記事提供:オヤノミカタブログ

いろいろな子育て論争を見ていると、子育てを担当している母親から、「仕事より子育てのほうが大変!」という意見が出ることがあります。子育てに奮闘している母親が、「こっちは休みなんてないんだから」と、仕事帰りの夫に不満をぶつける構図です。

でも、はたして本当に「仕事より子育てのほうが大変」なのでしょうか? 「経験していないから分からないのよ」と言われてしまうと、なかなか言い返せないところがありますし、実際、子育ては大変そうなので、妙に納得してしまい、それ以上は深堀りしないことも多いのではないかと思います。

そこで今回は、仕事と子育て両方を経験してきた立場から、「仕事と子育てはどちらが大変なのか」についての見解を述べてみたいと思います。第3者の中立的な意見として、夫婦の相互理解に役立てて頂ければ幸いです。

仕事一筋の生活から一転、子育て中心の生活に。

わたしは、今の会社を立ち上げる前、広告代理店に勤め、Webチームの責任者をしていました。その頃の生活といえば、連日深夜まで働き、子供の寝顔を見るためだけに帰宅するという、ワーカホリックを絵に描いたようなものでした。

その後、起業準備期間を経て今に至るのですが、それまで妻に任せていた育児をわたしが担当することになり、完全に子育て中心の生活へと変わります。朝は、こどもを起こして、朝ごはんを用意し、学校や保育園に送り出します。そこから仕事をして、夕方、こどもが帰ってくれば、またこどもとべったりという生活です。

振り返ってみると、仕事優先の生活を送っていた頃は、考え方が単一的で、仕事と子育てを同じベクトルで捉えていました。子育てだって、仕事と同じように課題を抽出して改善していけば、うまくいくはず。子育てがうまくいかないのであれば、それはやり方に問題がある。そこを変えようとしないから大変なんだ、と。

ようは、本人の問題であって、「仕事だから」とか「子育てだから」というのは関係ない。仕事も子育ても、心構えや取り組み方次第で、「楽しみ」にもなれば「困難」にもなる。大変にしているのは、自分自身だ。そういう捉え方をしていました。

頭の中を、一度、リセットする必要があった。

ところが、子育て中心の生活にシフトしてみると、そんな考えはどこかへ吹っ飛んでしまい、「子育てほど大変なものはない」と感じるようになります。なぜかというと、子育てがまったくと言っていいほど、うまくいかなったからです。

いくら改善を試みても、事態が良くならない。子育ての方針を変えるべきか、それとも、結果が出るまで貫くべきか。結果が出るとしたら、いつ頃だろう。それまで耐えられるだろうか。かと言って、途中で投げ出す訳にもいかない・・・。そんな不安と苛立ちが、だんだん積み上がっていきました。抜け出せない罠にはまってしまったような苦しい毎日でしたが、そんな中、ある1つの考えにたどり着きます。

子育てと仕事では、同じ取り組むにしても、そのタイプがあまりにも違う。なのに、子育てを仕事と同じように捉えてしまっているから、大変なのではないか。頭の中を、一度、リセットする必要があるのではないか、と。

子育ては「旅」のようなもの。

仕事は、結果を出すことが重要視されます。明確な目標を立て、改善を繰り返し、結果を最大化していきます。そこが達成感を感じるポイントであり、楽しみでもあります。一方、子育ては、結果を出すために目標を追い求めるようなものでは、そもそもありません。根本的に、違うものなのです。当時のわたしは、そこを理解できていませんでした。

もちろん、子育てにも、「できるようになって欲しい」という目標や、「こんなに成長した」という結果はあります。しかし、仕事における目標や結果とは、少し感覚が違います。子育てにおいては、「こどもを育て上げる」という壮大な目標があり、そこに向かう長い長い道のりの途中で「成長」という結果が垣間見える、そんな感覚だと思います。

例えるなら、子育ては「旅」のようなもの。目的地に辿り着く達成感が欲しいから旅に出るのではなく、その旅路でどんな景色を見て、どんな発見をして、どんな思い出ができたかを楽しむものであり、それこそが旅の醍醐味です。旅の途中で「空港やホテルに到着した」という結果は残りますが、あくまでも結果として付いてきただけであり、これが旅の第一目標という訳ではありませんよね。

子育てと仕事はまったく別の次元にある。

そもそも、「成長」という結果は、求めたから得られるという単純なものではありません。にも関わらず、必死にそこを追い求めてしまったため、いつまでたっても達成感が得られず、不安と苛立ちばかりが募ってしまった訳です。「旅」と同じように、結果ではなく、こどもと過ごす毎日の生活そのものに楽しみを見出す。それが、子育てを乗り切るコツだろうと思います。

そう考えられるようになってから、「子育てほど大変なものはない」という感覚はなくなりました。このことは、わたしにとって大きな気付きだったと思います。もちろん、子育ては大変ですし、仕事のような達成感が得られず不満がたまることもしょっちゅうですが、「そういうもの」として受け入れることができています。

「子育てと仕事、どちらが大変か?」を考える際に、子育てと仕事はまったく別の次元にあるという大前提を理解しておくことは、非常に重要だと思います。子育てを「旅」だとするなら、目標と結果を追い求める仕事は「競技」のようなもの。簡単に比べられるものではないということです。

以上、わたし自身の経験を通して、「子育てと仕事ではそのタイプがまったく違う」ということを見てきました。そのことを踏まえ、次回、それぞれ具体的にどういった点が大変だと感じるのか、更に突っ込んでみようと思います。

次回に続く・・・

この記事を書いたユーザー

Spotlight編集部 このユーザーの他の記事を見る

Spotlight編集部の公式アカウントです。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス