「仕事」とは何か、「人生」とは何か。「圧倒的努力」「圧倒的結果」とはどのレベルを指すのか。「金」は全てか、「愛」とは何か、「死」とどう向き合うかーー。

幻冬舎の代表取締役社長であり、数々のベストセラーを生み出してきた伝説の編集者でもある見城徹氏。トークアプリ「755(ナナゴーゴー)」で150万人が熱狂した「見城徹のトーク」での発言を元にした見城氏の単著たった一人の熱狂 ―仕事と人生に効く51の言葉―が発売と同時に重版が決まるなど、異例の売れ行きを記録している。

今回Spotlightでは、そんな新刊の発売を記念して、編集長の渡辺が見城氏に特別インタビューを敢行してきました!

ただし、お相手は異常に記憶力が良い”と噂される見城氏。万が一失礼があった際に顔を覚えられることがないよう、細心の注意を払って緊張の面会に臨みました。(見てください、新刊のこの表情…)

























渡辺:よろしくお願いします。

見城:よろしく。何だねそれは。

渡辺:えっ…あの…この方が自然体でインタビューできそうだなと思いまして。

この度は新刊の発売、おめでとうございます。今回は、我々独自の視点で見城さんのことを深堀りさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

「毛深い女性」がタイプ?

渡辺:いきなりこんな質問で申し訳ないのですが、見城さんは毛の太い女性がタイプだと言う話を聞いたことがありまして。これは本当なんですか?

見城:そうだね。毛が太いというか…毛が多い女性が好きだね。俺は髪の毛は勿論、手や足や…襟足、それから背中にある毛がすごく好きで、要は毛フェチなんですよ。

渡辺:それはもう“なぜ好きなのか”とか、そういう次元ではないですよね?魂が求めているというか。

見城:魂というか…性癖だよね。ただ毛深さにも微妙に好みがあって、茶色かったり、まばらはダメ。黒くて、長すぎず、毛密度が高いのが好きだね。太ももにバーっと産毛のような黒い毛がたくさんあって、それをストッキングで上から押さえつけているのを見ると欲情するし、エロチシズムを感じる。そういうのが子供の頃から好きだった。

渡辺:神童ですね。脇毛なんかも生えてて大丈夫なんでしょうか?

見城:もちろんもちろん!俺は毛が濃いということに対して、「強さ」「命の勢い」を感じるんだよ。

渡辺:それは分かる気がします。

見城:俺はね、強い女が好きなんだよ。髪の毛も、多ければ多いほどいい。サラサラヘアーとかはダメで、太くて直毛でロングにできないぐらいの髪が好きだね。

渡辺:そう言えば、盟友の村上龍さんもとても髪の毛が多い印象がありますが、やはり男性でも…

見城:いや男には何もないよ!気持ち悪い!

渡辺:すみません。

見城:しかし、今はどこの田舎に行っても毛深い女性がいないよね。脱毛サロンの前で「脱毛反対!」ってプラカードを掲げたいくらいだよ。「毛深い女性が好きな男性がいる」という想像力が日本中から無くなっている。美人の条件ですよ、毛が濃いのは。

渡辺:名言出ました。もしかしたら、この記事で日本に“毛深い女性ブーム”が起きるかもしれませんね。

見城:まぁ無理だろうね。

755をはじめたきっかけ

渡辺:今回の本を出版するきっかけにもなった「755」についても話を聞かせてください。元々は弊社の藤田(晋)堀江(貴文)さんからの誘いで始めたということですよね?

見城:そうだね。俺は元々インターネットを全くやらない人間なんで、それがなければやってないよ。

渡辺:ただ、僕らから見ていてもびっくりするくらい濃い内容というか、誰よりも長文で丁寧に返信しているのが印象的で。

見城:そうだね。知らない人であろうと、孫みたいな年齢の人であろうと、自分に敬意があろうと無かろうと、とにかく誰であっても心を込めて返信しようと思ってやっていて、そうするとやっぱり長くなるんだよ。これはもう体質かもしれない。

渡辺:そのストイックな姿勢、脱帽です。あれはフリック入力でサラサラ打ってるんですか?

見城:フリック入力?そんなのやる気もないよ。堀江も勧めてくるんだけどさ。かえって遅くなる。こうやって打ってるよ。(1本指を立ててカタカタ連打)

渡辺:ええええ!?それであの長文を打つってのは全く想像できないんですが…。

見城:755のせいで腱鞘炎になったからね。

渡辺:本当ですか…。ちなみに、見城さんは常日頃「現状維持は悪だ」とおっしゃってますが、フリック入力を覚えるつもりはないのでしょうか?

見城:いやいや、フリック入力と現状維持なんて何の関係もないよ

渡辺:いや、フリック入力は明らかな成長だと思いますね。

見城:技術的な成長なんかどうでもいいよ!

渡辺:成長というのは精神的な成長という意味なんですか?随分と都合の良い解釈ですね。でも僕、どうしても見城さんにフリック入力を教えたいです。

見城:いや、断る。

渡辺:そこをなんとか…

見城:断る!そんなの成長とは言わない。

渡辺:それなら後ろから手をとって無理矢理教えます!

見城:この…バーナーで焼くぞお前!

注)フリック入力を勧めたら怒ります。


コメントするハードルが高い「見城徹のトーク」

渡辺:あ、あと1つ気になっていたことがありまして。基本的に見城さんのトークには熱いコメントばかりが集まっていると思うのですが、傍目から見たら好意的なコメントに対しても、見城さんがいきなり冷たく突き放したりすることがあるじゃないですか?あれは見ていてすごくドキドキします。見ている人もコメントするのをためらってしまうと思うのですが…。

見城:あ、そう?相手に対する想像力がない質問や、あまりにもくだらない質問だと、いくら好意的でもダメ。「人生とは何ですか?」って、そんなのどうやって答えろっていうんだよ。そんなのを一行で聞いてくる不埒な奴には答えないね。

渡辺:でも、今こう聞いてると決して怒っているイメージではないんですが、見城さんに急に「もう僕のトークには来なくていいよ」なんて言われたら、その日の夜寝れなくなっちゃいますよ。

見城:いや、そんなことないでしょ。

渡辺:いやいや、当事者はガタガタ震えてますよ!僕なら幻冬舎まで謝りに行きます

見城:そんな人いないよ(笑)

渡辺:いや、もうこれはせっかくなんで、「見城さん、ホントは怒ってないよ」ってのを撃沈した人たちに伝えてあげたいです。あの人たち、このインタビュー見てるかなぁ。

こんな感じです。全然怒ってないですよ!


しかし、残念ながら3月末で終了することに…

渡辺:そんな見城さんの伝説のトークも、残念ながら3月末で終了ということですが…。

見城毎日3時間以上時間を使ってるからね。まず、読書ができなくなった。それから、テレビを見る時間が無くなった。映画に行けなくなった。ジムも減った。最近では、仕事に支障をきたすほどになってる。なので、755によって変わってしまった生活を一回立て直したいなと。

渡辺:誠に申し訳ございませんでした。

見城:それでも俺は、やじコメをくれる人たちに返信を続けたり、たまに自分の考えを発信してきた。でも、もうこれ以上はできないという限界に達してしまったんだよね。不眠症の俺がスマホを触りながら寝落ちするんだよ。眠くて何を打ってるか分からないことも何度もあったし。

渡辺:誠に申し訳ございませんでした。

見城誰かのコメントを無視したり、待たせたりすることは俺の性格上できないので、どんどんプレッシャーも大きくなってきた。これはもうやめるしかないなと。

渡辺:そうですね…。

見城:ただ、通りすがりの人たちとここまで心の交流ができたことはすごく良かった。それから、一般の人たちのつぶやきや、嘆きや、苦しみを知ることによって、自分も刺激をもらったし、新たな成長に繋がったと思ってる。

渡辺:今まで見城さんがこういう(一般の人とネット上で交流する)機会ってほとんどなかったんでしょうか?

見城一切なかった。だから、755は自分を再認識するという意味でもすごく貴重な体験だったね。

渡辺:そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。

見城:…君、大沢たかおに似てるね。

渡辺:えっ?


































渡辺:ありがとうございます。言われないこともないですね。

KADOKAWA時代の生活は?

渡辺:本当に激しいエピソードが多いと思われますが、KADOKAWA(角川書店)時代の生活についても詳しく聞いてみたいです。

見城:KADOKAWA時代?KADOKAWA時代のスケジュールは覚えてないな…。ただ、20代・30代はいつ寝ていたのかが自分でも分からない。当時300人くらい担当してたからね。

渡辺:300人!?

見城:毎晩まずは作家と飯を食べ、その次にミュージシャンや芸能関係者と飲んで。坂本龍一とも毎日会って、尾崎豊とも毎日会ってたな…。たまに家にいることもあったけど、そうするとまず宮本輝から(電話が)かかってきて、1時間ぐらい話すと次は村上龍からかかってくる。ひと息ついたら今度はつかこうへいから電話が来て、その間に「なかなか電話が繋がらない!」と言って中上(健次)が家に来ちゃうのよ。そこからゴールデン街に繰り出してた。

渡辺:すみません、頭が混乱したのでもう一度はじめからよろしいですか。

見城:もういいよ。ちなみに、村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」なんかは、読まなくても全部内容が分かってた。宮本輝の新聞連載もね。だって毎晩電話で話してんだから。

渡辺
:それで原稿チェックというか、実務作業もやってたんですよね?

見城:もちろん。自分で言うのもなんだけど、スーパーマンだったと思う。ボディビルディングを一番ガンガンやってたのもその時期だからね。

渡辺:本当にスーパーマンですね。ただ、僕が一番気になってるのは、なぜ見城さんがそういった名だたる有名作家や芸能人から信頼される存在になることができたのか、ということなんです。それも新人時代から。

見城:それは作品を読み込んでいれば、いくらでも相手の中に入っていけるよ。作品論を展開すればいいんだから。彼らに今まで味わったことのないような刺激と発見を与えればいいだけ。それは圧倒的に努力すればできるよ。そんなに難しいことではない。

渡辺:難しそうです。

見城:大変なのはその後だよ。多くの表現者と離れられないような関係になっていくというのは、俺にとっては悲劇でもあって。自分が無くなっていく、崩壊していくわけだから。生活も崩壊するし、精神も崩壊する。でもしょうがないよね、それは編集者の性癖だから。

渡辺:性癖が多いですね。

見城:こんなに濃密に付き合いたくないよって瞬間はいくらでもあったよ。でもそうならない限り、いい作品はできない。

編集者として誇れるのは「会食の数」

渡辺:「月刊カドカワ」編集長時代には、同誌の部数を30倍に伸ばすなど圧倒的な成果を出していた見城さんですが、当時の経費の使い方についての話もびっくりしました。400万円というのはどんでもない金額ですね。

見城:うん、毎日15万円は使ってたね。「うまいものを食う」ということにも熱狂していたし、払わせるのも嫌だったから。あとは、美味しいものを食べながら話した方がビジネスが速く進むし、食べるという行為は人の内面をとても分かりやすくする

渡辺:なるほど。やはり圧倒的成果を出していれば、そんなに使っても怒られなくなるんですか?

見城:そりゃそうだよ。あ、でも初めは2回ほど経理局長に呼ばれて「君、使いすぎだよ」と言われたことはあったかな。でも「何言ってるんですか。ちゃんと見てください僕の仕事の結果を」と言ったら納得してたよ。

渡辺:それはカッコイイですね。

見城:しかしこう考えてみると、俺が編集者としてやってきたことで何か1つだけ自慢しろと言われたら、365日40年間、ひたすらうまいメシを食ってきたことかもしれないな。そこに関しては、自分以上の人間はいないと思う。そんなことを自慢してもしょうがないかもしれないけど。

渡辺:いやいや、でもそうだと思います。

見城:だって京味に1000回以上行ってる奴なんていないよ?京味(新橋)とキャンティ(西麻布)には、俺1000回以上行ってるからね。君の社長の藤田(晋)が行ってるレストランだって、たいがい俺が紹介してるレストランだよ。

渡辺:え、そうなんですか?たぶん自分が見つけた顔してると思いますね。

見城:いや、自分でも開発してるよね。

B級グルメは食べる?

渡辺:ちなみになんですが、見城さんは吉野家みたいなところって行ったりするのでしょうか?

見城:行くよ。俺ね、昼にB級グルメを食べるのが大好きで。

渡辺:そうなんですか。

見城:好きなのは、まず吉野家の牛丼、

渡辺:はい。

見城:それから、さぼてんのみぞれヒレかつ、

渡辺:あー、美味しいですよね。

見城:それから、グランドハイアットの…

渡辺それ違いますね

見城:そうか。あっ、あとはオリジン弁当

渡辺:オリジン弁当ですか。メニューは何がお好きなんですか?

見城:豆腐系が多いけど…。牡蠣の季節は、オリジン弁当の牡蠣フライがすごいうまい。それから、最近のメニューだとチーズ唐揚げ。春巻きも好き。

渡辺:たくさん出てきますね(笑)

見城:いや、オリジン弁当はうまいと思う!会社の近くにあるんだけどさ。

渡辺:見城さん、自分で行かれるんですか?

見城:当たり前だよ。自分で選ばなきゃ意味がない。

渡辺:見城さんがオリジン弁当でこう(トングで)取ってる姿、ちょっと浮かばないです(笑)

藤田晋の知られざるエピソードを暴露!?

渡辺:せっかくですので、(弊社代表の)藤田とのエピソードも聞かせていただきたいです。盛り上がってきましたので、ぜひギリギリのネタをお願いします!前回の藤田へのインタビューでも、彼自身自主規制するメディアは面白くないと言ってましたので。

見城:おお、そう。じゃあ1つ面白い話があるんだけど、言っていいのかなこれ。

渡辺:はい。全く問題ありません

見城:あのね、数年前までエイベックスの松浦の誕生日パーティーが毎年10月近辺にあったんだけど、それがかなり大規模なパーティーで、ある時藤田がそこに秘書を2人連れてきてたのよ。

渡辺:ええ。

見城:うち1人の女性を見て、綺麗な人だなぁと思って。で、パーティーが終わった翌々日くらいに藤田に電話をして、「あのコいいじゃない。お前、全然そういう気持ちはないの?」って聞いたのよ。そしたら、「え?秘書ですよ?そんなことあるワケないじゃないですか」って言うんだけど、俺は内心「ホントかよ」と思ってたのよ。

渡辺:いい感じです。

見城:それから少しして、ある日曜日の昼間にスポーツクラブに行ったのね。そしたら、俺が入って行く時に藤田とその秘書が出てきたの。細い通路ですれ違ったんだけど。

渡辺:またそれは偶然ですね。

見城:うん。で、またその後に電話して、「藤田、お前秘書と日曜日にスポーツクラブ行かないだろ!」って言ったのよ。そしたら、「いやぁ、実は見城さんにあぁいう風に言われて意識し出して、付き合い始めたんです。だから見城さんがキューピッドなんです」とか言い出して。

渡辺体調も管理してもらってたんでしょうかね?

見城:家ではそうだろう。でも、この前も家にお邪魔して食事したけど、本当(奥さんは)よく気が付くし、いい人ですよ。素晴らしいですよ。藤田には勿体無いよ。

渡辺:でも、そんな素晴らしい奥さんと結ばれたのも見城さんのおかげということですよね。

見城:そういうことになってるみたいだね。アイツは今でも見城さんに言われなければ付き合わなかったって言い張るからね。

新刊が伝える見城徹の“厚み”とは?

渡辺:最後になりましたが、見城さんの人生観や仕事観の集大成となった新刊、拝見させていただきました。見城さんほどにスパっと自分の意見を言い切れる人、僕は見たことがないです。言葉がスッと入ってきて、一気読みしてしまいました。「お金が全て」「結果が全て」そう言い切れるのってすごいなぁと。

見城:金が全てだと言い切らない限り、俺はビジネスの世界で生きていけないんだよ。俺は本当にロマンチシズムに酔う男なので、過程を評価してしまったら自分がダメになるというのががよく分かってる。

渡辺:なるほど。見城さんの言葉の裏側には実はそういった気持ちがありながら、グっと自らを逆の方向へ引っ張っているんですね。

見城:そうそう。だからこのたった一人の熱狂というのは、書いてあること全てに裏側があって、それこそが厚み”になっているのかなと思うよ。表面的ではない言葉の奥行きが伝われば嬉しいね。

渡辺:きっとこのインタビューでも、見城さんが持つ人間としての“振り幅”が伝わったのではないかと思います。この本が多くのビジネスマンのバイブルとなること願っています。本日は長い時間、本当にありがとうございました!

■見城徹(けんじょうとおる)

1950年12月29日、静岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。75年角川書店入社、「月刊カドカワ」編集長などを歴任後、取締役編集部長を最後に93年退社、幻冬舎設立、代表取締役社長に就任。五木寛之「大河の一滴」、石原慎太郎「弟」など創立21年で21本のミリオンセラーを送り出す。著書に「編集者という病い」(集英社文庫)「憂鬱でなければ、仕事じゃない」(藤田晋との共著・講談社+α文庫)などがある。

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