ある日突然家を追い出された

出典 http://www.dailymail.co.uk

ここに、仕事も失くし、2人の子供を抱えたシングルマザーがいる。ジュリサ・ウォラル(24歳)、レヴィ(7歳)、アマリ(5歳)の3人は6週間、車内で生活を強いられていた。いわばホームレス状態である。

元々の発端は、ロンドン東部のレッドブリッジというエリアに家を借りて住んでいた時のことだった。契約より3カ月も早く、大家がジュリサに一言もなく、勝手に家を売ったのだ。ほとんど荷物も持たないまま、3人は家から追い出された形になった。

そして何とか市役所が管理している施設の空きを探すも、やっと見つかったのはロンドン西部だったため、ジュリサは映画館スタッフの仕事を辞めなければならなかった。子供2人を東部の学校まで送り迎えするのが時間的に精一杯だったのである。

出典 http://news.stv.tv

イギリスの市役所では、ホームレスの人の為に一時的にだが「シェルター」と呼ばれる宿泊施設を斡旋している。しかし、短期間の滞在のみだ。ホームレスの数が多いので長期滞在者が増えてしまうと、あぶれるホームレスが出て来るからだ。

ホームレスの中には、こういう斡旋に頼らず、路上で生活している人もいるが、殆どの人は屋根の下で生活したい、と思っている。そのため、数か月で入れ替わるシステムになっているのだ。運が良ければ別のシェルターを斡旋してもらい、空きがあればすぐに入れる。

ウォラル一家は、市役所にこのシェルターを斡旋された。しかし寝室以外、キッチン、バスルーム、リビング等全て共同である。施設によってはシングルのホームレスとではなく、家族でホームレス状態になってしまった人達との共同生活が強いられる。

ジュリサは市役所に「無理です。そんな共同生活できない。」と訴えたが、市役所側は勝手にジュリサ家族を追い出した大家に対するアドバイスは何もせず「嫌ならホームレスになるしかないですよ。」と冷たく言い放ったという。

留守の間に鍵を変えられてしまう

出典 http://www.waltonrobinson.com

「本当に路上でホームレスになるよりマシだと思って、共同生活することにしたの。でも私たち以外に10家族とバスルームもキッチンもシェアしていたのよ。もうギュウギュウで、ほんとにひどい狭さだった。」

しかも、部屋にはシングルベッドとダブルベッドが置かれていたが、ダブルベッドが壊れていたのだ。だから母子3人は狭いシングルベッドで毎晩眠らなければいけなかった。

今年のイースター(4月)の2週間ほどの休日に、ジュリサ達は友人の家に遊びに行った。そしてシェルターに戻ってきたら、なんと管理人に鍵を変えられていて、ジュリサ達は締め出されてしまったのである。

市役所に抗議するも…

出典 http://madamenoire.com

ジュリサは早速市役所に抗議した。「友人の家に行く前に、ちゃんと管理人にここに戻ってくるって言ったわ。」しかし、市役所側は、長期の間家を空ける=出て行ったと解釈。次に入りたい人が順番待ちゆえ、いちいち帰ってくるまで待っていられないとでも思ったのだろうか。それにしても、管理人はきちんとジュリサに言うべきではないのか。

心ない市役所のせいで、4カ月後にまた家を追い出される羽目になってしまったウォラル一家。唯一あるものと言えば車だけだ。仕方なく母子は車での生活を強いられた。相手側の勝手な都合により、2回も家を追い出されることになり、相当落ち込んだというジュリサ。

出典 http://www.dailymail.co.uk

春になったとはいえ、まだまだ肌寒い日が続いていたイギリス。車内で眠るのはかなり寒いと言う。「枕と薄い毛布しかないの。暖房を入れっ放しにしたいけど、車のバッテリーが切れちゃうから。暖房無しだとすごく冷えるのよ。」

「子供達に十分してやれてない」

出典 http://www.dailymail.co.uk

家を追い出され、仕事も諦めなければならず、この先希望があるのかと疑いたくなる生活を強いられて数カ月。更には車内での生活を余儀なくされることになったジュリサと子供達。

「ものすごく落ち込んでるわ。子供達にじゅうぶんなこと何一つしてあげられていないんだもの。早く仕事だってしたいし。このままずっと職なし、家なしのシングルマザーにはなりたくないわ。2人の子供の面倒だけはきちんと見たい。」

車内での生活を始めて6週間。ジュリサはようやく、2人の子供にベッドを提供してくれる友人を見つけた。けれども、ジュリサの寝るスペースはない。だから暫くはジュリサは車の中で寝ていた。

しかし、ついに市役所が動いた。ウォラル一家のために一時的に住まわせるホテルを見つけたのだ。そしてこれからシェルターを探していくという。とりあえず、一歩前進だ。市役所側がもう少し素早い対応をしてくれれば、親子路頭に迷うことはなかったのではないか、と思わなくもない。まだ車があって運が良かったのだろう。

市役所側は「それぞれの状況に応じて、少しでも早く施設を提供できるように対応するようにしている。」とコメントしている。ジュリサも、この先施設が決まれば、また仕事探しもできるだろう。これからも、子供と支え合いながら強く生きていってほしい。

この記事を書いたユーザー

Mayo このユーザーの他の記事を見る

公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

得意ジャンル
  • 話題
  • 社会問題
  • 動物
  • 海外旅行
  • 育児
  • テレビ
  • カルチャー
  • 美容、健康
  • ファッション
  • 感動
  • コラム
  • おもしろ

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス