江戸・明治時代の写真にはときどき色がついているものがあります。

当時はまだカラー写真なんてなかったはず。画像処理ソフトでも使ってるのかな?と思ってしまいますが、写真の一部だけがカラー、しかもくっきりと鮮やか。不思議ですよね。

手彩色の擬似カラー写真

これらの写真は「手彩色絵葉書」といって、一枚ずつ手作業で色付けしたものなんです。

写真の普及で仕事が激減してしまった浮世絵師や日本画家たちが、写真家に雇われて白黒写真に色を付けていたのです。

世界初のカラーフィルム「コダクローム」が誕生したのは1935年(昭和10年)。それ以前の18世紀から20世紀初頭にかけて海外では手彩色絵葉書が人気でした。

日本でも明治以降、風景や文化、著名な芸者さんを撮影したブロマイド的な絵葉書が多く作られました。

着物などはまったく違う色に彩色されているものがあり、同じ図柄でも印象が変わります。これは創作の色ならではの楽しみです。

地域によって絵葉書に違いが

当時は国内向けの廉価な白黒写真と、外国人向けの手彩色絵葉書が売られていました。外国人の居留地がある長崎や横浜には手彩色絵葉書の数も多いのです。

長崎で手彩色絵葉書展を開催中

ナガサキピースミュージアムで5月10日まで「なつかしい“長崎の手彩色絵葉書”」展を開催しています。

展示されているのは明治時代の中島川や諏訪神社、大浦天主堂など長崎の町並みから、
当時の外国人が土産として持ち帰り、長崎にはほとんど残っていない貴重なものまで。紙ではなく木に転写した珍しい絵葉書も見ることができますよ。

おすすめサイト

「明治大正1868-1926」では明治から大正という時代をピンポイントに知ることができます。美しい手彩色写真の壁紙やアイコン、当時の風俗流行の解説など多彩なコンテンツがあり、ついつい長居してしまいます。

手彩色絵葉書から伝わる当時の人々の活気

フォトショップはおろかカラー写真さえない時代にも、人々は工夫して写真を楽しんでいました。なかにはカラー写真といっても遜色ないものまであります。

便利なものが溢れている現代では忘れがちですが、ないものは作ればいいという逞しい想像力を見習いたいものです。

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華蓮 このユーザーの他の記事を見る

子供の頃から不思議なものを見つけたら調べずにはいられない性格。ちょっと恥ずかしがり屋なのはご愛嬌。一般の人が知らない「面白い」を探すのが私の喜びです。

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