息をしない双子の片割れ

オーストラリア・クイーンズランドに住むケイトさんとデーヴィッドさん夫妻は長年切望していた子供を授かり、しかもそれが双子だと知り喜びの絶頂でした。しかし順調に始まった妊娠ですが、六ヶ月の時に赤ちゃん達の容態が急変。ケイトさんは分娩室へと運び込まれ男の子と女の子の双子を出産しました。

羊膜に包まれたまま生まれた二人のうち、娘はすぐに産声を上げましたが、息子は静かなまま。呼吸も止まってしまい、医師や助産婦達の努力も空しくその場で死亡が確認されました。

最初で最後の抱擁

ケイトさんは息子がまだ息をしようとしているのを見た気がして医師にそう告げましたが、我が子を亡くしたばかりの母親の言葉に同情の表情を浮かべた医師は家族水入らずで過ごせるようにと亡くなった赤ちゃんをケイトさんに渡しました。

冷たい息子の身体を温めようと、ケイトさんはデーヴィッドさんにシャツを脱いで一緒に息子を抱きしめるよう呼びかけ、夫婦は最初で最後の息子との抱擁の時間を過ごすことにしたのです。

無理だとは分かっていても、息子が息を吹き返してくれることを期待して夫婦はわが子に色々なことを語り掛けました。彼の名前、一緒に生まれた双子の妹のこと、ママとパパが彼らを授かるために乗り越えた数々の苦難...。そして、奇跡が起きました。

目を開いた息子

夫と二人、涙を流しながら息子との最後の時間を過ごしていたケイトさんは突然呼吸を始め、目を開いた息子に気づきます。さらに彼は父親デーヴィッドさんの指を小さな手のひらで握っていたのです。

成長した子供達

奇跡の日から五年の月日が経った現在、双子のジェイミーとエミリーは力強く成長し、その後に生まれた次男のチャーリーと三人毎日元気に仲良く暮らしています。

難しい出産だった双子ですが、二人とも今日のこの日まで大きな病気を患うことなく過ごしてきました。ケイトさんは最近初めて出産時のことを子供達に話し、あの時ジェイミーは天国に旅立っていたかも知れないことを知ると双子のエミリーは泣き出し、ジェイミーをきつく抱きしめたそうです。

出典 http://www.dailymail.co.uk

*左から次男チャーリー、エミリー、ジェイミー

他の未熟児や病気に苦しむ新生児の為に

ケイトさんとデーヴィッドさんはこの経験を活かし、未熟児や病気に苦しむ新生児を持つ家族の為にチャリティー活動を通して基金を募るJamie's Gift(ジェイミーの贈り物)という名のコミュニティーサイトを開きました。

デーヴィッドさんは現在、五月に開催されるチャリティー・トライアスロンに向けて猛特訓中です。愛する我が子を失う悲しみを味わった二人だからこそ、同じ状況で苦しむ家族の為にできる限りのことをしたいと考えた末の決断でした。

今、ケイトさん夫婦は子供達との一日一日を噛み締め、ただ元気に成長してくれているという事実がどんなに素晴らしいことかを忘れずに過ごしているそうです。悲しいことに助からない命も存在するのは事実です。それでも希望を忘れず、温かい家族の絆を思い出させてくれるお話ですね。

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