日本が貧しかった頃、その列車は憧れだった。

みなさまこんばんは、鉄道ジャーナリストの加藤好啓です。本日も、寝台車の歴史について考えるということで、お話をしてみたいと思います。今回は、昭和33年の「特急あさかぜ」が20系客車でデビューした頃から昭和39年の新幹線が開業する直前までのお話をさせて簡単にさせていただこうと思います。

ブルートレインといえば寝台列車というイメージができていますが、日本で元祖ブルートレインと呼ばれるものは20系客車と呼ばれる寝台列車になるでしょうか。

元々、国鉄ではブルートレインという言葉はなくて、マスコミ等が南アフリカの青く塗られた豪華寝台特急がブルートレインと呼ばれていることから、それに擬えてブルートレインと呼ぶようになったのが始まりだと言われています。

南アフリカのブルートレインの話は別の機会に譲るとして、日本におけるブルートレインについて当時の資料などを基にお話したいと思います。

20系ブルートレイン誕生

国鉄に後にブルートレインと呼ばれる寝台列車が誕生したのが昭和33年10月のダイヤ改正でした。この時同時に誕生したのが、151系(後の181系)「特急こだま」でした。方やスピードの象徴とされた車両に対して、「寝台特急あさかぜ」に使われた20系寝台特急はその豪華さから走るホテルと言われていました。

その特徴を個々で簡単に見ていこうと思います。先ず最初に特筆すべきことは、客車が完全に冷暖房完備になったということです。生活レベルが上がり現在では冷暖房は当たり前の時代になりましたが、当時は暖房こそあっても冷房はないのが一般的で、昭和の初め頃は1等車といえども冷房はありませんでした。

当時の庶民の生活は、映画ALWAYS等で垣間見ることが出来ますが、テレビ、冷蔵庫、洗濯機が「三種の神器」と呼ばれたり時代でした。現在の水準で考えれば、時代遅れな内装ではありますが当時の生活水準で考えれば、今の七つ星以上の衝撃で迎え入れられたと言えましょう。

闇夜に映える青色は、後の24系客車のように明るい青色ではなく、紺色の近いブルーでクリーム色の三本の帯は、車体全体を囲うのにはちょうどよいアクセントでした。

20系ブルートレインの編成を見てみよう

最初に誕生した「特急あさかぜ」は東京~博多間を運転する特急列車として特別な扱いであり「あさかぜ」しか連結されなかった車両もあります。それでは順番に見て行きましょう。

運転開始当初は13両編成で、マニ20+ナロネ20(オール個室)+ナロネ21(開放式寝台)×2+ナロ20(グリーン車)+ナシ20食堂車+ナハネ20(B寝台)×5+ナハ20(普通車)+ナハフ20という編成でしたが、やがて利用者の増加とともに編成は増強されて昭和38年には15両の堂々たる編成となり、1等寝台(ナロネを6両もつなぐ超豪華編成が誕生しました。

特に、編成に連結されたナロネ20とナロ20は、特急あさかぜだけに連結された車両であり、その豪華さから誰言うとなく「殿様あさかぜ」とか「殿様編成」と呼ばれていました。

ナロネ20は、完全一人個室と、2人用寝台で構成された編成で、当時は飛行機の利用が一般的ではなかったため国会議員や著名人などがよく利用していたと言われています。
他にも、特急さくらから転用した、一人用個室+開放式寝台のナロネ22なんていう車両もありましたね。

当時は、新幹線も開通しておらず、飛行機も就航していましたが運賃は1等寝台車を利用するよりも高く、余程のことでもない限り飛行機を利用するということはありませんでした。

続く

ブルートレインと呼ばれる南アフリカの超豪華特急

ブルートレインの名称は、南アメリカの超豪華列車と塗装が似ていたことからマスコミが最初に、ブルートレインと言い始めたのが最初その後国鉄も、マスコミに倣ってブルートレインと一般的に言うようになりました。

昭和38年の時刻表から 特急あさかぜ 18:30発

新幹線が開業する前の昭和38年の時刻表からアップしました。「特急おおとり」は、東京~名古屋間の特急です。当時は、特急列車によって停車しない駅がありました。「あさかぜ」は熱海に停車するが「みずほ」は通過する等…です。

20系寝台車設備案内図

「特急あさかぜ」には上記の3種類の寝台が用意されていました。特に、ナロネ20は現在の水準で比べると大変狭く、B寝台のソロよりも狭くて居住性は悪いですが、完全に仕切れる個室として国会議員を中心に利用率は高かったと言われています。

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初めまして、鉄道ジャーナリストの加藤好啓です。
特に旧国鉄【日本国有鉄道】の歴史に詳しく、自分なりに鉄道の年表サイトなども運営しております。
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