父であり、祖父である末期癌患者の決断

アメリカ・ミシガンに住む69歳のケネス・ブロスキーさんは二年前に癌と診断され、数週間前には医師から余命二週間から十週間の宣告を受けました。残りの時間をホスピスで過ごすことを担当医からすすめられたケネスさんですが、彼には自身の身体よりももっと気がかりなことがありました。

それは、ケネスさんの娘と孫達のこと。パートタイムでウエイトレスをしている娘の給料だけでは現在住んでいる家のローンが支払えなくなってしまうだろうと心配したケネスさんは、残された時間をベッドの上でなくUberのタクシードライバーと不動産業者として働き続けることを決心しました。

何とか生きている間に家のローンを払い終えたい。そんな切実な思いから必死に働いていたケネスさんは、ある男性からタクシーの予約を受けます。

出典 http://wric.com

*ケネス・ブロスキーさんと乗客ロナルド・ゲイナーさん

タクシー運転手と乗客の世間話から生まれた友情

ケネスさんのタクシーを利用したのは22歳のロナルド・ゲイナーさん。友達に会う為に街の中心部へ移動していたロナルドさんは、道中ケネスさんと世間話を交わしていました。いつしか話題はケネスさんの身の上話に移り、ロナルドさんは余命いくばくも無いケネスさんの家族への思いに強く心を打たれます。

二人は電話番号を交換し、ロナルドさんはケネスさんを助けたい一心で行動を開始します。

若い乗客のソーシャルメディアを駆使した募金の呼びかけ

ロナルドさんは友人の助けを借りて、GoFundMeというサイトでケネスさんの為に募金を募るページを設立。わずか三日間の間に22,000ドル(約200万円)が集まりました。

そのうち5,000ドル(約47万円)はケネスさんが働くタクシー会社Uberからのものでした。Uberは更にケネスさんの為に特別キャンペーンを実施し、一度の乗車につき1ドルの寄付を続けています。

一週間経過した現時点で目標の95,000ドル(約900万円)を超える102,338ドル(約974万円)が集まり、ケネスさんの娘の家のローンはこれで完済可能となったのです。

人種と年代を超えた友情に希望をもらった人々

アメリカでは最近白人警察官に黒人男性が射殺される事件が発生し、根強い人種問題が日々議論されています。しかしケネスさんとロナルドさんの人種と年代を超えた友情は多くの人々の心を動かしました。

ケネスさんは募金活動が続く中引き続きモルヒネを投与しながらタクシー運転手として働いていましたが、ロナルドさんのお陰で残りの時間を家族とゆっくり過ごせることでしょう。

殺伐としたニュースが多い世の中ですが、人と人との繋がりの大切さを思い出させてくれる、そんな温かい働き者の老人と心優しい若者の友情のお話でした。

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