前編では、観光客が減り始める夜の浅草の内でライトアップされた浅草メインストリートを紹介しました。

後半では浅草寺西側に妖しく広がるエリアに舞台を移し、ディープな世界へと足を踏み入れましょう。

すでに前編で昼間から飲んでいるにも関わらず、後半でもかなりお酒が登場します。

ディープな世界、まずはホッピー通りへ

浅草名物の雷門、仲見世通り、宝蔵門、浅草寺本堂と歩き進めて、浅草寺の敷地を西側に抜けると、飲み屋街に出くわします。この一帯は、ホッピー通りと呼ばれるエリアです。

出典写真:けいたろう

通りの名前になっている、ホッピーというのは、関東圏外の人には馴染み薄いかも知れないので、説明しておくと、いわゆるビールテイスト飲料の一種で、単体でのアルコール度数は、0.8%しかありません。

一般的な飲み方は、アルコール度数が25度の焼酎を1に対しホッピーを5で割って、アルコール度数5%のビールテイスト飲料として飲みます。

1948年に販売を開始し、一時は低迷していましたが、ホッピーにはプリン体が含まれていないので、低プリン体ブームなどで人気が再燃しています。

出典写真:けいたろう

ホッピーの隣には、やきとんが似合います。こちらのやきとんは、焼き鳥と同様の焼き方で、豚の様々な部位を焼いたメニューで、こちらも関東以外(特に関西など)では馴染みの薄い料理ですが、戦後の闇市の頃から続く関東の定番メニューです。

やきとん相手にホッピーをグビリとやると浅草に夜が来たと感じます。

懐かしの電気ブラン

浅草のお酒と言えば、『電気ブラン』という一風変わった名前のお酒が存在します。この電気ブランが誕生したのは明治時代、場所は浅草の神谷バー。神谷バーの創業者である、神谷伝兵衛さんがブランデーベースのカクテルとして考案しました。

出典写真:けいたろう

『電気』とは何のことなのかというと、考案当時の明治時代はまだ電気が珍しく、『モダンな』とか『ハイカラな』という意味合いで、名付けられています。

つまり電気のようにハイカラなブランデー、略して電気ブランというワケなのです。強い度数とほのかな甘味でかなり独特な味わいで、苦手な人も多いですが、ハマるとクセになります。

多くの作家に愛された電気ブランは今ではあまり見かけなくなりました。ホッピー通りにある『赤とんぼ』さんなら、先ほどのホッピーとやきとんと合わせて、電気ブランもラインナップされています。

【赤とんぼ】

住所: 東京都台東区浅草2-3-16

TEL:03-3844-8527

定休日:不定休

営業時間:[月~金]15:00~23:00

[土・日・祝]10:00~23:00

いよいよ浅草六区へ

ホッピー通りのさらに西側に位置するのが、浅草公園六区、通称、浅草六区(あさくさろっく)というエリア。浅草六区という名前は、明治に浅草公園を7つに区画分けして整備された際に、6番目の整備区画だったことに由来しています。それ以降、さまざまな大衆娯楽の中心地として栄えました。

有名な所では、今では浅草東洋館と名前を変えた浅草フランス座、浅草ロック座、浅草演芸ホールなどの娯楽施設が密集しています。

出典写真:けいたろう




その浅草六区の電柱に、榎本健一、萩本欽一、青空球児・好児、渥美清などそうそうたる喜劇人の顔写真が掛かっている区画があって、娯楽の街なのだなと、より一層強く感じます。

出典写真:けいたろう

出典写真:けいたろう

一つだけある予約済み看板

浅草六区の電柱の顔写真の中に一つに「予約済」とだけ書かれている看板があります。

出典写真:けいたろう

ここでクイズです。この予約済というのは、誰のことでしょう?ヒントは浅草芸人を語る上で絶対に外せない芸人さんだということです。ちなみに看板は『捕鯨船』というお店の前に掛かっていて、浅草通の人ならお店の名前から分かる人もいるかも知れませんね。

捕鯨船のお店情報

こちらの捕鯨船というお店は店名から想像する通り鯨料理の店ですが、『鯨(げい)を食って芸を磨け!!』と看板にあり、お店のご主人も元芸人で、芸の道を極めたいという芸人さん御用達のお店ということも由来となっています。

出典写真:けいたろう

【捕鯨船】

住所:東京都台東区浅草2-4-3

TEL:03-3844-9114

定休日:木曜日

営業時間:[月・火・水・金]17:00~22:00

[土・日・祝]16:00~22:00

驚きの店内

店内に入ると、思わず圧倒される物があります。それは店の壁に直接書かれたサインの数々。色紙に書かれた有名人のサインが壁に飾ってある店は数多くありますが、このお店では、落書きのように壁に直接サインが書かれています。

その中でも特に目を引くのが、漫画家ちばてつや先生の直筆の矢吹ジョー。他の有名人のサインや漫画家さんのイラストに比べて、一際大きく描かれていて迫力に圧倒されます。そして、そのジョーのにはビートたけしさんのサインと写真が貼られています。

出典写真:けいたろう

クイズの正解発表

出典写真:けいたろう

先ほどのクイズにあった表の看板の予約済みと言うのは、ビートたけしさんのこと。ご主人はたけしさんの先輩芸人で、売れない頃から馴染みだったたけしさんは『浅草キッド』という曲で「煮込みしかないくじら屋」とお店のことを歌っている間柄。

実は捕鯨船のご主人こそ例の看板設置の発案者で、自分の店の前の看板はビートたけしさんと決めていて、「ビートたけしがなけりゃ始まらない」と頼むと、たけしさんは照れながら、「兄さん、おいらが死んだら飾ってよ」と言ったそうです。

浅草出身の芸人のみならず、世界のキタノとしても有名でありながら、根がシャイなたけしさんらしいエピソードです。

世界のキタノが愛した煮込み

出典写真:けいたろう

それでは浅草芸人ビートたけしが、大好きな煮込みを頂きます。料理名は『牛にこみ』、捕鯨船という店名ですが、牛モツの煮込みです。関東ではモツ煮と言えば、豚のモツの方が多いですが、その点でも珍しいです。

客の目の前にある大なべで作る煮込みは、甘辛いタレとプルプルの牛モツは絶品で、ビールでもチューハイでも、日本酒でもグイグイと進んでしまいそうになります。

歌詞には「煮込みしかない」と歌われていますが、他のメニューも色々あって、今では滅多に口に出来ない鯨料理が並んでいます。

怖がらないでも大丈夫

捕鯨船はビートたけし所縁のお店として、TVや雑誌など様々なメディアで紹介されていて既に伝説のお店となっている部分もあります。また内装もカウンターだけの造りで、お世辞にも広いとは言えない店内で、多くの方が飲んでいますが、お店の方もお客さんも、気さくで気楽な方ばかり。

ちょっと狭くても、席を詰めて座るスペースを作ってくれたりします。ぜひ浅草に出掛けた際のシメにどうぞ。オススメのお店です。

前編のライトアップ編もどうぞ

今回、大人の浅草散歩と題して、前後編にわけて投稿しました。【前編】大人の浅草散歩!休日昼過ぎからでも楽しめる浅草。も併せてお読みください。

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観光情報サイトの『たびねす』にて旅行ガイド執筆中。
取材で京都・大阪を中心に色んなところに、観光スポットに出入りしてます。
旅行・食べ物以外には、上方落語とプロレス、B級な物事が大好物です。
一児のパパだったりもします。
ぜひ旅行ガイドを読みに遊びに来てください。
たびねす
http://guide.travel.co.jp/navigtr/280

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