記事提供:東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

しばらくは会う人会う人にこの話しばかりするかもしれません!それくらい感動的・印象的だったランツゲマインデ(青空議会)

雨天で開催の有無が心配されたものの、かなりの雨量の中でも大勢の参加者が集まり、無事に開催されました。

基本的には写真にある黄色い投票権を掲げ、各議案に対する賛否を住民が表明して議決をしていくものですが、ランツゲマインデは単にYes/Noを決める投票イベントではありません。

まさしく「議会」のように、議案に対する賛成・反対討論を多くの人々が行い、これは事前に希望すれば誰でも行うことができます。

政治家や議員が登壇することもあれば、写真のように非常に若い住民の方がプレゼンをすることもあります。1万人もの聴衆を前に、どの方も立派に自分のスタンス・意見を述べられます。

今日の議会では州の税制や銀行法改正、社会保障制度のあり方から、林道の作り方や鉄道駅の時刻表といった細部まで、多岐にわたる議題が採決されました。

とにかく私が衝撃を受けたのは、これほどの人数で「議会」が完全に成立していたこと、これほどの人数が「政治」に参加している場面を間近で見れたことです。

休憩なしで3時間半以上におよぶ議会にも関わらず(しかも今日は大雨)、文字通り多くの方が固唾を飲んで議論を見守っています。雑談する人はほとんどいません。

ほぼスタンディングなので当然ですが居眠りもなく、途中で中座する人もおりません。

登壇する人はもちろん、投票する人たちも毅然として、どんなに少数意見であろうとも黄色の紙を高々と掲げる。そこにはなにか、気高さすら感じるほどでした。

一方で、議場の外に出れば街はお祭りムード。スイス国内から集まった観光客や家族連れで賑わいます。議会中も、投票権のない観光客の方々はお祭りを楽しんでいるようです。

議会が終わった後、久しぶりに会う仲間と旧交を温め、今日の議題についても熱い議論を交わしているのでしょうか。

ともすれば離れがちな「政治」というものに対して、街全体で取り組んでいく、全住民行事にして巻き込んでいく。こうした行政・街の姿勢にも、多くの学ぶべき点があるように感じました。

文字通りまだ「興奮冷めやらぬ」といった感じで、このイベントをどう総括すればいいのかは考えあぐねているところです。

細かい点を突っ込めば、欠点や課題も色々あります。議題設定の適切さに疑問があったり、若い人の参加者が相対的に少なかったり、そもそも結局はスイス国内ですら2箇所しか残っていないイベントであったり。

それでもなんでしょうか、そんな細かいことをふっ飛ばしてしまうほどの衝撃は。私たち日本人が空気のように当たり前になっている

「みんなで決める、自分たちで決める」

というのは、これほどまでに尊く、気高く、そしてものすごく貴重なのだということが改めて痛感されるんです。

終わった後は、兵どもが夢の跡…。

いち地方のイベントとはいえスイスの国務大臣も必ず参加し、国のデモクラシーを象徴するイベントになっている理由がよくわかります。

民主主義に対するこれほどまでの熱意と可能性に触れられたことに、私は心から感謝をしたいと思います。

「政治なんかに多くの人は興味が無い」「みんなで決めるなんて幻想だ、衆愚政治だ」

そう諦める前に私たちには、まだまだできることがありそうです。これは本当、民主主義で議席を預かる全政治家が見るべき光景であると感じました。

明日はグラールス州の官房長官や州議会議長と会談し、ランツゲマインデの意義や理念、そして直接民主主義について意見を交わす予定です。

これらの事例を日本でどう活かすか、と問われればすぐには難しい問題ですけど、彼らから得たヒントを時間をかけて消化し、提案へとつなげていきたいと考えています。

毎日が充実しすぎていて、あっという間だなあ…。それでは、また明日。

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