荒野に放置されたキャリー・コンテナ

アメリカ・アーカンソー州リトルロックに住むブレット・ウィニンガーさんと息子のザックさんは共通の趣味であるバイクでツーリングを楽しんでいました。とある荒野を通りかかった時、ペットキャリーが放置されているのを発見。

二人はまさかという思いを抱きつつも、念の為に中身を確認しようとバイクを降りました。周りには住宅はおろか人影すら無いこの土地にぽつんと置かれたペットキャリー。

見る人が見たらただのゴミだと思ったかも知れませんが、保健所から保護した犬を四匹も飼っているブレットさん親子は見て見ぬ振りはできなかったのでしょう。道路側からは見えなかったペットキャリーの裏側を見て、二人は大きくショックを受けます。中には、痩せ衰えた犬が閉じ込められていたのです。

劣悪な環境で生き延びた犬

閉じ込められていた犬の爪は伸び切って丸まり肉球に達し、身体はガリガリに痩せ、ペットキャリーの内部は糞尿にまみれていました。

直ちにドッグフードを買いに走り、戻ってからペットキャリーをよく見ると天井の一部が噛み千切られ小さな穴が開いているのに気づきました。気の毒な犬による必死の脱出の試みだったのでしょう。

ペットキャリーから出た犬は長い間狭い所に閉じ込められていたせいか歩くこともままならない状態でした。それでも食欲はあった為その場でペットフードを与え、一旦バイクを置きに家に戻った後犬を連れ帰る為に車で戻りました。

勇敢な犬チャーリー・ブラボー (CB)

ブレットさん親子はこの犬をチャーリー・ブラボー(Charlie Bravo)略してCBと名づけました。CBは車に乗せられるとすぐにこの親子に懐いた様子を見せ、こんなにも酷い目に合わされたにも関わらず、まだ人間への信頼感は失っていないのでした。

家に着くとすぐにCBの爪切りとシャンプーを済ませ、動物病院へ。獣医師の話ではCBはおおよそ生後8ヶ月ほどとのこと。余りにも長い期間閉じ込められていた為にうまく動かない身体の治療とリハビリを開始しました。

CBと全ての捨て犬の為に!愛犬家たちが結集

ブレットさん家族はCBの話をFacebookに投稿し、この哀れな捨て犬の治療費にと多くの人々が寄付を申し出ました。ブレットさんは必要以上に集まった人々の善意を無駄にしないよう、残りは地域の動物の保護施設に寄付する予定だそうです。

既に四匹の犬を飼っていたブレットさんはいずれはCBを里親の元へ預けるつもりでしたが、一緒に過ごす間に愛着と情が湧いてしまい、すっかりブレットさんにも懐いたCBを手放すことができずにそのまま家族の一員として迎え入れることを決めました。

人々の心を繋げる犬達

現在ブレットさんは腰の手術の為に入院していますが、もうすぐ退院できるそうです。CBの治療費を募る為に開設されたFacebookページはいまやブレットさん家族と犬達、そしてその他の捨て犬や愛犬家達の交流の場となっており、ブレットさんの容態を案ずる声とそれに応える投稿が後を絶ちません。

ブレットさんはCBの救出後、もしかしたらCBはわざとあの場に捨てられたのではなく、トラックの荷台から落ちてしまったのではないかとも考えたそうです。動物を愛する人々からしてみたら、あんなにも残酷な方法で生き物を捨てるという行為が信じがたいのは確かです。

けれど捨て犬、捨て猫が後を絶たないのは事実。同時にそんな小さな命の為に手を差し伸べようとする人々もたくさんいます。そして引き換えに、私達はこの純真無垢な動物達に何かとても大切なものをもらっているのかも知れません。

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