記事提供:しらべぇ

■コーヒーに「第3の波」、1杯500円でも厚い支持層

東京・清澄白河(江東区)に今年2月、米国・カリフォルニア発祥のコーヒーチェーン「ブルーボトルコーヒー」が国内へ上陸して初出店。連日の行列が話題になったことで、「サードウェーブコーヒー」なる言葉を耳にする機会が増えている。

「サードウェーブ」とは、文字通り第3の波のこと。簡単にまとめると、既存のコーヒーに飽き足らなさを感じている層を対象に「もっとおいしいコーヒーを提供しよう」という新たな動きだ。

注目の「ブルーボトル」では、オーガニックで栽培された豆を産地からフェアトレードで仕入れて自家焙煎。焙煎後は48時間以内にスタッフのハンドドリップでコーヒーを入れ、提供している。

1杯500円前後という少々高めの価格設定も、味を追求した結果とあっては納得。おしなべて満足感は高いといえるだろう。

■大手外食産業も注目か?四国・高松に見る「第3の波」

ここへ来て「第3の波」は、一気に広がりを見せてきた。セルフうどん「丸亀製麺」でおなじみのトリドール(神戸市)が仕掛けるのは、「クローバー珈琲焙煎所」。今年3月、四国・高松市に1号店(写真)をオープンさせている。

「メニューを店内で食材から調理。手作り・できたてで提供することに力を入れてきた」(トリドール広報・深掘さん)という同社。実際に、丸亀製麺ではうどんの製麺や昆布のだし取りといった作業を店内で行ってきた。

同社が培ってきた伝統を「クローバー」も踏襲。提供するコーヒーには、4つのポイントがあった。

■手間暇いとわず「うまさ」を追求

4つのポイントとは、

・豆を店内で低速焙煎(毎日)
・豆のブレンドは店内バリスタが担当
・焙煎した豆は注文ごとにひく
・スタッフによるハンドドリップ

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で、いずれも手間がかかる作業をいとわないところに味への追求が見て取れる。「ブルーボトル」と同じくオープンキッチンを採用することで、ハンドドリップなどに立ち働くスタッフの姿を前面に押し出しているのも目新しいところだ。

「特にサードウェーブを意識していない」(深掘さん)とはいうものの、新しい波を感じてか店内は盛況。

セルフサービスのうどん1杯が100円で食べられる香川県にあって、1杯が500円前後(486円~594円)になるコーヒーを求め、来店する客の姿が絶えない。

■うどんなら5杯分の「ぜいたく」、500円コーヒーの勝算は?

なお香川県は、自他共に認める「節約県」。

▼1世帯あたりの年間収入総額(2009年)

▼1世帯あたりの預貯金残高(2014年)

1世帯あたりでみると、年間家計収入が640万円ほどで47都道府県中24位なのに対し、預貯金残高は1,623万円弱で同2位と、1位の東京都(約1,759万円)に次ぐ位置にある。

▼人口1000人あたりの飲食店数(2012年)

一方、人口1000人あたりの飲食店数は約4.3店で同9位。「普通に稼いでよく貯める。外食もするがカネはかけない」といった県民性が浮かび上がってくる。

実際に地元では…

「昼食はもっぱら250円のうどん。ビジネス街なので仕方ないが、100円うどんを思うと高い」(20代男性)

「県外から進出した外食店は高く感じる。特に麺類は、どこも苦戦しているように見える」(30代男性)

「『うどんデフレ』で高額商品が売れないのか、百貨店も撤退して空きビルになっている」(同)

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といった声が聞かれた。「うどん県」を名乗る香川県らしく、コメントにうどんの陰が見え隠れするところは興味深い。

■「こういう店が欲しかった」という歓迎の声も

ところで「クローバー」の立地は、3年ほどで閉店した「丸亀製麺」四国1号店の跡地。

深掘さんは「全国的な店舗配置最適化の一環。高松では近接する丸亀製麺の各店が顧客を奪い合う自社競合が起こっていた。業態転換により競合の解消を図ることにした」と説明する。

地元の声は…

「『丸亀』と同じ会社の運営で1号店と聞いてびっくり。『第3の波』はうれしい」(20代女性)

「自家焙煎のコーヒーにプレミアム感。パンも自家製とあって魅力を感じる」(30代女性)

「節約県・香川に1号店を出すのは納得。高くても、ここで流行れば全国で通用しそう」(30代男性)

「高いが納得。食事メニューでは『ナポリタン』(950円、写真)も本格的」(40代男性)

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と、歓迎する声が多く聞かれた。

■「クローバー」、今後のチェーン展開は?

「位置づけはテスト業態だが、おかげさまで現在、地元からご好評をいただいている」(深堀さん)と話す同社。現在、北海道から沖縄までの国内9カ所(1号店含む)で「クローバー」の出店を計画している。

2号店のオープンは5月末。福岡県に「那珂川店」がお目見えする予定だ。

中心市街地の空洞化などから地方では、その店ならではのコーヒーとくつろぎの空間を提供してくれる喫茶店が、どんどん姿を消しつつある。店主の高齢化といった事情もあるだろう。

だからこそ、味わいと雰囲気の両面で「一杯のコーヒー」を存分に楽しめるサードウェーブの波及は歓迎したいところ。「クローバー」のみならず、今後の展開には大きく期待を寄せたい。

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