子供を持つ母親なら誰もが経験したことがあるであろう、子供の癇癪。短時間で治まればいいが、はっきりした理由もなくただただ愚図る時もある。今回は、一人息子の日々の癇癪の酷さに辟易すると同時に、我が子には精神的にどこか問題があるのでは、と思っていたイギリスに住むシングルマザーのストーリーを紹介しよう。

自分の息子は「自閉症」!?

出典 http://www.dailymail.co.uk

イギリスのモンマウスシャー州に住むシングルマザーのロビン(21歳)は、度重なる3歳の息子、ビリーの酷い癇癪に日々、悩んでいた。一旦癇癪を起して暴れ出すと手がつけられない。しかもビリーは不眠症で寝付くのも悪く、夜中何度も目が覚める。ロビンは次第に、ビリーが自閉症なのではないかと思い始めた。

夜の寝かしつけが一苦労

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ビリーはテレビでアニメを見るのが大好きな子供だった。朝から晩までアニメに釘付け。当然夜もギリギリまでアニメを見ないと気が済まない、といった感じで、昼間忙しくしている母親のロビンにとっては、ビリーを寝かしつけるまでの間が毎日とんでもなく大変なのであった。

「毎晩、11時か12時ぐらいにしか眠くならないんです。どんなに早く寝るように言っても駄目。しかも、やっとベッドに入ったと思ったら、絵本を読んでってせがまれて、毎日3時間も読んでるんです。」

そうしたらようやく眠りにつくというビリー。しかし、夜中、何度も目が覚めてしまう生活が続いている。「もういったい何回起きるの!?って思うぐらい起きるんです。寝たと思ったらまた起きて、って。脳が全く休んでない状態のように思いました。だからきっとビリーはどこか精神的に異常があるんじゃないかって。」

自分の兄も自閉症だった、と言うロビン。我が子の態度に将来不安を感じ、思い切ってテレビ出演をすることに。それはイギリスのチャンネル4で放送されている「Born Naughty?(癇癪持ちに生まれたの?)」という番組だった。

「番組に出ることで息子のどこが悪いのかはっきりすると思ったんです。来年から小学校に通うようになるし、その前に問題があるなら解決しなきゃって。このまま手のかかる子になって欲しくないし。」

そんなロビンの不安を抱えての出演であったが、番組ではそれぞれの専門家たちがビリーの言動を細かくチェックし、なんと意外なことが判明したのである。

ビリーは自閉症ではなかった

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GP(General Practitian)の医師ラヴィはこう語る。「ビリーは想像力がとても豊かで言語能力が発達しています。自閉症とは思えません。」そして、睡眠専門家のデヴは録画したビデオをチェックしながら言う。「普通、3歳児のベッドタイムは7時半~8時です。でもビリーの場合、11時~1時ぐらいまで眠くならないようですね。」

「朝は何時に起きてるの?」というデヴの問いに、ロビンは「寝つくのが遅いので、朝は、というか昼過ぎまで寝ているんです。」

CCTVで真実が明らかに!!

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ビリーの部屋にCCTVを設置し、チェックしてみたところ、なんと驚くべき事実が判明した。ビリーの部屋ではペットの犬と猫も一緒に寝ている。彼らのベッドは当然、床にあるのだが、なんと夜中に犬がビリーのベッドに這い上がり、しかも枕を奪い、その枕の上で寝そべっていることが判明。

更に飼い猫までもが、ビリーのベッドの上にあがり、2匹してビリーをベッドから追い出しているのだ。ビリーは犬に枕を奪われ、頭を置くことができず、そんな中犬は更にビリーをベッドの隅に押しやる。そして猫も参戦して押していたのだ。

ビデオを見たロビンは驚きで声が出なかった。自閉症と思っていた我が子が、なんと毎晩ペットの犬猫に睡眠妨害されていたのだ。専門家のデヴは言う。「ビリーが夜中何度も目を覚ましていたのは、睡眠相後退症候群によるものだと思います。」

睡眠相後退症候群(すいみんそうこうたいしょうこうぐん、Delayed sleep-phase syndrome; DSPS)、または睡眠相後退障害 (delayed sleep-phase disorder) は、慢性的な睡眠のタイミングに関する障害(概日リズム睡眠障害)のひとつである。DSPSの患者は、とても遅い時間に眠りにつく傾向があり、朝起きることが困難である。

DSPS患者は、何時に床に就いても早朝まで眠ることができないが、毎日ほぼ同じ時間に眠ることができると報告されている。DSPSに加えて、睡眠時無呼吸症候群のような睡眠障害を持っていない限り、患者はよく眠ることができ、通常と同様の睡眠時間を必要とする。それゆえ、患者は数時間の睡眠しか取れないまま、学校や仕事に出かけるため起床しなければならないことに困難を感じる。

しかし、彼らは自由な時間(例えば、午前4時から正午まで)に眠ることが許されるのであれば、よく眠り、自然に目覚め、再び彼らにとっての”夜”が来るまで眠たいと感じない。

この症候群は通常、幼少期または思春期に発症し、思春期または成人期の始めになくなる。DSPSは通常、治療できるが治癒はできない。

出典 http://ja.wikipedia.org

この症状は、子供の集中力の低下と態度に問題が起きるようになる。「ビリーが時々火山のように爆発してしまうのは、この症状が原因です。子供にとってたっぷり睡眠を取るということは、とっても大切なんです。」

この症状に加え、2匹のペットによる毎晩の安眠妨害。これでは眠りたくても眠れないだろう。

犬猫を別室に

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真実が判明して以来、ビリーの部屋から犬猫は追い出された。そして日々のルーティンを変えるように努力したところ、ビリーの変化は著しく、以前よりも癇癪の態度が随分マシになったという。

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イギリスでは、中学生の子供も8時にきっちり寝かせる家庭もある。その後は「大人の時間」だからだ。毎晩、ビリーをベッドに行かせるまで格闘し、夜中遅くまで絵本を読み聞かせていたロビンの疲れは半端なかっただろうと想像する。

これからはきっともっとロビンの自由時間も増えることだろう。犬猫同室は思わぬ睡眠妨害を招くことが今回の出来事でわかったので、だいたいのイギリス人がそうするように、やはり子供は子供部屋に一人で寝かせた方がいいのかもしれない。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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