記事提供:カラパイア

男性の美意識は、メディアの煽りもあって高まりを見せている。少なくとも一般的な男性の大半は、自分がどのように見られているのか、そしてその事が人から見た自分の印象にいかに影響を与えているかと言うことについて関心を抱き始めている。

だが、一口に理想の男性像といっても国によって驚くほど違いがあるようだ。海外メディア、BuzzFeedでは、世界12か国の「理想」とされる男性の違いがわかる動画を作成した。

出典 YouTube

ここでは、アメリカ、メキシコ、ブラジル、南アフリカ、ナイジェリア、トルコ、イタリア、イギリス、インド、韓国、フィリピン、オーストラリアの12か国における近年の理想の男性の姿を見ることができる。

1. アメリカ

・最も「アツい」男性有名人:クリス・エヴァンス、チャニング・テイタム、クリス・プラット

・サンフランシスコ州立大学における調査によると、メディアが女性のダイエットを促進するような地域では、男性は筋肉質になるように先導される。

・アメリカで理想的とされているのは、肩・二頭筋・胸筋を含む上半身に幅がある体型の男性である。「V型」がキーワードのようだ。

・近年、あごひげを生やし、チェックのシャツを来るような恰好が白人系アメリカ人の中で流行っており、「ランバーセクシュアル」という呼び名で認識されるようになってきている。

・2015年に発行されたハリウッド多様性報告書によると、2013年に映画界で活躍した有名俳優たちの83.3パーセントが白人であり、ピープル・マガジン誌の「最もセクシーな男性」の称号を獲得した人々のうち、非白人だったのは、1996年のデンゼル・ワシントンだけである。

・ユーロモニター・インターナショナルという市場情報バンクによると、オシャレグッズにお金をかけるアメリカ人は、1997年には24億円だったのが、2009年には48億円まで増加したという。

・ミンテルという市場調査会社によると、2014年、男性専用の美容グッズはアメリカの市場において41億円を売り上げたという。

2. メキシコ

・最も「アツい」男性有名人:デイヴィッド・ゼプダ、エリック・エリアス、ガエル・ガルシア・ベルナル

・「マッチョ」や「タフさ」を見せる事が、メキシコ流の男らしさの大事なポイントである。伝統的なメキシコ文化との結び付きが深い男性は「マッチョ」な振る舞いを重視する、との調査結果もある。

・メキシコ流男らしさには矛盾するような点もあり、それが「カバレリスモ」、つまり紳士的で家庭的な男性像である。

・2000年に集計された世界で最もうぬぼれの強い男性ランキングで、メキシコ人男性は、ベネズエラ人男性に次いで2位だった。

3. ブラジル

・最も「アツい」男性有名人:ロドリゴ・サントロ、ブルーノ・ガグリアッソ、カウア・レイモンド

・ブラジルは、世界の中で最も多様化の進んだ社会の一つとして知られている。2010年のブラジルの国勢調査によると、人口の47.7パーセントは白人、7.6パーセントは黒人、43.1パーセントは混血だと自認している。

・ブラジルでは、裕福層と貧困層の間に大きな差がある。白人は黒人より重要だと考えられており、ストレートな金髪が理想的な美の証だとされている。

・小麦肌の「ドイツ人ぽさ」は、ブラジル人の女性にとっても男性にとっても、美しさの一要素だと考えられている。

・顔よりも肉体美、とくに筋肉が重視される。

4. 南アフリカ

・最も「アツい」男性有名人:ディーン・ゲイヤー、デヴィン・ペイズリー

・全人口の79.6パーセントを占めるのが黒人系アフリカ人で白人は8.9パーセントである。だが、白人家庭の平均年収が36万5千ランドであるのに対し、黒人家庭はたった6万6百ランドである。

・2014年度のメンズ・ヘルス・南アフリカや、ゴー・南アフリカなどの雑誌の表紙は、77パーセント以上が白人モデルで飾られた。

・グーグルで「セクシーな南アフリカ人男性」を検索すると、まず始めに白人系の有名人が並んで出てくる。最も人気な南アフリカ系芸能人の上位14位がすべて白人になっている。

・2011年にセント・アンドルーズ大学は、メディアで理想とされているアフリカ人の体型について調査を行い、黒人系と白人系それぞれに属するモデルを見比べていたところ、黒人系モデルの方が白人系より際立って細身の人々が多いという事を発見した。

・2014年にプロス・ワン誌が行った調査で、痩せ形・男らしい体型と言ったヨーロッパ的な理想の男性像は、南アフリカの黒人系・混血系の成人男性から、どんどん支持されるようになってきているという。

5. ナイジェリア

・最も「アツい」男性有名人:デバンジ、デイヴィッド・アグボディジ、イヤニャ

・ナイジェリアのエンタメ業界、通称ノリウッドは、西アフリカにおいて広く影響力を持っており、インドのボリウッドに続き、年間世界で2番目に多い映画を作成している。

・伝統的なナイジェリアの価値観からすると、頑丈さや力強さが男性の身体的な理想である。

・ナイジェリア大学が2007年に発表した小規模な研究では、1920年代前半のナイジェリア人は、「男性らしいこと」は「女性らしいこと」より文化的に地位が高いと見なしていたという。

・このような研究の中で、ナイジェリア文化における男性らしさの大事な要素として、身体的な強さ・勇敢さ・包容感・我の強さ・精力の強さ・感情的ではない事、などが挙げられる事がわかった。

6. トルコ

・最も「アツい」男性有名人:トルガハン・サイェスマン、キヴァンシュ・タトリチュー、ブラック・アズチヴィット

・トルコの連続ドラマは、最近どんどんその人気を伸ばしており、アラブ世界を通じて100万人ほどの視聴者が居るという。その連続ドラマで初めて、煌びやかな西洋の影響と、伝統的なイスラム的設定が結び付けられた。

・伝統的な男性らしさを描写するため、よりロマンティックで、繊細な主演男性が選ばれる傾向にある。

・トルコ人男性向けの美容サービスの中で、もっとも流行っているものは、体毛の脱毛である。「アーカイブ・オブ・セクシュアル・ビヘイビアー」という科学雑誌に載っている調査によると、トルコ人女性は、胸毛の少ない男性を好むという。

7. イタリア

・最も「アツい」男性有名人:ラオウル・ボヴァ、クラウディオ・マルチシオ、ジュリオ・ベルッチ

・イタリアは、世界的に男性ファッションのメッカとして知られており、イタリア人男性は、綺麗に仕立てられたスーツや洋服を着慣れている。

また、靴下無しでローファーを履いたりするスタイルや、胸ポケットにハンカチを忍ばせるのは常識である。グラフィックアートのTシャツなどはもってのほかである。

・「スプレッツァトゥーラ」とは、わざと無頓着な雰囲気を醸し出すという意味の言葉で、理想的な男性の魅力と結び付けられる事の多い特性である。

・イタリア人男性は、眉毛を整えるなど、美意識が高く、女性同様美容に気を使っている。

8. イギリス

・最も「アツい」男性有名人:デヴィッド・ベッカム、ジェイミー・ドーナン、ロバート・パティンソン

・イギリスでは、モデルやプロサッカー選手達が理想の男性像として取り上げられることが多い。

・近年イギリスや西ヨーロッパの各国では、ヒゲのお手入れやヘアスタイルなどに関心を持つ男性が多く、脱毛を含む美容的なお手入れも、イギリス人男性の中で非常に人気になっている。

・イギリス人男性の考えるの男性らしさは、「メトロセクシュアル」と「若者スタイル」という、二つのタイプに分かれて発展している。

メトロセクシャルは美容や容姿に細心の注意を払う人々のスタイルで、若者ファッションはガサツな少年のようなスタイルである。

・イギリス人男性の5人に一人はタトゥーをしており、世界で最もタトゥー人口の多い国となっている。

9. インド

・最も「アツい」男性有名人:シッダールト・マルホトラ、ランビル・カプール、ヴァルン・ダワン

・現代のヒンドゥー的な男性らしさは、ボリウッド映画でもよく描写されているように、インド人男性の自信を高めたり、女性や他の人々に対しての優越感を助長しているようなところがある。

・美白クリームは、男性の美容市場でその人気を伸ばしており、ボリウッドスターやクリケットの選手たちからも支持されている。2011年にインドで売り上げたスキンケア製品の61パーセントは美白クリームであったという。

10. 韓国

・最も「アツい」男性有名人:ウォン・ビン、ジー・ドラゴン、エクソのメンバー

・韓国の音楽・映画・テレビ業界におけるポップカルチャーは、韓流(韓国の波)と呼ばれ世界各地に広まった。韓国のスターたちは、厳つく筋肉質な体型と優しい顔立ちを合わせ持つなど、スタイルがしっかりと統一されている。

・2013年に、韓国では、6億3500万ドル相当の男性用スキンケア商品を売りあげた。中でも、美白クリームは人気商品である。

・長年に渡って人々を虜にしてきた美容整形外科手術は、ますます韓国人男性の間で人気になっており、大きな目・二重瞼・アクセントのある高い鼻などの施術が多い。

11. フィリピン

・最も「アツい」男性有名人:ジェイムス・レイド、ダニエル・パディラ、ピオロ・パスカル

・現代におけるフィリピン的男性らしさは、スペインやアメリカからの植民地時代の影響と、もともとあったローカルな価値観が混ざり合った結果である。

・伝統的なフィリピンの男らしさを決める重要な要因は、家族を支える能力、溢れる精力、そして自分管理能力である。近年、男性達がメトロセクシュアルな考え方を取り入れ始めたのと同時に、「マッチョ体型」と言うものも男性の美容市場で話題になり始めている。

・2004年の市場調査では、マニラに住む男性の84パーセントが「容姿が全てだ」という考え方を支持しているという。

・今まではこの国と関わりの深かったアメリカ・スペインから理想の容姿・スタイルについて影響を受ける事が多かったが、最近では韓国文化からの影響が非常に大きいという。

12. オーストラリア

・最も「アツい」男性有名人:ヒュー・ジャックマン、ライアン・クワンテン、ヘムズワーズ兄弟

・様々な調査によると、オーストラリア人男性は、イメチェンするなら、より大きく、より筋肉質に、より引き締まった体になりたいと望む傾向にある。

・現代のオーストラリアの成人男性の平均身長は5フィート9インチ(180㎝)くらいで、平均体重は189パウンド(85キロ)であった。

・オーストラリア人男性の形成外科手術のトップ6は、鼻を高くする事、瞼を持ち上げる事、男性器を大きくすること、耳を直す事、フェイスリフト、そして脂肪吸引である。

・ミス・トラベルという国際的なマッチングサービスのウェブサイトが2013年に行った調査で、世界で最もセクシーと投票されたのは、オーストラリア人男性であった。

近い将来には…

美に関する理想は、男性についてでさえ、日に日に進化を遂げている。

・アメリカのミレニアム世代は、40パーセント以上が非白人である。

・2010年に行われた研究では、白人系・黒人系・混血人系の人々の顔立ちを比べると、ミレニアム世代の人々は混血人が一番魅力的だと感じている事が明らかになった。

・2014年に行われた研究では、女性から見て、女性的な顔立ちをした男性の方が、伝統的な男らしい顔立ちをした男性よりも魅力的に映るという結果が出た。

都市部の女性は男性的な特徴を好む傾向にあるが、田舎の女性はそうではないと言う事もわかり、男性の容姿に関する魅力は進化的であるという文化人類学的な共通理論に反論する結果となった。

・これから、男性の美的基準について、またそれが個人にもたらす消極的な効果についての話題は避けられなくなっていくだろう。

しかし、このビデオで論じたような、近年のメディア上での男性の対象化の流れは、今まで行われて来た女性の対象化が今後も続いて行くという事を直接示唆するものではない。

出典:BuzzFeed

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