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戦場カメラマンとして活躍している渡部陽一さん。最近では、イスラム国による人質事件やテロ関係の番組でコメンテーターとして出演することも増えています。そんな渡部さんは、戦場で取材をする際に気をつけていることがいくつかあるそうです。そこで、今回は渡部さんの戦場カメラマンとしての心得を紹介したいと思います。

1. 引く勇気を持つ

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戦場取材から怪我をせずに帰国するために気を付けていることがあります。それは「引く勇気を持つこと」いかなる状況であっても取材を欲張らないことに気を配っています。

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見栄や使命感を捨て、嫌な予感がしたら逃げるようにしているとのこと。危機管理に関しては、並々ならぬ体制で臨んでいます。

極端な例で言えば戦場まで来て何にも撮れなくても平気で帰国する。それくらいの気持ちです。撮影を依頼してくれたメディアの人に「戦場まで行って何やってたんだ」と言われても気にしない。

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生きて帰ることにこそ意味がある、と仰っています。

2. 事前の準備に8割の力を注ぐ

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戦地に赴くために大事なことは、できることは何でも用意しておくことだと感じています。取材の全体を見渡すと準備が80%、撮影は20%。そう言い切ってもいいほどに、万全の準備に注意を払っていきます。それが、怪我をせずに帰国するためのはじめの一歩であると言えるのかもしれません。

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ビザの取得や、取材許可、日本にいても準備に費やす時間は多いそうです。以前は、勢いに任せて取材をしたこともあったそうですが、結果的に取材が失敗に終わる経験もしたことから、渡部さんは準備の大切さを痛感しました。

3. 戦争に巻き込まれている被害者と共に生活をする

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取材方法として戦争に巻き込まれている被害者側の避難生活に入り込み、寝食を共にしながら取材を続けていくことです。いかに衝突する双方の意見をフラットに報道していくか土台を組み立て、そこに密着取材という独自性、臨場感を含ませることが私の取材スタンスです。

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少しでも、被害者側の生活をリアルに伝えるための渡部さんの取材スタイルです。寝食を共にするということはなかなかできることではないと思います。

4. 現地の人へのリスペクトを忘れない

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信頼を得るために最も大事なことは、その国の文化・習慣に敬意を払うことだと感じています。取材先で日本人としてのルールをその国に当てはめては無礼にあたってしまうことが多いのが現実です。食事の仕方、服装、礼儀、必ずその地域の慣習に自分が合わせ、そのルールを守ります。

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取材先の国にジャーナリストとして入り込んでいくからには相手の生活慣習やルールに従って、取材を続けていくことが良き取材結果を引き寄せる一番の方法なのかも知れません。

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日本での常識は、必ずしも海外でも常識ではありません。相手のルールを尊重し、信頼を得るというのは大切なことです。

5. ガイド、運転手、ボディーガードを必ず雇う

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危険地帯に行くときは危機管理を徹底させます。そうすることで、安全性が高まり恐怖も和らぎます。その絶対条件はガイドさん選び。現地で生まれ育って、危険な箇所を知り尽くしていて、独自の人脈を持つガイドさんをつけ、彼の言うことに必ず従います。現地ではそのガイドさん、運転手、ボディガードの3人を雇って行動します。

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常に最悪のことを想定し、現地でのスタッフを手配しています。たとえ安全に見えても、土地勘がある人が見たら危険ということもあるからです。

6. 絶対に一人で行動しない

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絶対にひとりぼっちでは動かないというのが鉄則です。ひとりでフラフラ歩いていると一発でやられるので、必ずその地域で暮らしているガイドさんやその関係者、家族などと一緒に動くんです。

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テロリストが近くにいた場合、ターゲットにされやすいので単独行動は避けているとのこと。

これら6か条を遵守している渡部さんですが、ここまで危機管理をするようになったのには、過去に生死を分けるような体験をしたからなのです。

大学一年生の折、生物学の講義でいまだ狩猟生活をおくる人たちがアフリカ中央部にいることを知りました。その部族はピグミー族(ムブティ族)と呼ばれ、平均身長150cmほどの小柄な人達で、上半身裸、弓矢や槍を持ちワニやサルを捕りながら生活をしているということでした。

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自分自身の目でピグミー族に会いたいと思った渡部さんは、十分とは言えない準備でアフリカへ渡りました。そして、ヒッチハイクでピグミー族の元へ向かいました。これがどれだけ危険なことか、当時は認識していなかったそうです。事件は、この道中で起きました。

トラックの運転手が「伏せろ!」と叫んだ瞬間、少年たちが突然、銃を乱射してきました。トラックに銃弾が何発もあたり、耳元を金属音が飛び交っていく。少年たちが銃を撃ちながらこちらに向かってくることに震え上がりました。

その瞬間、死の恐怖に襲われトラックから転げ落ち、そのまま失禁、赤ん坊のよう地べたを這いずりながら、トラックの後部へ無意識のうちに逃げようとしていました。

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渡部さん達を襲ったのは、ゲリラ兵でした。渡部さん達は暴行を受け、カメラや現金、荷物、乗せてもらっていたトラックの積荷まで奪われたそうです。幸いにも命を奪われることはありませんでしたが、この経験が渡部さんの危機管理に対する意識を変えたのです。

「生きて帰る」ことを最重要課題としている渡部さん。命を懸けた取材の裏にある、鉄の掟について皆さんはどう感じましたか?

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