記事提供:しらべぇ

日本語の乱れが目立つようになったと言われる昨今、槍玉にあがるもののひとつに、「全然おいしい」「全然OK」といった「“全然”+肯定形」の用法があります。

「“全然”+否定形」が正しい用法であって、「“全然”+肯定形」の用法は誤っていると考えている人も多いのではないでしょうか。

そこで、しらべぇ編集部では、「全然おいしい」「全然OK」といった「“全然”+肯定形」の用法に対して違和感を覚えている人がどのくらいいるのか調査してみました。

Q. 「全然おいしい」といった「全然」の使い方に疑問を感じる?

約3人に2人が、「“全然”+肯定形」の用法に対して疑問を感じている人が多いようです。

さらに、年代や性別ごとに調査したところ、以下のような結果が得られました。

全体の傾向として、男性よりも女性のほうが「“全然”+肯定形」の用法に対して疑問を感じている人が多く、年齢が上がるにつれてその割合が高くなっていくのがわかります。

■実際のところ間違いなの?

結論から言うと、「“全然”+肯定形」の用法は決して間違った用法ではありません。国語辞典では、“全然”には「非常に」や「とても」の意味もあるとして、「全然大きい」などの用法を認めています(デジタル大辞泉より)。

国語の時間に「“全然”は本来否定を伴う副詞であって、『全然おいしい』『全然面白い』といった言葉は間違っている」と教わった人もいるかもしれませんが、芥川龍之介や夏目漱石といった明治の文豪の作品には「全然+肯定形」の用法が頻出しています。

■いつから言われ始めたの?

いつ頃から「“全然”+否定形」の用法が定着し始めたのかと言うと、日本語学や国語学の専門家はこう捉えています。

“全然”は本来否定を伴うべき副詞である」という規範意識(この語の国語史上の使用実態と反しており、「迷信」と呼ぶべきものである)に関する記述は、戦後昭和28~29年の雑誌『言語生活』に集中的に見られることが指摘されているが、この規範意識がいつごろどのように発生・浸透したのかについては、先行文献では解明されていない。

(日本語学会2011年度秋季大会研究発表会発表要旨より)

出典しらべぇ

つまり、いつ、どのようなプロセスで「“全然”+否定形」が浸透していったのかについては不明ですが、戦後間もない頃に「“全然”+否定形」に対する規範意識が生まれたようです。

以上を踏まえると、昭和30年代前後に生まれた人が「“全然”+肯定形」に対して疑問を感じるのはごく自然なことであると言えます。

現代の国語の規範を尊重し、「“全然”+否定形」で用いる分は構いませんが、「“全然”+肯定形」は間違った用法であるとして真っ向から否定するのは避けたほうがよいかもしれません。

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2015年4月17日~2015年4月20日
対象:全国20代~60代男女計1658名

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