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“養子”にどのようなイメージを持っていますか?養子縁組の制度がどんなものかを知らない人も多いのではないでしょうか。

そこで、あまり知られていない養子縁組制度の仕組みと、その実態について紹介したいと思います。

養子縁組制度とは?

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養子縁組(ようしえんぐみ)は、具体的な血縁関係とは無関係に人為的に親子関係を発生させることをいう。

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本来親子関係ではない間柄を、法的手続きを取ることによって親子関係にすることを養子縁組と言います。

日本では、普通養子縁組と特別養子縁組の2つの種類があります。どのような違いがあるかというと…

普通養子縁組とは、養子が実親との親子関係を存続したまま、養親との親子関係をつくるという二重の親子関係となる縁組のことをいいます。この場合における養子を普通養子といいます。

特別養子縁組とは、養子が戸籍上も実親との親子関係を断ち切り、養親が養子を実子と同じ扱いにする縁組のことをいいます。この場合における養子を特別養子といいます。

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普通養子縁組であれば、実の両親との親子関係を継続したままなのですが、特別養子縁組は実の両親との親子関係が抹消されます。

家業を継ぐなどの理由で養子になる場合は普通養子縁組を結ぶのですが、今回紹介するのは後者の特別養子縁組の制度についてです。

特別養子縁組とは?

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適切な環境に置かれない乳幼児が、別の家庭で養育を受けることを目的に設けられた。

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表現がきつくなってしまいますが、何らかの事情で養育できなくなった家庭の子どもを、違う家庭で家族として迎えるための養子制度なのです。新しい家庭の家族になるのですから、実親との関係を法的に断ち切ることになり、実親からの相続権もなくなり、名実ともに他人となります。

また、この特別養子制度で養子になれるのは、原則6歳未満の子どもに限られています。養親と実の親子のような関係を築くには、早い方がよいとされているからです。

物心ついた12歳に「今日から君の両親です」と言っても、すんなり受け入れてもらうのは難しいですよね。

この特別養子縁組制度は、海外ではポピュラーな制度として認知されていますが、日本ではあまり浸透していません。その理由についても調べてみました。

ほとんどの親が乳児院や施設に子どもを預ける

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親が育てられない子ども(要養護児童)を養育する社会的養護には、里親などの家庭的養護と、乳児院・児童養護施設などの施設養護があります。

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子どもを育てられない、と判断した親の多くは乳児院や児童養護施設に子どもを入所させています。その割合は…

里親委託7.4%、乳児院入所7.9%、児童養護施設入所84.8%となっていて、実に92.6%の子どもが、施設で育つことを余儀なくされています。

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ほとんどの子ども達が施設で生活をしています。里親委託は、特別養子縁組を前提とした場合を除き、あくまでも一時的な預かりであって、里親との法的な親子関係は発生しません。

つまり、里親に預けられても施設で暮らすことと実態は変わらず、子どもにとっては恒久的な居場所ではありません。そのまま養子に迎えられることもなく、18歳までずっと施設で生活する子どもも多いのです。

なぜ、ずっと施設で生活することになるのでしょうか。子どもたちが養子縁組をできない理由は、あまりにも理不尽なものでした…。

実親と連絡が取れない…

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特別養子縁組を行うためには、実親の同意が必ず必要になります。親子関係の解消が伴うので、当然と言えば当然なのですが、実親と連絡が取れないケースがあるのです。

法律上は、実の親が行方不明の場合、同意がなくても許容されうることになっています。

しかし、養子の斡旋(あっせん)機関である児童相談所は、後になって実の親が現れてトラブルになるのではという懸念から、一般に特別養子縁組の申立てを控える傾向があるようです。

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前述の通り、特別養子縁組が出来るのは原則5歳までです。つまり、実親が行方不明のまま6歳の誕生日を迎えてしまったら、その子どもは特別養子縁組のチャンスを失ってしまいます。

施設に預けっぱなしで面会に来ない親であっても、日本では親権を認めてしまっているのです…。つまり一切養育してもらえなかったのに、親に対する扶養義務は背負わされる子どもが出てくるという、理不尽極まりない状況もあり得ます。

海外では、一定期間面接に来ない場合は親権はく奪などの強い処分がくだされるのですけどね…。

では、特別養子縁組で子どもを迎えるには、どのような条件があるのでしょうか。

児童相談所を介して迎える場合と、民間のあっせん団体を介して迎える場合で条件が違ってきますが、今回は東京都が提示している条件を紹介したいと思います。

東京都の里親認定基準

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東京都の児童相談所を介して子どもを迎える場合には、特別養子縁組を前提とした里親として認めてもらう必要があります。その条件は、多岐に渡るものでした。

特に注目したい箇所は、年齢制限の部分です。

家庭及び構成員の状況

(1) 家庭生活が円満に営まれていること。

(2) 里親申込者と起居を共にする者は、児童の受託について十分な理解を有するものであること。

(3) 里親申込者と起居を共にする者のうち、日常生活をする上で主たる養育者となる者が特別に対応しなければならない者がいないこと。

(4)里親申込者は、原則として25歳以上50歳未満であり、婚姻していること。

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家庭円満で、子どもを迎えることに対しての理解が得られていることが大前提です。また、介護が必要など特別の対応を要する人が家族にいないことも条件になっています。

養親の年齢制限が定められていることと、結婚していることも条件とされていますが、この年齢制限は自治体やあっせん団体によっても変わるので注意しましょう。

おわりに

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ずっと施設で育ち、家族や家庭を知らずに成長している子どもがいることに、とてもショックを受けました。子どもと会わない、会おうとしない親に親権が与えられていることで、新しい家庭を得る機会を失っていることも事実です。

こうした子どもたちのために何が出来るのかを考えると同時に、養子を迎えるという選択肢に対しての理解も求められているのではないでしょうか。

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