毎年8月1日~3日にわたって開催される、日本3大花火大会のひとつ「長岡花火大会」。「死ぬ前に一度は観ておきたい」といわれるほど、圧巻の迫力とその美しさで人々を魅了する長岡花火ですが、単なるお祭りの花火ではないということをご存知ですか?

感動で涙があふれる「長岡花火大会」

慰霊と復興の願いを込めた「祈りの花火」

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毎年華やかに繰り広げられる「長岡花火」の起源は、今から70年前の1945年8月1日の長岡空襲から発します。多くの市民が犠牲になった惨事から1年後の1996年8月1日から、亡くなられた方の慰霊の念と、長岡の復興に尽力した人々への感謝、そして恒久平和への願いを込めて前身である「長岡復興祭」が開催されました。

今から70年前の昭和20年8月1日。その夜、闇の空におびただしい数の黒い影―B29大型爆撃機が来襲し、午後10時30分から1時間40分もの間にわたって市街地を爆撃。

旧市街地の8割が焼け野原と変貌し、燃え盛る炎の中に1,486名の尊い命が失われました。

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見渡す限りが悪夢のような惨状。言い尽くしがたい悲しみと憤りに打ち震える人々。

そんな折、空襲から1年後の21年8月1日に開催されたのが、長岡まつりの前身である「長岡復興祭」です。

この祭によって長岡市民は心を慰められ、励まされ、固く手を取り合いながら、不撓不屈の精神でまちの復興に臨んだのでした。

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慰霊の花火である「白菊」

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毎年8月1日に、長岡空襲の始まった時刻である午後10時30分に合わせて打ち上げられる「慰霊の花火」「白菊」と呼ばれる白1色の尺玉3発を打ち上げるとともに、市内寺院の協力を得て同時刻に慰霊の鐘が鳴らされます。

復興祈願花火「フェニックス」

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2,000発の花火が夜空に美しく舞い上がる「フェニックス」。長岡市を含め新潟県全体に大きな被害を及ぼした2004年10月の新潟中越地震の復興を祈願して、翌年2005年からスタートしました。「何度、被害に遭っても、不死鳥のように甦る」というメッセージを込めて、フェニックスと名づけられたといわれています。

平原綾香さんの「Jupiter」をテーマ曲に色鮮やかな黄金の光が重なり、夜空が一面に染まっていく光景…それは目を開けていられないほどの眩しさで、自然と涙があふれます。

夜空に咲く花「正三尺玉とナイアガラ」

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長岡花火の主役である「正三尺玉とナイアガラ」。直径90cm、重さ300kgという巨大な玉が、600m上空に打ち上げられ、直径650mに広がります。誰もが戦争の記憶を忘れないために、正三尺玉を打ち上げるときにはサイレンの音が鳴らされます。その幻想的な光景は、多くの人々に勇気と感動を与えてきました。

長岡花火を元に作られた映画「この空の花」

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2012年4月に公開された、大林宣彦氏が監督を努めた日本映画「この空の花」。1945年の長岡空襲と、長岡花火までの流れをドキュメンタリー風に描いています。

「世界中の爆弾を花火に変えて打ち上げたら、世界から戦争がなくなるのにな」

映画中にもあるこの言葉は、「裸の大将」などの名作を世に残し、長岡で見た花火を脳裏に焼き付けた記憶だけで貼り絵「長岡の花火」を描いた山下清画伯の言葉です。

その作品を家宝として大切に保管していた、これまで長岡花火を打ち上げ続けてきた伝説の花火師・嘉瀬誠次さんは、こんな言葉を残しています。

「すべての爆弾を花火に換えたいねー。二度と爆弾が空から落ちてこない、平和な世の中であってほしいんだよ。破壊のための火薬を楽しみのために使うんさ」

長岡花火に込められた人々の平和に対する想いを世界に発信するために製作された映画「この空の花」、この時期にぜひとも観ておきたい作品です。

花火ははかなく、美しいもの

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長岡の夜空に、美しい大輪の花を咲かせ、そして一瞬のうちに消えてしまう花火。この夏も人々は長岡の信濃川河畔に集い、復興と平和を祈って花火を上げます。そこには、還らぬ人や遠い日の懐かしい記憶に想いをはせ、そっと手を合わせる人がいます。

大切な人と一緒に眺める空を、いつまでも心に焼き付けておきたいと願う…長岡花火は人々のそれぞれの想いを乗せた、特別な花火なのです。今年の夏はぜひ、大切な人と長岡の花火大会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

最後に、動画をご覧ください。

出典 YouTube

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【開催情報】
■日程:2015年8月2日(日)〜8月3日(月)
■時間:19:20~21:10(予定)
■会場:長岡市 長生橋下流 信濃川河川敷
※小雨決行(荒天時は未定)

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