世界中で愛されているトップブランド

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バーバリーの歴史は古い。1914年(大正3年)、洋書で有名な日本橋丸善の店頭に、イギリスから直輸入のコットン防水生地のコートが並んだ。世界で最も知られるイギリスのトップブランドの一つ、「バーバリー」が日本に初めて登場した瞬間である。

才能あふれる異端児

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産業革命を経て、イギリスが繁栄を極めたビクトリア時代に入る前の1853年8月27日、イギリス南東部にあるサリー州の小さな村に一人の聡明な男の子が生まれた。彼は学校を卒業し、地元の小さな服飾店で服を仕立てる仕事をする見習いとして働いていたが、21歳の若さで独立。

ロンドンの西にあるハンプシャー州のベイジングストークという街に小さな仕立て屋を開く。彼の名こそ、Thomas Burberry(トーマス・バーバリー)であり、この仕立て屋が後のバーバーリー社となる。

ビジネスの成功

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当時の店の名は「T. Burberry Sons」であった。1870年までには既に、バーバリーは民間人やスポーツ選手のための上着専門店として、そのビジネスがイギリスに広く浸透していた。

「ギャバディーン」の発明者、トーマス・バーバリー

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常に「人は何のために衣服を着るのか」ということに興味を抱いていたトーマス・バーバリーは、ヨークシャーの羊飼いたちが防寒のために着ているリネン(麻)のスモックが、気温によって繊維が収縮し、夏は涼しく冬は暖かく、雨の日には防水加工もあることに気付いた。それ以降、リネンより経済的なコットンで研究に没頭した。

そしてついに、湿気の多い時には目がつまり、防水と防寒に適し、乾燥した時には目が開いて涼しくなり、しかも軽さに優れた史上初のゴムを使わないコットン防水生地を完成し、「Gabardine(ギャバディーン)」と名付けて1888年に特許を取得した。

このギャバディーン(日本ではギャバジンとして知られている)は防水に優れているだけでなく、織り目が細かく非常にしっかりした丈夫な生地であった。

このギャバディーンや軽いウール地を使い、当時上流階級層の紳士を対象にして、乗馬や狩猟、釣り、ゴルフなどの野外スポーツウェアのための上着をつくり、これが大成功を得て、次第に他の地域からも注文が入るようになり、ビジネスは急成長していく。

1891年にはロンドンでホールセラーとしての地位を確立し、ヘイマーケットに記念すべきバーバリー1号店を設立した。

この頃から、紳士ファッションを注文服から半既製服、既製服へと広げ、服飾史をリードする存在となる。そしてバーバリーの名前も次第に世に知られるようになる。

エドワード7世もお気に入りだったバーバリー

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20世紀に入り、バーバリーの名前が世間に大きく広まったのは、エドワード7世のバーバリー好きが発端だとも言われている。バーバリーのギャバディーン生地ののコートを愛用するようになり、外出の際にお付きの者に「余のバーバリーを持て」と命じた。

この一言が民衆に広まり、バーバリーはイギリス中が知る有名ブランドとなったのである。

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トレードマークのこのロゴは1901年に正式登録され使用されるようになった。

トレンチコートの開発

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1900年には既にホールセラーとしての位置を確立していたバーバリーは、今度は代理店網のネットワークを世界に広げて行く。そして今のバーバリーの代表作ともいえるトレンチコートがこの数年後に売り出されるのである。

イギリス陸軍の依頼で開発した塹壕(トレンチ)戦用の防水コートがなんと今のトレンチコートの先駆けとなった記念すべき第1号であった。ギャバディーンの発明と共に、バーバリーのトレンチコートはイギリスファッション史の伝説的事件になったのだ。

その頃の日本は…

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バーバリーがイギリスで画期的なデザインと共にそのビジネスの急成長を遂げている頃、日本は明治・大正時代に全てが急速に洋風化されていく中で、レインコートも明治20年代に登場したものの、ゴム素材の外套で通気性が悪く、しかも重いものであった。

日本に新しいファッションの風を送ったバーバリー

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イギリスのファッションの進歩と比べて随分遅れていた当時の日本に、丸善が防水生地の革命と言われるコットン防水生地ギャバディーンを使用したバーバリーコートを直輸入したのである。

丸善は洋書で日本に海外文化を広めたのと同じく、バーバリーを通して誇り高い西洋文化を日本にもたらしたのである。

巨匠トーマス・バーバリー

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1926年、巨匠デザイナーであるバーバリー・トーマスは91歳の生涯を閉じた。しかしビジネスは次男のアーサーに受け継がれ1930年には婦人既製服を発表した。この革命もまたファッション史のレジェンドとして大きく歴史に残る出来事といえよう。

この婦人服の革命は今のバーバリー史を支えるものとなっていて、言うまでもなく日本でも若い人達のファッションブランドとして大人気だ。

時代を超えて愛される「世界のバーバリー」

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レディスファッション史さえも塗り替えたバーバリーは、以降も海を越え、人種も世代も超えて人々に愛され続けている。

洗練された上質のブランドこそが、本物だ。トーマス・バーバリーの服飾にかけた人生は
誇り高き一流ブランドとして、今現在も「世界のバーバリー」の名を世に知らしめている。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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