あなたの大切な愛する我が子が、「両目を除去しない限り命の保証はありません」と言われたら、子供が全盲になる道を選ぶだろうか?それとも…ー正直、この記事を涙なしには書けなかった。

これはイギリスのデイリーメール紙に紹介された、ある家族の感動のストーリーだ。

わずか生後3カ月で両目に悪性腫瘍を発見

出典 http://www.dailymail.co.uk

イギリスのバッキンガムシャー州に住むフィンタン・モーリー・スミスは、わずか7年で光を失った。手術により両目を摘出したのだ。そうしなければ、命の保証がないと医師に言われたからだった。

フィンタンは生後3カ月の時に「網膜芽細胞腫」というがんと診断された。医師は、フィンタンの両目にマッシュルームサイズの大きい悪性の腫瘍を発見したのだ。

「息子が3カ月ぐらいになって、やたら目を細めるようになったり、目玉をきょろきょろ動かしていることに気付いたんです。」両親は念のためにと医師に診てもらう。そこで衝撃的な申告を下される。

出典 http://www.willseye.org

バッキンガムシャー州のチルターン病院で、フィンタンの両目に大きな3つの悪性腫瘍があると聞かされた時、フィンタンの両親は悲しみに打ちひしがれた。そしてフィルタンはわずか生後3カ月から様々な治療を続けてきた。

まず最初に、化学治療を始めた。この先駆的な化学治療はなんとイギリスで今までにわずか3人しか受けていないというものだった。この治療でがん細胞が消滅してくれることを願って6か月間続けられた。しかし、完全除去には至らなかった。

フィンタンは小さい体で抗がん剤治療や、冷却療法にも耐えた。しかし、それもがん細胞を完全に消し去ることはできなかった。チルターン病院の医師は、フィラデルフィアとスウェーデンの眼科スペシャリストにも相談したが、最悪の結論を避けることはできなかった。

4歳の時に片目を摘出

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どんな治療を施してもがんが消えることがなかった医師は片目を摘出することを、フィンタンの両親に指示した。両親は、フィンタンの片目を摘出したことで、どうかもう片方の目が回復してくれるようことを祈った。

しかし、6年間の辛い治療にも関わらず、フィンタンの目からがんが消えることはなかった。片目を摘出したその2年後、フィンタンが6歳の時に、医師は「もう片目も除去しないとこのままではフィンタンの命は保証できないでしょう。」と両親に告げたのだ。

両親が受けたショックと悲しみをあなたは想像することができるだろうか。両目を摘出すればフィンタンは一生光を失ってしまう。しかし、それをしなければ、命はない。こんな残酷な選択があっていいものか。そしてフィンタン自身も両目を失うことを拒否したという。

フィンタンの父は語る。「息子から光を奪うということを考えただけで想像できませんでした。医師にそう宣告されても、信じられない気持でいっぱいでした。息子が片目を失うことにももちろん抵抗はありましたが、まだもう片方の目が見えるなら、という気持ちもありました。きっと大丈夫だろう、と。

でも両目を摘出してしまったら、手術のあと、もう二度と息子は私たちの顔も見ることができなくなるんです。彼から光を奪うことは生きる地獄のようなものです。息子はサッカーが大好きで、ピアノを弾いて歌を歌ったり、何か作ったりするのも大好きなんです。」

しかし、両親は愛する息子の命を救うために辛い決断をしなければならなかった。

「たとえ光を失っても、がんに侵されたもう片方の目をこのまま残しておくことは
できなかったんです。息子を失うことだけは耐えられなかった…」そしてフィンタンは両目を摘出することになったのである。

光を失う前に…

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両親がフィンタンに、両目摘出手術の話をすると、黙って何も言わなくなってしまったという。自分にこれから何が起こるのか半分ぐらいしか理解してないようにも見えたという。しかしその半分の理解力で、フィンタンは手術を拒否した。

それでも両親は最愛の息子の命が助かるならと両目摘出手術に踏み切ったのだ。そしてフィンタンの3人の兄弟にも両親は真実を話さねばならなかった。

「子供達にあまり心配させたくなかったから、あまり深刻になりすぎないようにしたかったんです。だからその日、花火を見に行って。その場で話そうと思ったけど、子供たちの友達や、その家族が周りにいたので、話すのが辛かったのを覚えています。」

話を聞いた兄弟のショックも大きかった。「僕達、最初は、フィンタンはただ目が悪いから、特別な度の強い眼鏡をかけなきゃいけないんだな、ぐらいにしか思ってなかったんだ。」アーチー(13歳)、バーナビー(11歳)そしてオリー(5歳)はそう言った。

しかし、両目摘出手術の1週間前、家族はフィンタンに何でも好きなことをさせてあげたいと思い、パリのディズニーランドに連れて行く。フィンタンはキャラクターのグーフィーが大好きだった。そしてディズニー側の親切な配慮で、フィンタンとディズニーキャラクターのスペシャルプレイの時間が設けられた。

その後、家族は機関車トーマスのミュージアムへも行き、フィンタンは友達とのサッカーも楽しんだ。そしてフィンタンの勇気ある両目摘出手術を迎えたのだ。

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両目を失うという悲劇に見舞われるにも関わらず、フィンタンは強く、耐えた。「目が見えなくなったら、盲導犬飼ってもいいの?」両親にそう聞いたフィンタン。手術後は盲目の人の為の特別なタイプライターも用意した。学校に行ってもこれを使って宿題ができるからだ。

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そして18か月前に、フィンタンの希望通り、盲導犬「オードリー」が新しく家族の一員となった。フィンタンは今でも友達とサッカーをする。鈴が入った特別なボールでするのだ。そして柔道も赤帯になった。

「全盲になっても、フィンタンはとても活発に過ごしています。見えない、という事実に上手く対応し、自分の変化を受け入れています。学校に戻っても、以前の彼と同じようにエネルギッシュでたくさん遊んでいます。」

「また見えるようになりたい」

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「それでも辛いのは、クリスマスに、フィンタンがサンタさんへの願い事としてまた目が見えるようにしてください、と手紙に書いたことです。それを聞いて胸が潰れそうになりました。

息子の願いをもうかなえてあげることはできません。でも、彼の命は何ものにも変えられないんです。死ぬか、全盲を選ぶか、その選択は決して容易ではありません。でも、死ぬリスクには変えられない。私たちは迷わず、フィンタンから両目を摘出することを選びました。」

父はこの5年間、The Childhood Eye Cancer Trustでチャリティ活動を行っている。同じように目のがんで苦しんでいる子供達を救うための募金活動をしているのだ。イギリスではこうした目のがんは、珍しい。毎年40人~50人の新生児がフィンタンと同じ症状を持って生まれて来る。

「フィンタンが、光を失ったことは悲劇には違いないですが、この病気で命を亡くしている子供達もいるんです。だから息子は助かっただけでも良かったと思っています。」両親と兄弟の愛に支えられて生きるフィンタン。

両目の光は失ってしまったが、フィンタンの心の中の希望の光は失わずに、これからも生きる希望を持って、人生をしっかり歩んでいってほしい。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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