「小中学校に冷房は不要!」と市長が設置を辞退

事の発端は、2012年。航空自衛隊入間基地の近くにある所沢市立狭山ケ丘中学校の防音対策工事を兼ねたエアコン設置工事を、藤本正人市長が「必要ない」として辞退したことがキッカケでした。

入間基地にほど近い同校では、付近を自衛隊の訓練機が飛び交うため騒音が激しく、猛暑となる真夏も防音のため窓を閉め切って授業を受けなければいけません。

閉め切った室内では外よりも温度が高くなることも少なくありませんが、藤本市長は、「扇風機で十分。子どもたちにエアコンは必要ない」「子どもに厳しい環境で努力してもらうことも必要」と発言しました。

市長の発言に2012年当時のTwitterでは批判の声…

エアコンの設置を求めて署名活動をスタート

当時通っていた中学生の保護者がエアコンの設置を求める活動をスタートしましたが、市長は応じませんでした。そこで、保護者たちを中心になって住民投票の直接請求に必要な署名活動をはじめたのです。8430人分の署名が集まり法定署名数を上回ったため、今月15日(日)に住民投票が行われることになりました。

子どもに冷房は必要がないのか

そもそも「子どもに冷房は必要ない」ものなのでしょうか。所沢市で見ると、夏場の最高気温が30℃を超える時間数は年々増加傾向にあり、過去 30年間の年平均気温は約 1.05°C上昇しています(「所沢市みどりの基本計画」より)。このように、年によってバラつきはあるとはいえ、暑さは増す一方です。

大人よりも子どものほうが熱中症になりやすい

思春期前の子どもは汗腺をはじめとした体温調節能力がまだ不十分。環境省も「子どもは高齢者とともにより熱中症に気をつけるべき」と注意を促しています。熱中症はかならずしも屋外で起こるものではなく、高温多湿の室内でも起こりえます。実際に、2013年には同じ埼玉県内で、小学生の男女10名がエアコンを切った教室で授業を受けている最中にからだの震えを訴え、救急搬送されたこともありました。

全国の小中学校のエアコン設置状況は…

文部科学省が公表しているデータによると、東京都の小中学校では2万6712教室中2万6687教室と、実に99.9%の教室(授業を受ける教室。特別教室は除く)にエアコンが設置されています。所沢市のある埼玉県では、48.9%と設置率は約半数ほどです(平成26年4月時点)。

全国で見ると、17年前の平成10年の設置率は約3.7%でしたが、平成26年時点では約32.8%と、この20年の間に設置数は10倍以上にもなっているのです。

いかがでしたか?藤本市長は「厳しい環境を耐える努力が必要だ」と発言しましたが、耐えてしまう子ほど熱中症になりやすく重症化しやすい傾向があるため、熱中症予防の観点では我慢は禁物。

「エアコン設置問題」がどのような結末をたどるのか、運命の投票日は2月15日(日)。所沢市民の出す結論に注目したいと思います。

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家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らし。 育児、暮らしにまつわるネタを中心にライター業をしています。お酒とチョコレートが大好き。

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