いつもの朝食 いつものコーンフレーク

カナダ・オンタリオに住むステファン・ガウデットさんはいつもの朝食の準備をしていました。西洋の朝食ではポピュラーなコーンフレーク。新しく買った箱を開けたスティーブンさんの目に、思いもよらないものが飛び込んできました。

「袋を読んで下さい」

そう書かれたコーンフレークの袋を箱から取り出すと、そこにはこんなメッセージが残されていたのです。

「これがケロッグのオンタリオ・ロンドン工場で製造された一番最後の袋です。

2014年12月5日 金曜日」

出典 http://www.lfpress.com

メッセージの下には三人の工場職員とみられる人々の署名と勤続年数が書かれていました。それぞれ24年、29年、28年とベテランばかりだったことが伺えます。

売り上げ不振による工場閉鎖

ケロッグのオンタリオ・ロンドン工場は75年前に開設され、コーンフレーク以外のケロッグ商品も製造していました。しかしコーンフレークの売り上げが低下した為昨年2014年の12月に閉鎖。600人もの従業員が職を失いました。

メッセージに応えるために

この最後のコーンフレークをたまたま購入したステファンさんは、実は高校の教員をしています。20年以上もロンドン工場でコーンフレークを製造し、しかし不景気にのまれ仕事を失ったこの三人をはじめとした工場職員の人々。その心情に感銘を受けたステファンさんは、このコーンフレークの袋を開けずに自身の担当である歴史の授業で使用したそうです。

このニュースは急速に広まり、地域の歴史博物館もこの特別なコーンフレークに関心を示しています。いまのところ今後の用途は決めていないというステファンさんですが、しばらくは朝食として食べることはしないつもりとのこと。

出典 http://www.lfpress.com

*ステファン・ガウデットさん家族

商品の裏に存在する製造者の思い

このメッセージを残した三人のうちの一人、マイク・カスキャデンさんは親子四代にわたってケロッグのロンドン工場で働いてきました。歴史ある工場の閉鎖、そしてここで働いて生計を立ててきた600もの家族を思い、最後のコーンフレークにメッセージを残そうと思いついたのだそうです。

二人の同僚と袋に署名をした瞬間はもの悲しく、淋しい気持ちが溢れたそうですがその思い入れのある最後のコーンフレークが歴史教師の手に渡るとは思いもよらなかったことでしょう。お別れの意味で書いたメッセージは、この地の歴史として語り継がれることになったのです。

「いただきます」の心

日本では食事を食べる前に、お祈りの代わりに「いただきます」と言いますよね。これは肉や魚、更には野菜といった食材への感謝の気持ちの他に、この食べ物を自分の元へ運んでくれた全ての人々への感謝の気持ちも表しているといいます。

コンビニやスーパーに並ぶ商品は無機質に見えてしまいますが、その製造には人間が関わっているのだということを思い出させてくれるニュースでした。日本では食品への異物混入が問題になっていますが、こんなささやかなメッセージなら受け入れられても良いのでは無いでしょうか。

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