今現在、多くの独立国家は自らの共同体を象徴する"国歌"を採用しています。日本の「君が代」をはじめとして、荘厳なもの、どこか軽妙で親しみやすいもの、様々な国歌が世界には存在しています。そして、今は世界地図から消えてしまった国家にも各々の共同体に相応しいと考えられた国歌が採用されていました。この記事では、そんな今は亡き国歌の一部を紹介したいと思います。

ロシア帝国…神よツァーリを護り給え

Imperial Russian Anthem

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ロシア帝国の国歌『神よツァーリを護り給え』

1917年のロシア革命により滅亡したロシア帝国において、公式の国歌として採用されていた曲です。当初の帝国においては、英国の国歌『女王陛下万歳』のメロディを模した曲を国歌として採用していましたが、1833年に独自の新たな国歌を選定すべくコンテストが開かれました。

作詞はヴァシーリー・アンドレーエヴィチ・ジュコーフスキー、作曲はアレクセイ・フョードロヴィチ・リヴォフのものが選ばれ、正式に国歌として採用されました。現ロシア国歌に負けず劣らず荘厳で歴史を感じさせるものであり、この曲を聴けば今は亡き帝国に思いをはせることができるでしょう。

ドイツ民主共和国…廃墟からの復活

廃墟からの復活

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ドイツ民主共和国の国歌『廃墟からの復活』

東西ドイツ統一によって消滅したドイツ民主共和国(東ドイツ)において採用されていた国歌です。ヨハンネス・ローベルト・べヒャーとハンス・アイスラーの手によって制作されました。

現在でも、その勇壮かつ荘厳なメロディで多くの人を魅了し、DDR時代を懐かしむ人にとっては重要な楽曲の1つとなっています。なお、日本においては、このメロディを模した曲が某アダルトゲームの挿入曲として使用されたことがあります。…それだけ素晴らしい曲だということでしょうね!

オーストリア帝国…神よ皇帝フランツを守りたまえ

神よ、皇帝フランツを守りたまえ

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オーストリア帝国国歌『神よ、皇帝フランツを守りたまえ』

1918年に崩壊したオーストリア帝国において国歌として採用されていた曲です。制作時期は18世紀末、いわゆる国民国家の形成期において、民衆の意識高揚を目的としてフランツ・ヨーゼフ・ハイドンの手によって制作されました。

時代の変遷とともに、数度にわたって歌詞の改変がなされており、また数多くの替え歌も作られています。現在ドイツの国歌として採用されている『ドイツの歌』もその1つです。

ソビエト連邦…祖国は我らの為に

祖国は我らの為に

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ソビエト連邦国歌『祖国は我らの為に』

冷戦終結とともに歴史上から消え去ったソビエト連邦の国歌です。1944年にそれまで国歌とされていた『インターナショナル』代わって制定され、ソ連邦崩壊の時まで長らく国歌として歌われました。

なお、とある事情により1977年に歌詞が差し替えられました。

その荘厳なメロディには人種国籍思想を問わず魅了される者が多く、現在でも非常に高い人気を誇り、ポップ版ロック版など数多くのアレンジがなされています。現ロシア連邦においても、メロディはそのままに歌詞を新調したものが国歌として採用されています。

ドイツ帝国…皇帝陛下万歳

皇帝陛下万歳

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ドイツ帝国国歌『皇帝陛下万歳』

1918年に崩壊したドイツ帝国において「非公式の国歌」として、皇帝賛歌として歌われていた曲です。旋律が英国の『女王陛下万歳』と同じものであることなどから、帝国においてはあまり人気が無かったようです。

ドイツ第三帝国…旗を高く掲げよ

旗を高く掲げよ

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ドイツ第三帝国国歌『旗を高く掲げよ』

ドイツ第三帝国、いわゆるナチスドイツにおいて『ドイツの歌』と共に、第二国歌として歌われていた曲です。ドイツにとって、あるいは人類にとって負の歴史の象徴とも言える曲であり、数多くの歴史番組などで使用されていることから、耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。

当然ながら、現在のドイツにおいては公の場で歌うことが禁じられています。なお、この曲を模した"党歌"を採用しているネオナチ団体が存在します。

イタリア王国…君王陛下行進曲

君王陛下行進曲

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イタリア王国『君王陛下行進曲』

イタリア王国において1861年の建国から1946年の王制廃止に至るまで、正式に国歌として採用されていた曲です。現在のイタリアは共和国となっており、『イタリアの兄弟』が国歌として制定されています。

満州帝国…満州国国歌

満州国国歌

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満州帝国国歌『満州国国歌』

日本帝国の傀儡国家として知られる満州帝国において採用されていた国歌です。満州国には正式制定された国歌がいくつか存在し、この曲はそのうちの1つです。こちらの曲はその軽快なメロディから日本国内においても親しまれたと言われます。

満州国という国家が歴史上に確かに存在していたことを、後世の人間に伝えてくれるものではないでしょうか。

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