【1】今も語り継がれる「伝説のバイト」

今現在、学生をやっていらっしゃる方は勿論、アルバイトを経験した方は多いだろう。アルバイト先を選ぶ時、恐らく皆が思う事は…「なるだけ時給の良い職種を選びたい」。

では、最近の時給はどうなのか?と尋ねれば…、こんな記事がある。

アルバイト求人情報サイト「バイトル」を運営するディップが、同サイトの求人広告に基づき集計したところ、2014年5月のアルバイト時給の全国平均は5円増えて961円。一番高かったのが関東地区で、前月比11円増の1003円となった。

出典 http://careerconnection.jp

1年前のデータではあるが、1000円程度という結果が出ている。勿論、地域や職種によって大きく変わるので、参考数値と考えた方が良いだろう。

ところが、時給1000円どころか、場合によっては「数万円」を超えると言われている、そんな伝説のアルバイトがある。それは、「死体洗いのアルバイト」だ。

【2】筆者の周囲を調査した結果

筆者も、その話を聞いた事があるが、実際にやった事は無い。周囲にも「俺、やったことあるよ」と言う人はいない。情報の伝達経路を調べてみると、「先輩の友達から」「後輩の弟から」など、「又聞きを更に又聞き」という伝言ゲームみたいな状況だった。

また、バイトのシチュエーションが多彩なのも特徴だ。

「大学の解剖実習で使う死体を、ホルマリン入りプールに漬けてある」

「そのプールの周りで、アルバイトが作業・監視している」

「たまに死体が浮かんで来るので、場合によっては、棒で突いて沈める」

「棒で突く時、力加減を間違えると、死体が崩れる」

「死体の内にあるガスが、泡になってボコボコ出てくる」

上記の様な「詳細な状況」が語り継がれるのだが、やはり実際に経験した人はいない。つまり、都市伝説になっている。

【3】この都市伝説の信頼性は?

この都市伝説の元になったのが、ノーベル文学賞受賞者、大江健三郎氏のデビュー作、「死者の奢り」だと言われている。1957年に発表された短編小説だ。この作品の主人公が、「大学の医学部で保存されている、解剖用の死体を扱うアルバイト」という設定だった。

この小説の内容が、「真実を基にしたものなのか?」について、はっきりとした出典を確認できなかった。疑わしい。その辺も、都市伝説化を加速させる要因になっているのだろう。

疑わしい理由は、他にもある。例えば、先述の「ホルマリン入りのプールに漬けた死体を、棒で突いて沈める」という話だ。

ホルマリンは、極めて有害な物質で、揮発性が高い。蓋をシッカリ閉めれる容器に保管しておかないと、周囲に被害が出る。もし「ホルマリンを入れたプール」があったとして、蓋が閉めれるのだろうか?

また、そこで作業する者の安全はどうだろうか?そういった安全管理の面からも、アルバイトに作業させる事は適当でない。

そもそも、医療機関などに於ける死体の取り扱いについては、「死体解剖保存法」「医学及び歯学の教育のための献体に関する法律」などの法令により、厳格なルールが課せられている。経験の浅いアルバイトが、気軽に扱える代物では無いだろう。

以上の様な理由から、「死体洗いのアルバイト」は存在しないという結論に達するのである。


【4】いや、存在する

しかし、死体洗いのアルバイトが、全く存在しないワケでは無い。「言っている事が矛盾しているぞ!」と怒られそうだが、今迄の流れは、「先述の様な、医療機関での死体洗いバイトは、ありえないだろう」という主張だ。状況が違えば、死体洗いのバイトが存在し得る。


それは…死に化粧のアルバイトである。

つまり、葬儀の前に、ご遺体を綺麗にする仕事である。主に、葬儀業者が担当する仕事だ。映画「おくりびと」をイメージして頂ければよい。この作業を、湯灌(ゆかん)と言う。湯灌には、先述の「死体解剖保存法」の様な厳格なルールが存在していない。

また、葬儀業者の従業員が担当する事が多い様だが、バイト求人もある。

【5】やってみようと思う方へ

確かに実入りは良いかも知れないが、軽い気持ちで応募しない事をお勧めする。相手が死体だからといって、粗末な扱いをしてよい訳では無い。むしろ、生者よりも気を遣うかもしれない。

また、遺体を綺麗にする仕事なので、綺麗になる前の遺体を扱わなければならない。
それなりの覚悟が必要だろう。

葬儀業者などにより、サポート体制が整っているところもある様なので、アルバイトでも勤まる可能性は、大いにある。ただ、人の死に関わる仕事だ。とても大事な仕事だ。そこを忘れないで欲しいと願う。

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