記事提供:長谷川豊 公式ブログ

すでに報じられているとおりだ。大阪に本社を置くシャープが大変な苦境に立たされている。

シャープ経営危機、単体では「債務超過」

絶望のシャープ 現役社員が次々と語る 上司は右往左往するばかり。意見具申すれば「ソニーの回し者か」と罵倒された

みずほFGの佐藤康博社長 シャープに「10年後あるとは思えない」

パナソニックと並ぶ大阪の大企業であったシャープ。私自身もアクオスフォンにはお世話になったものだ。NYに赴任し、アイフォンを使用するようになるまでは5年以上、アクオスフォン一筋だった。

世界の亀山をはじめとする、「液晶画面のシャープ」。美しい、目の覚めるような画面は誰の目から見ても他社と比べて1枚上手であり、価格設定も当時のパナソニックのように変に高級志向に走っていなかった。

私は、ソニーやパナソニックを抜き去り、日本の最高の家電メーカーになるのはシャープではないか、とすら考えていた。

しかし、NYから帰ってきた2012年あたりだろうか…シャープは…かつての栄光は嘘のように、あまりに悲惨な経営状況に陥っていた。

当時は、パナソニックも苦しい状況になっていた為、日本全体の問題、家電メーカー全体の問題ではないかという意識もあった。

しかし、聞くにつけ…あまりに厳しい状況が次々と聞こえてきてしまい、もともとファンだったために「本当にシャープは大丈夫なのだろうか…」と心配したものだった。

その後、パナソニックは劇的な業績回復を見せ始める。例の「私たちは負け犬なのだ」という衝撃の社長会見が功を奏したのだろうか?あっという間に黒字化に戻したパナソニックは再び勢いを取り戻しているように感じる。

そのパナソニックと比較してしまうと、あまりに可哀想なほどに…シャープは依然として苦しい状況が続いていた。そして、10日ほど前にヤフーのトップ画面に久しぶりにシャープのニュースが流れたのだ。それが皆さんも目にしたであろう、こちらのニュースだった。

シャープ、超高画質4Kテレビを開発「8K並み」売りに7月発売

あぁ…。

ああぁ…。

本当にもうだめなのかも知れない…。

そう考えざるを得ないニュースだった。そう。シャープは何を思ったのか…そっちじゃないだろう的方向へ、今も全力で突き進んでいるようだ。みずほの佐藤社長の言っていたことが正しかったのか…。10年後、シャープはもう生き残っていないのだろうか…。

記事内容を少しだけ紹介しておこう。

シャープは7月に新しいテレビを売り出すのだ。シャープお得意の超高画質テレビだ。なんと、4Kテレビなのに、4Kテレビの画質を越えるのだ!いやっほう!8Kテレビ並みだぜ!みんな、買ってくれ!最高のテレビなんだぁ!

お値段…80インチで、168万円だけどね。

…もう…何と言えばいいのかよく分からないが…とにかく、一つだけ聞きたいのは…なんで誰も止めなかったんだ?この計画?

いや、立派なチャレンジ精神だとは思う。絶望的にバカなだけで、チャレンジスピリッツはかなり感じている。だが、だ。とにかく…

誰か止めろよ。何で止めない?

突っ込みどころが多すぎてアレなのだが、まず、80インチのテレビって、誰が買うんだ?そんなものが、今の日本で次々に販売できると本気で思ってるのか?私はアメリカに住んでいたが、アメリカは家はバカみたいに広い。と言うか日本が狭すぎるだけなのだが、とにかくアメリカは部屋も広いし天井もかなり高い。

そのアメリカでも60インチ以上のテレビなんて、そんなに売れてないが?(と言うか…ほとんど売ってない)

80インチのテレビって日本で需要、あるのか?あると考えているから販売したのだろうが、なんでも今後は同じ技術を使いながら、画面も小さくしていきたいのだとコメントしている。つまり…。

現段階で、本気で80インチだけしか売らないらしい。

しかも、そもそも4Kテレビが大失敗確定のムードが漂いまくっている昨今、何で真剣に「8K並みの4K」とか、1ミリも共感できないキャッチフレーズで売り出そうとしているのかがまったく理解できない。

何で…4Kがよく分からない上にそもそも必要とされていないのに、それ以上にきめ細やかな8K(しかも、別に本当の8Kではない)を求めなきゃいけないんだ?申し訳ないが、まだテレビ局、全然対応していないんだが?

要は買ったところで、8K画像なんて、頑張っても見られないのである。だって8K映像なんて配信していないので。配信されていないのに、何で売り始めるんだ?

極めつけは値段設定である。

誰か、シャープの超ぼんくら経営陣に、はっきり言ってやってほしい。超低脳バカ経営陣に教えてやってほしい。正常な日本人にとって…。

168万円は、テレビに支払う金額ではない。

何で日本国民の99・99%の人間が常識として分かっていることを、バカみたいに高額な役員報酬をもらっている経営陣が分からないんだ?一人で経営をやってるわけではないだろう?問題はここなのだ。

『何で誰も止めないんだ?』

変なやつが経営陣収まることはままあることである。それは日本の歴史のある企業であればしょうがないことだ。

一部の人間が権力を握り、その権力者に取り入るだけしか才能のないバカが経営に口を出す…。日本の企業のどこでも起こっていることである。そんなこと、テレビ業界だって同じだ。なので視聴率が壊滅していってるのだけれど…。

でも、誰かが止めなきゃ。こんなに分かりやすく失敗することが目に見えているのに、なんでまた、こんな方向に全速力で走っているのだろうか。何で誰も止めない?

シャープの経営陣はもはや伝説と化した「3Dテレビ」の反省はないのか?それとも、忘れたのか?もう忘れたのか?わずか数年前の話なのに。家電業界はあのときに思い知ったはずである。

「テレビ」とは「テレビ内のソフトを視聴するためだけのもの」でしかないのだ。

とっくの昔に若い世代はテレビなんてなくても別にかまわない生活をしているし、「内容」が分かれば白黒でもカラーでも「良いものは良い」だけなのだ。

白黒時代のオードリーヘップバーンの「ローマの休日」を見たら誰でも感銘を受けるだろう。今の時代でも、だ。テレビの画素数などは

きれいですか、へー

くらいのものであって、視聴者が求めているのは単なる「面白い内容のテレビ」である。その「面白さ」がどんどん昨今のテレビから失われていっているのだ。画面が4Kだろうが8Kだろうが、

そこじゃない

のである。その程度が理解できていない段階で。かなりの致命傷だ。どこぞのテレビ局と同じだが、経営陣が「液晶のシャープ」とか言われて調子に乗って楽しくてしょうがなかった時代をもう一度取り戻したいのだろう。

ほとんど田舎ヤンキーの「昔はよかったぜ」的な感覚だが、こんな製品を嬉々として発表している経営陣がいる限り、シャープの再生はないだろう。

もう、50歳以上の社員、全員リストラで良いんじゃないか?社長は30代から選ぶべきだ。そうでもしない限り、シャープは再生しない気がするニュースだった。

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