珈琲豆と言えば、ブラジルなど南米の産地が一般的に有名だが、僕がいつも飲んでいるのはアフリカのエチオピア産とかケニア産が多い。

他にはインドネシア産などの東南アジアや、最近では福岡市内でもインド産の珈琲豆が入って来るようになっている。

そんな中、今回、福岡市博多区にある自家焙煎カフェである「マスカル珈琲」が定期的に開催している“エチオピア式コーヒーセレモニー”というものに参加してきた。

アフリカのエチオピアで古くから一般的に伝わる家庭での珈琲の淹れ方(儀式)をカフェ店内で再現するというものだ。

■そもそもコーヒー・セレモニーとは??

コーヒー・セレモニー(英語:coffee ceremony)とは、エチオピアとエリトリアの伝統的な習慣であり、コーヒーを飲むことを儀式化した作法の一つである。エチオピアではカリオモン(Kariomon)と言い、「カリ」とはコーヒーノキの葉、「オモン」は「一緒に」という意味である。

日本の茶道と同様、コーヒーを飲むという行為に精神的な要素や教養などが含まれる文化的な習慣であり、他者に対する感謝ともてなしの精神を表すものである。

女性が執り行うものであり、エチオピアでは結婚前の女性が身につけるべき作法の一つとされている。冠婚葬祭の際や、大切な客を迎える際などに行われる。使われるポットやカップなどの茶器は女性が実母からや嫁ぎ先で代々受け継がれてきたものであることもある。

客の前でコーヒーの生豆を煎るところから始め、3杯飲むことが正式であることから、1時間半から2時間以上かかる場合もある。その間は香を焚き、客はパンやポップコーン(ファンディシャ)などを食べながら待つ。

出典 http://ja.wikipedia.org

Wikipediaによると、そういうことだ。

ここ「マスカル珈琲」のオーナーは、過去に2年間エチオピアに住んでいたことがあり、エチオピアや珈琲文化の魅力に取り憑かれた女性である。

帰国して福岡市内の有名な自家焙煎カフェで修行を積み、2014年12月に「マスカル珈琲」を開業。

それ以来、毎月11日に店内で“エチオピア式コーヒーセレモニー”をお客さんを呼んで開催しているのだ。


それでは、さっそくコーヒー・セレモニーに入っていこう。

■使用する器具

豆を焙煎して、焼きあがった豆を挽いて、お湯で抽出して、出来上がったコーヒーをカップで飲む。その一連の作業はこれだけあれば出来るということ。

これらの器具は、オーナー自身がエチオピアから持ち帰ったもの。つまり全部現地で使ってる本物だ。

■生の珈琲豆を焙煎する

まずは洗って表面が濡れたままの生豆を七輪の上で焼かれた鉄製フライパンのようなものに載せる。

専用の扇子で火加減を調整しながら…

熊手のような専用器具でなるべく均一に焼けるように豆を混ぜる。

十分に焼けたところで豆を火から下ろす。

■力を込めて、豆を挽(ひ)く

豆が焼きあがったら、すぐさま挽く作業に入る。もちろん電動ミルなどは使わないどころか、手動ミルも使わない。

木臼に豆を投入し、木の臼と木の棒を使って突いたりコネたりしていく。突く!!突く!!

さらに突く突く、コネる、コネる!!

セレモニーへの参加者も体験してみるが、これが思ったより重労働なのだ。

さらに突く!!突く!!こねる、こねる!!

これが、一番時間かかる作業のようだ。そして、いい感じで粉になったら次は抽出作業。

■いよいよ抽出作業へ

挽いた豆(粉)をお湯を入れたポットに投入。そして、ポットを七輪の上に置いて煮出すのだ。

ポットが斜めになっているのは豆(粉)がポット底の一箇所にまとまって沈殿するようにするため。なるほど。

お湯が沸騰してきて少し蒸らしたら出来上がりだ。

■コーヒーを飲む

「はい、出来ました~」

ポットの底に沈殿した珈琲豆(粉)が撹拌されないように、ポットの傾きを維持したままそれぞれのカップへ注ぎ分け。

このポット一回分で参加人数5~6人の3杯分のコーヒーができる。

エチオピアでは砂糖を入れて飲むのが一般的。この小さなカップに小さじ3杯分の白砂糖を投入。

砂糖がない時は、塩やバターを入れて飲む地域もあるらしい。

1杯目は砂糖3杯投入。2杯目は砂糖1杯。そして3杯目は無糖でいただいた。

これが意外にも全部が美味しくてびっくり!!砂糖ありも無糖も全部美味しかった。

ここまでの作業が現代の珈琲焙煎、抽出作業と比べたら、精度が相当低いものになってるはずなのに、これが美味いのだ。

そういう意味で『意外にも』ということ。

コーヒーが出来るまでポップコーンなどを食べながら談笑するのが本場流ということで、ポップコーンのサービスもあり。

■まとめ

今回参加した5人は、福岡市内のカフェ店主が2名、グルメ雑誌のライターが1名、一般のカフェマニアが1名、それと僕だったが、みんな大変満足したようだった。

エチオピアの文化についてもいろいろ話を聞きながら、まさに異文化に触れられた貴重な時間だった。こんなコトを定期的にやってる店って日本に他にあるのだろうか。

毎月11日に行われるので、エチオピアや珈琲に興味ある方は一度参加されたら面白いと思う。

■補足説明

【なんで11日に?】

エチオピアの正月は9月11日だそうだ。それにちなんで毎月11日に自分の店で“エチオピア式コーヒーセレモニー”を開催しているのである。


【参加費はおいくら?】

この企画に参加するには予約が必要だが、その参加料ががなんと400円!!!(H27年3月11日現在)

コーヒーだけでなく、自家製のケーキと、ポップコーンもついてくる。

「安すぎでしょ!!(笑)」と言っても、「これはお金儲けでは考えてないんですよね~~」とあくまでもエチオピアの珈琲文化にすこしでも触れてもらいたいという気持ちらしい。

あっぱれ!!

エチオピアに惚れ、珈琲に惚れたオーナーのアフリカの大地のように優しく深い想いをこのセレモニーで感じてみませんか?

■お店情報

店名: マスカル珈琲
住所: 福岡市博多区博多駅南4丁目16-14BE-IN 101
店休: 日曜日と月曜日
時間:8時~18時

All Photos by Mantaro, LEICA M-P + LEICA SUMMICRON-M f2/35mm ASPH

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万太郎 このユーザーの他の記事を見る

福岡市在住。年間飲食店訪問は1,000回以上。著書「福岡カフェ散歩」「福岡のまいにちカレー」。twitter:
@mantaro_club

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