イタリア生活11年の筆者。今ではこの国の文化、習慣にも慣れてきましたが、この国に留学でやってきたばかりの頃は、いわゆる“典型的な日本人”の行動を取っていました。

しかし、イタリアでの生活を通して、「当然」と思って日本で取っていた行動が、イタリア人などの外国人には「不思議」に映ることがあるのだということを知りました。

今回は、よくイタリア人に「どうして日本人は…?」と聞かれた日本人の行動5つをご紹介したいと思います。

「ありがとう」を何度も言う

日本では感謝の気持ちを表す「ありがとう」は何度言っても足りないくらいですよね。

親切にしてもらったその時はもちろんのこと、それから1週間後や1ヵ月後にまたその人に出会ったら「先日はどうもありがとうございました。」「あのときは大変お世話になりました。」と時間が経っていてもまたお礼を言うのが日本人です。

しかし、そんな日本人に比べ、外国の人は「ありがとう」と言うことにかなりドライなような気がします。

イタリア人は「ありがとう」と1度言ったら、それで終わり。

別にイタリア人が日本人に比べ感謝する気持ちが少ないわけではありません。ただ、1度の「ありがとう」で十分だと言うのです。

イタリアに来た当初、日本にいる感覚で、親切にしてくれたイタリア人に「ありがとう」「あの時はありがとう」と何度も繰り返して言っていたら、「そんなに“ありがとう”って言わなくてもいいわよ…。」と苦笑いされました。

あまり繰り返し「ありがとう」と言うと、からかっているように聞こえる場合もあるようです。

日本人同士が何度もお辞儀をして御礼をしているのを見たイタリア人に「日本では何回頭を下げてお礼を言わないといけないんだ?」と聞かれたこともあるほどです。

相手が見えなくなるまで見送る

「さようなら」と言った後、相手に背を向けて歩き出してから、もう一度相手の方を振り返り手を振ったりする日本人は多いと思います。家まで車で送ってもらったら、送ってくれた人の車が見えなくなるまで家に入らず見送るという日本人も多いと思います。

しかし、イタリア人は「さようなら」と一旦別れたら、1度もこちらを振り返らないという人がほとんど。

「さようなら」と言ったけれど、きっと振り返ってくれるだろうと思って待っていたのに、結局一度も振り返ることなく、相手が見えなくなったという経験をしたイタリア在住の日本人は多いのではないでしょうか?

また、こんなケースも…イタリア人男性が日本人女性を家まで送ったとき、安全のためにも男性は女性が家に入った(ドアが閉まった)ことを確認してからその場を離れようとします。しかし、日本人女性は「相手が見えなくなるまで見送ろう」とするので、なかなか家の中に入らず、イタリア人男性はなかなかその場から離れられなくて困ったなんてことも。

お互いを思いやる微笑ましい考えの行き違いではありますが、お互い家になかなか帰れないので確かにちょっと困りますよね。

人前で靴を脱ぐ

日本人は家に入るとき靴を脱ぎます。ですので、人前で靴を脱ぐ、素足や靴下になることに慣れていますよね。

しかし、西ヨーロッパのほとんどの国は土足で家に入ります。ですので、人前で靴を脱ぐことに慣れていません。

これは知り合いのイタリア人たちが言っていたことですが、人前で靴を脱ぐのはけっこう“恥ずかしいこと”なんだそうです。イタリア人にとっては靴も服の一部で、人前では身につけていないといけないものという考えがあるようです。

ちなみに、イタリアの家では土足で家に入りますが、ほとんどの人が自分の家に帰ったときはスリッパなどに履き替えます。しかし、お客さんが来るときなどは自分の家でもスリッパではなく、しっかりと靴を履くのです。

夏、日本へ行った知り合いのイタリア人が、「電車の中(公共の場)で靴を脱いでいる日本人の女の子を見た」と言ってビックリしていました。

靴を脱ぐという行為、イタリア人と日本人とでは感覚にズレがあるようです。

皿を手に持って食事する

日本では椀物などを食べるときには手に持って食べるのがマナーです。小さい頃、両親に「お茶碗をしっかりもちなさい!」と言われたことのある人は多いと思います。

ところが、ナイフ、フォーク、スプーンを使って食事をする欧米の国々では、皿を手に持つことはまずありません。逆にそれはマナー違反。なので、茶碗や皿を手に持って食事する日本人を見て、はじめは不思議に思う人も多いようです。

また、お椀(イタリア人にとっては皿の一つ)に直接口をつけて汁物をいただくというのはイタリア人にとってはもってのほかの行動のようです。皿に直接口をつけるというのはイタリアのテーブルマナーではもちろんマナー違反ですから。

日本食ブームのイタリアですが、“椀物は手に持って食べる”という日本のマナーを知っているイタリア人は少ないので、お椀をテーブルに置いたまま食べるという、逆に日本人にとってはだらしない食べ方をしているイタリア人が多いです。

また、イタリアの日本食レストランではお味噌汁を注文するとレンゲが一緒に出てくるレストランが多いです。お椀に直接口をつけてスープを飲むという考えがないイタリア人客への考慮からでしょう。

酔っ払うまで飲む

日本で夜の繁華街を歩いていると、気分良く酔っ払った人に会うのはごく普通の光景ですよね。駅のベンチで寝ているサラリーマンのおじさんだって珍しくはありません。

しかし、日本へ行って、酔っ払った日本人をたくさん見たイタリア人はみんなビックリしています。「どうして日本人は酔っ払うまでお酒を飲むの?」と。

イタリアはいわずと知れたワインの国。お酒を飲む人は多いです。

しかし、お酒を覚えたばかりの若い人を除けば、酔うまで飲むイタリア人というのはあまりいません。ほとんどのイタリア人が自分の限界を知っていて、これ以上飲むと酔っ払うと思ったときはそれ以上飲みませんし、勧められても断る人がほとんどです。

イタリア人には“お酒は酔っ払うためではなく、味わうために飲む物”、“酔っ払うことはかっこ悪いこと”という考えがあるからです。

だから、日本人のお酒の飲み方を見て、「日本人はどうして酔っ払うまで飲むの?」「日本人は酔うためにお酒を飲んでるみたいだ。」と言う人もいます。

まじめで、勤勉な日本人が、お酒を飲んだとたん陽気になるというそのギャップもイタリア人にとっては不思議なようです。



いかがでしたでしょうか?

日本で日本人が当然だと思って取っている行動が、外国人にとっては不思議な行動だということが度々あります。

今回はそんな行動5つを紹介させていただきましたが、他にもまだまだあるので、またいつかご紹介できればと思います。

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2004年よりイタリアはフィレンツェに住んでいます。
イタリア人の夫と黒猫1匹との生活。
日本語講師としてイタリア人に日本語を教えています。
魅力的なイタリア、不思議なイタリア、海外から見た魅力的な日本、不思議な日本を中心にお伝えしていきます。

普段のイタリア生活についてはアメブロに書いています。
http://ameblo.jp/firenzefungo/

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