出典 http://sirabee.com

記事提供:しらべぇ

昨年2014年、Facebook社とアップル社が、福利厚生の一環として「卵子の冷凍保存」に最大2万ドル(約210万円)まで補助金を出す支援策を決めた。アルバイトを含む全女性従業員と、社員の配偶者や米国内在住のパートナーが対象だ。いったい、なぜこのような福利厚生が取り入れられたのだろうか?

●よく働く優秀な女性社員たち

「バリキャリ」という言葉を耳にしたことがあるだろうか? これは、「バリバリのキャリアウーマン」の略で、猛烈に働き、ファッションや恋愛よりも仕事やキャリアを重視する女性のことを指す。こういった女性は、仕事において非常に優秀な一方で、結婚や出産が遅くなるケースが多いようだ。

●卵子は日々消滅している

仕事を楽しんでいるからといって、体が年をとらないわけではない。特に女性の場合は深刻だ。

男性の精子は2ヶ月の寿命で次々と新しいものが作られるが、女性の卵子は新しく作られることがない。

女性は生まれる時に原始卵胞という卵子の素を約200万個持って生まれてくるが、1回の月経の度に約1000個ずつ減っていき、持って生まれた原始卵胞を使い切ってしまったら、もう卵子をつくる事はできない

●卵子は老化する

さらに、原始卵胞が年を重ねると、卵子の中でも卵子として機能しないものの割合が高くなり、染色体異常を持つ卵子も増える。染色体異常を持った卵子は受精卵になったとしても流産する割合が高い。つまり、卵子が老化することで妊娠しにくくなるのだ

米科学誌サイエンスの調査では、20~24歳の女性の不妊症発症率は10%以下だったのに対し、30~34歳では約15%、35~39歳では約30%まで上がるということが明らかになった。

●「卵子の冷凍保存」で優秀な女性を囲い込め

イキイキと仕事に打ち込む一方で「このままいくと高齢出産になるかもしれない…」と不安を漏らす20代後半から30代の女性は少なくない。彼女たちのような優秀な女性社員の不安を取り除き、会社に残って働き続けてほしいと考える企業が導入したのが 「卵子の冷凍保存」なのだ。

●「卵子の冷凍保存」 意外と低い出生率と、高い費用

採卵した卵子は急速冷凍して保存され、希望する時期に解凍・体外受精を行い、子宮に戻される。注意したいのは、卵子を冷凍保存したからといって必ず妊娠・出産できるわけではないということだ。日本産科婦人科学会の発表では、これまで凍結卵子での出産成功率は約10%とされている。

さらに、その費用は決して安いとは言えない。卵子の冷凍保存は自由診療のため、料金はクリニックごとに異なるが、初期費用(婦人科での初診から入院・全身麻酔・採卵、同社での卵子凍結、初年度1年間の凍結卵子の輸送・保管管理費用)で70万~100万円ほど。2年目以降は卵子1個あたり1年間の保管料が1万円を超える場合もある。

「女性の活躍推進」が声高に叫ばれる一方で、“晩婚化”や“少子化”に頭を悩ませる日本。海外で生まれたこの“新しい福利厚生”、日本に上陸する日は来るのだろうか。

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