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近年、離婚をはじめとする様々な理由で子どもを一人で育てる女性が増えています。共働きであっても育児と仕事の両立は過酷ですが、母子家庭の場合は経済的にも厳しい生活を強いられます。

今回は、そんなシングルマザーの生活の実態に迫りたいと思います。

離婚率の増加

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シングルマザーになる原因として、最も多いのはやはり離婚です。

厚生労働省が平成27年1月1日に発表した資料によると、平成25年から平成26年の離婚件数自体は横ばいですが、婚姻件数が減少していました。このことから、離婚は相対的に見ると増えていると言えます。

ところで、離婚の際に子どもを引き取る場合は養育費を請求することが出来るわけですが、実際に養育費が支払われているのは全体の何パーセントかご存知ですか?

養育費不払いの実態

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実際にそれを受け取っている母子家庭は全体の19.7%と、実は2割にも満たないのです。父子家庭に至っては4.1%に過ぎません。

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子どもを育てる上で、お金はどうしても必要になります。しかし、実際に受け取っているのは全体のわずか2割。離婚事由が家庭内暴力などであると、相手との接点を持ちたくないという理由から養育費を受け取らないケースもあります。

また、離婚時に取り決めをしていても不払いになるケース、相手の経済状況の変化から減額を申立てされるケースもあるそうです。こうした養育費の不払いが母子家庭の生活を苦しめている一因となっていることは否めません。

では、シングルマザーたちの年収はどのくらいなのでしょうか。雇用形態と共に紹介します。

半数近くが非正規雇用、年収は…

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母子家庭の半数近くである47.4%が、パート・アルバイト等の非正規雇用の仕事をしています。

子どもを預ける施設が見つからない、家族のサポートが受けられない環境の場合はフルタイムで働くことが難しく、非正規雇用での就労を選択する人が多いからです。

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また、就労収入のみを見ると父子家庭の平均360万円に対し、母子家庭の平均は約半分の181万円という数字になっています。

就労収入の他に、母子家庭・父子家庭のどちらの場合も受けることが出来る公的な給付金として児童扶養手当というものがあります。一般的には、母子手当と呼ばれていたものですが、2010年からは父子家庭にも給付されることになりました。

就労収入と、この児童扶養手当や養育費を合わせると、母子家庭の平均年収は223万円となります。

さらに避けて通れない問題として、ワークライフバランスがあります。シングルマザーの中にはダブルワークで生計を立てていたり、給与面の都合で夜勤をしている人もいます。そうなると気になるのは、子どもと接する時間です。

先日起きた川崎中学生リンチ殺人事件でもこの問題は報道されていました。

子どもとすれ違いの生活

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「遼太が学校に行くよりも前に私が出勤しなければならず、また、遅い時間に帰宅するので、遼太が日中、何をしているのか十分に把握することができていませんでした」

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被害者のお母さんは、1人で5人のお子さんを育てながら働いていました。このお母さんのように、子どもと接する時間が十分に確保できていないシングルマザーは少なくありません。

他にも、新たに就職するシングルマザーにとって足かせになっている仕組みもありました。

育児介護休業法には、育児休業だけでなく、「短時間勤務」や「時間外労働の免除」といった働く女性に優しい諸制度が定められており、これ自体は大変素晴らしいことである。

ところが、労使協定を結ぶことにより、「入社1年未満の労働者を適用除外とすることができる」という例外規定が存在することが、新たに雇用されるシングルマザーにとっては足かせとなっている。

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元々働いていて、育児休暇から職場に復帰するシングルマザーなら良いのですが、そうではない場合は勤務年数の壁でフルタイム勤務と、非正規での短時間勤務、どちらかの選択を迫られてしまうこともあるのです。

このように様々な事情で就職できない、親族の援助も期待できないなど、経済的に困窮した場合に最後の砦として生活保護を受給する選択肢もあります。

実際にどのくらいのシングルマザーが受給しているのでしょうか。

母子家庭の受給は微減している

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厚生労働省によるデータを見ると、生活保護を受給している母子家庭の数は、平成25年から平成26年にかけて微減しています。

微減しているなら、困窮している世帯が減っているのでは?と思いがちですが、実態はそうではないようなのです。

生活保護の申請すら断られる

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生活保護を受給するには、申請→審査の手順を踏まなければなりません。しかし、実際は第一段階である申請そのものをさせないケースがあるというのです。

なぜ生活保護受給世帯が増えないかといえば、生活保護にはマイナスイメージが強く生活が苦しくても抵抗感があるために利用しなかったり、窓口で申請をさせてもらえない水際作戦にあっている等が考えられます。

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「離婚して1年、いよいよ貯金が尽きたころに、生活保護申請に何度も福祉事務所に行ったんですけど、そのつど『なぜ働けないのか?』『元夫との養育費の話をやり直せないんですか』って言われて、あれはほとんどイジメです」

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とくに若い母親の場合は、「働けるでしょ?」「仕事をまず探して」などと言われ、追い返されることもあるようです。実際には、申請を断る行為は違法行為なのですが…。

また、生活が破たん寸前であるにも関わらず、あえて受給をしない選択をしている人もいました。

あえて受給しない理由とは?

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「生活保護を受けたら、子どもがスポーツを続けられなくなるでしょ。合宿も遠征も『贅沢』扱いでしょ? 毎日毎日何年も休まずに練習してきた子どもの努力も、サポートしてきた私自身の努力も、全部無駄になる」

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お子さんがスポーツで優秀な成績を収めているお母さんの話です。生活保護を受けたら、お子さんのスポーツを辞めさせなければいけなくなると思い、受給をしていません。

一度は決まった受給を自ら辞退した女性も。その理由は10歳の子どもが受けたクラスメートの親からの差別だった。彼女によれば田舎で生活保護を受けるというのは「泥棒扱い」だという。

「『生活保護を受けている家庭の子が万引きをする』という根も葉もない噂をするお母さんがいた。その後、うちの子が不登校になりかけ、理由を聞いたらイジメ」

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生活保護受給者=悪と見られ、子どもがいじめられるケースも…。

子どもがいじめられるなど、生活保護を受給することで弊害が起きることも少なくありません。かといって、お金がなければ生活はできない…。

そんなジレンマに悩んだ末、母親が売春をして生計を立てている最悪のケースもあるのです。

こうしたシングルマザーの貧困に対して、Twitterでも様々な意見が上がっていました。

おわりに

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シングルマザーだけではなく、女性の貧困が徐々に問題として取り上げられつつあります。不正受給の問題もありますが、今回紹介したような実態を知れば安易に批難はできません。そして、このように過酷な状況を改善できるような環境作りが今、強く求められています。

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