記事提供:カラパイア

いっさいの批判を封じる方法がひとつだけある。何も言わず、何もしないことだ。しかしもちろん、そういうわけにはいかないし、建設的な批判であれば自分のためにもなる。

ところが、一部の人は対象が何であれ必ずケチをつける、生来の「ヘイター(hater)」であることが、最近の研究によって明らかになった。この種の人々は、その気質的に何でも嫌い、物事の欠点にばかり目を向けるのだという。

米イリノイ大学心理学科のジャスティン・ヘプラー博士らは、さまざまなトピックに関する人々の反応を調査し、機関誌「Journal of Personality and Social Psychology」に発表した。

トピックはそれぞれに関連性がなく、多岐にわたっており、被験者は特にそれについて予備知識を持っていなかった。また調査当日の気分に結果が左右されないよう、日を改めて再度別のトピックに関して同様の調査を実施した。

その結果、顕著な傾向を示す2種類の人々がいることがわかった。

何でもポジティブに受け止めて好きだという「ライカー(liker)」と、何でもケチをつけて嫌う「ヘイター(hater)」である。

それが建築に関することであれ、ヘルスケアに関することであれ、ライカーは何の外部情報を与えられなくてもほとんどのトピックを肯定的に評価し、他方でヘイターはすべてを否定的に捉えた。

これら一部の被験者は、好き・嫌いの気質によるバイアスにより、特に理由もなく、良く知らないトピックを嫌ったり(あるいは好んだり)している。

このことは、特に表現者は知っておくべき事実かもしれない。なぜなら、あなたが何を表現し、どんな作品を発表しようとも、それを(理由もなしに)批判して嫌う人は必ず一定層いるということだからだ。

ネット上に何らかのテキストや作品を公開した経験のある人なら知っているだろう。ほとんどの場合、リアルで面と向かって会っていたら絶対に言われないような辛辣なコメントが寄せられるはずだ。なぜ人は、オンラインでこうした態度を取るのだろうか。

対面や電話では言ったりしたりしないことを、ネット上ではしてもいいと思ってしまう現象を「オンライン脱抑制効果」と命名した心理学者のジョン・スラーは、オンラインで態度が変わる(抑制が効かなくなる)要因として次の6つを挙げている。

1. あなたは私を知らない

匿名性のおかげで、実生活の評判には傷がつかない。相手からの仕返しや、責任追求を心配する必要もない。

2. あなたには私が見えない

相手の顔が見える対面のやりとりは、より共感しやすいことがわかっている。逆に、自分が傷つけているかもしれない人の顔がわからなければ、罪の意識も恥ずかしさも芽生えにくいだろう。目の前にあるのはパソコンのスクリーンであり、人ではないのだから。

3. では、また後で

オンラインでは、すぐに相手から反応があるとはかぎらないし、返信を待つ必要もない。自分の言いたいことだけをぶつけて、二度と関わらないことも可能だ。

4. すべては頭のなかのこと

オンラインでのやりとりは、現実を歪めることがあるとスラーは主張する。相手の特徴や性格を、自分の都合のいいように作り上げてしまうのだ。

5. 単なるゲーム

批判者が非難されたときの常套句。「マジになるなよ、ただのネットじゃないか」

6. あなたのルールはここでは通用しない

ここはインターネット。実際の会話中に突然立ち去るのは失礼だが、チャットをいきなり終了しても失礼にはあたらない。

さらに、米フロリダ州立大学心理学科のロイ・バウマイスター教授は、論文「Bad is Stronger Than Good」のなかで、一般的に、悪い印象やフィードバックのほうが、良い印象よりも「すぐに形成され、反証されづらい」。と指摘している。

つまり、辛辣なコメントのほうが賛辞よりも人の記憶に残りやすいということだ。

ケチをつけるだけなら誰にでもできる。だが、何かを創造し表現することには勇気がいる。

そしてその創作物を世に問うたときに、必要以上にくじけることなく、自分のためになる本物の批判を見分けるためにも、何をやっても必ず嫌う人はいることを覚えておくといいだろう。

何にでも難癖をつけたがる人は、批判や誹謗中傷が、言論の自由であると勘違いしていることがある。自由を手に入れるには責任が伴う。全ての発言には責任が伴う。匿名だからといって逃れられるものではない。ネット上に吐いたツバは自分に戻ってくる。

それでもどうしても文句を言わずにいられないのなら、誰にも聞かれない場所で独り言をつぶやくか、非公開のノートに書き留めておくとよいだろう。

ネットの怖さは一度書き込んでしまったら最後、それが半永久的に残ってしまうことだ。取り消そうとしても後の祭り。放った言葉は永遠についてまわる。

出典:99u

カラパイアのおすすめ記事】

能力の低い人ほど根拠のない自信に満ちあふれている。「ダニング=クルーガー効果」とは?
ネットを徘徊する荒らしはサイコパスなナルシストで、サディストであることが判明(カナダ研究)
人をけなしたり批判するのが好きな「皮肉屋」は脳に損傷をうけ認知症になるリスク(フィンランド研究)

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス