日本音楽著作権協会(JASRAC)が協会が管理する音楽を無許可でBGMとして使用している全国の美容院や飲食店などに全国258施設に対し、一斉に法的措置を取ったことで波紋が広がっています。

「自分で買ったCDを流しただけ。客に音楽を聴かせて代金を取っているわけではないのに、使用料を払うのは腑ふに落ちない」

出典 http://www.yomiuri.co.jp

音楽自体を販売しているわけではないのに、なぜ使用料を払わなくてはいけないのか…疑問に思いますよね。

そもそもJASRACとは何なのか

JASRACは音楽の著作権を集中して管理する団体です。プロの曲の95%はJASRACが管理しているといわれています。一括して曲の利用の許可を出し、使用料を徴収。無断使用があれば取り締まります。

アーティストはJASRACに著作権を委託している

作詞・作曲家は音楽出版社などの団体を通じて著作権をJASRACに譲渡する形になっています。事実上はJASRACが著作者となるため、曲を作った本人といえども自作曲を自由に使うことはできません。

JASRACは各国の同種の団体と「相互管理契約」というものを交わしているので、海外のプロの楽曲も窓口は大抵JASRACです(日本の楽曲が海外て使用された時もJASRACを経由して使用料が分配される仕組み)。

同協会が管理する国内外の楽曲はデータベース上でカウントできるだけでも300万曲以上あります。

著作権に対して厳格な団体

JASRACは無断使用や海賊版を見つければ民事訴訟や刑事告訴にも積極的に踏み切ります。使用料を徴収する分野は多岐に渡り、ダンス教室、フィットネスクラブ、プロレスラーの入場曲も対象です。

著作権料の徴収を厳格化した背景には作曲者や作詞家らの権利意識の向上に加えて著作権法改正法、使用料の徴収低下があるとされています。

CDを流すことは著作権法上の「演奏」となる

1970年の著作権法制定時からレコードによる演奏の使用は原則自由とされてきました。しかし、著作権者の利益保護のため、1999年の著作権法改正法より無断でレコードを使用することができなくなったのです。

現在、店舗用のBGMとしてレコードやCD音源を流す場合はJASRACに申請して利用料を支払う必要があります。

JASRACに対し飲食店などは困惑

BGMの使用料についてJASRACと文化庁に見直しを求めた全国商工団体連合会は以下のように主張しています。

・楽曲の使用が店の利益に貢献しているとは限らないのに一律に使用料を徴収するようは方法は認められない。

・店舗の広さで使用料を決めることには問題がある。

一般店舗における包括契約の場合、使用料は「500平方メートルまで」は年額6000円(月500円)が必要。

その根拠を、JASRACは「法改正の当時(2000年)の大規模小売店舗法(500平方メートル以下を小売店とした)を基準に判断したものです」と説明するが、「たとえば従業員5人程度の小さな事業所でも、広さでいえばカウンターだけの飲食店でも、年6000円かかるわけです。

出典 http://www.j-cast.com

年商300万円以下の厳しい経営状況にある事業所もあるなかで、支払わなければペナルティーを課すというやり方には反発が出て当然だといいます。

全国商工団体連合会は、建築基準法の用途規制で住宅地でも一定の店舗が建てられる「150平方メートル以下」の店舗の徴収免除を求めている。

出典 http://www.j-cast.com

集中管理団体の存在意義

ここまで書くとJASRACが悪者のように見えますが、使用料の取り立てだけが役割ではありません。他人の著作物を使用する時は個別に権利者を探し出して条件交渉をし、許可を得る必要があります。

しかし、音楽というジャンルに限ってはJASRACに許可を取れば簡単に使用することができるのです。このような便利な面があるので、他のジャンルにもJASRACのような管理団体が必要だという議論もあります。

使用料を支払わなくていい場合もある

ラジオをリアルタイムで流す場合は使用料を払う必要がありません。「福祉・医療施設や教育機関での利用、事務所・工場等での主として従業員のみを対象とした利用、または露店等の短時間で軽微な利用」でも当面免除という位置づけになっています。

BGMは必要ないのでは?という意見もありますが、お店の雰囲気づくりや外の騒音を遮断するためにも使われています。これからお店を経営したいと考えている方は、JASRACともうまく折り合いをつける必要があるようです。

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華蓮 このユーザーの他の記事を見る

子供の頃から不思議なものを見つけたら調べずにはいられない性格。ちょっと恥ずかしがり屋なのはご愛嬌。一般の人が知らない「面白い」を探すのが私の喜びです。

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