にも、福祉活動を充実させ、スタッフがしっかりとケアをするように心がけて行くとのことだ。

孤独死。言葉の響きも虚しく、悲しい。そんな死を迎える人が少しでも減っていくような社会になればと願う筆者である。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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