今、食後に飲むものというと、コーヒーや紅茶が一般的でしょうか。でも、800年ほど前からほんの数十年前まで、日本人が食事中や食後にいただくのは、お茶でした。それも、今のようにキレイなグリーンティーではなく、釜煎りした少し色づいたお茶を飲んでいたそうです。

それは「茶色」という色を思い浮かべれば明白。日本人が古来大切にしてきた「茶」というものへの憧憬が、その言葉に現われているようですね。いわゆる茶道としてではなく、庶民が日常的に飲むものとしてのお茶について、「常茶会」の代表、小川豪比古氏にお話を伺いました。

新茶を飲む風習は、100年程度の歴史。

お茶の文化自体は、中国から日本に入ってきました。最初は1200年ほど前に、空海や最澄が持ち込んだと言われるお茶で、ごく一部の限られた人だけが口にできたもの。多くの人が飲むために広く栽培されるようになったのは、平安末期、800年ほど昔のことです。それでもまだまだ、お茶は貴族や武士の文化でした。

庶民も広く茶を飲むようになったのは、江戸時代に入ってからのことでしょう。18世紀には現在と同じようなお茶の栽培法になったそうですが、摘みたての新茶を旬といって飲むようになったのは昭和初期ほどからだそうで、普通、新茶というと摘んでから半年ほど寝かせたものをいうのだとか。

今でも、茶道の世界では11月頃に新茶の開きの儀式が残っているとのこと。

出典常茶会

幻の番茶、「あかね晩茶」。

このあかね晩茶の生産量は、年間わずか6トン。お茶の生産量は昨年で12万トン程度ですから、少量であることがわかりますね。在来種といわれるお茶を栽培しているところも、今では珍しいこと。

その種から育てたお茶の木は、地中4~5mの深さまで根を張ることで地中のミネラルをしっかりと吸い上げるのだとか。一般的に栽培されるお茶の木の根が50cm程度ということを考えると、ずい分深いところまで根を伸ばすのですね。

また、春先に新芽を摘むのが通常のお茶ですが、あかね晩茶は、土用を過ぎて栄養を蓄えた完熟葉を、枝ごと刈り取るという方法で摘むのだそう。

自然栽培で無農薬・無肥料で育てたお茶を、昔ながらの鉄釜で煮出し、数日の間、真夏の炎天下に茶葉を広げて乾燥させるという方法でつくられるお茶は、やわらかで美味しく仕上がっています。

出典常茶会

出典常茶会/Creatio Domus

あかね晩茶の、淹れ方。

【熱いお茶の場合】
急須に茶葉をひとつまみ入れて、熱湯を注いだら3分ほど浸出します。それぞれの湯飲みに均等に注ぎます。2杯目のお茶を淹れる場合は、四分の一程度残しておくと良いそうです。そこにお湯を継ぎ足せば、3杯目・4杯目も美味しく飲めるとのこと。

【冷たいお茶の場合】
ヤカンに水道水を入れたら、カルキを飛ばすためにフタを開けたまま沸騰させます(天然水を使う場合は、フタをして沸騰させても◎)。沸騰したお湯1リットルにたいしてひとつまみほどの茶葉を入れ、常温まで冷まします。ガラスの容器に移して、冷蔵庫で冷やしてから飲みます。

茶葉タイプとティーバックタイプがあるので、お好みに合わせて、まずは飲んでみてはいかがでしょうか。丁寧な製法でノンカフェインになっていますから、子どもからお年寄りまで幅広く、通常飲むものとして最適です。

この幻のお茶、生産量を増やすために、栽培環境の良いところを探しているところだそうです。もっとたくさん飲める日が楽しみですね。

この「あかね晩茶」、ご購入などのお問い合わせは、常茶会の代表・小川豪比古さん(ogawa@johcha.co.jp)までお願いします。

2013年の12月、和食が世界遺産になりました。世界遺産となったのは、「日本人の伝統的な食文化」です。そこには長い間培ってきた、釜炒り・釜煮のお茶も含まれるはず。この優しい味と香り、ゼヒ残していきたいものです。

出典Creatio Domus/常茶会

便利なティーパックタイプと、茶葉との販売があるそうです。アナタも“幻のお茶”で、ココロとカラダを癒してみませんか?

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サプリメントライター、コピーライター、制作ディレクターを経てフリーのライター兼編集となる。食品・食育・美容健康分野を中心に、宣伝・広告、書籍・雑誌と、企画・編集から納品までを受注。イラスト発注はもちろんのこと作成に至るまで幅広く活躍し、手描きPOPのセミナー講師なども務める。萬屋。主な編集著書に「東京ダイエットグルメ」「大豆ミートDEダイエット」(TBSサービス)などがある。

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