可愛らしい鹿の親子が描かれているのは…

出典 http://www.life-aki.com

なんとこれはコンドームのパッケージ。コンドーム製造会社オカモトと、画家であるAKIさんがコラボレートした商品です。

このイラストを描いた画家のAKIさん

出典 https://www.facebook.com

AKIさんには軽度の知的障害があり、彼のイラストをパッケージにしたコンドームを配布する事で、障害者の性について理解してほしいというメッセージが込められているのだそう。

きっかけは障害者の親からの相談だった

AKIさんのお父さんが立ち上げた、障害者のための福祉作業所に寄せられる相談の中で多かったのが「障害者の性の予防」。少しでも多くの人にこの現状を知って欲しいと、コンドーム製造会社に相談したことがこの商品の誕生のきっかけ。

障害者にしか分からないストレスがある。

そこには、AKIさんとお父さんが全国の障害者施設を回って実感した、障害者とストレスの辛い現状がありました。

一般的なHIV/AIDS予防に対する意識も勿論あるのですが、もう一つは障害者の性について考えてほしいという目的があります。

今、ようやく新聞やメディアにも取り上げられ始めたのですが、彼ら(障害者)が暴れたりするのは、やはりストレスが原因なんですね。

私が全国の障害者施設を巡回してみてわかったことは、障害者は一般の健常の方と比べると、恐怖感やストレスを倍以上感じているということです。

ただ、そのストレスをどう発散していいのか分からないので暴れてしまう。そして、健常者の方はその理由が分からないので、壁が出来てしまうというのが現状です。

出典 https://www.okamoto-school.com

障害者の家族はストレスが発散できるようにと、食べる事や絵をかくこと、体を動かす事など夢中になれる好きな事や趣味を一緒に探します。しかし、こういったコミュニュケーションがうまく取れずに、事件などに繋がってしまうケースも多いのだそう。

もちろん、障害者だからといって事件を起こして良いわけでありません。ただ、障害のある人や家族の背景にはこういった辛い現状があり、悩んでいる人がたくさんいます。

専門機関に相談するなど適切な対応を取る事ができれば、事件は未然に防げる可能性もあります。しかし、世間との壁を真っ先に感じて、相談できずに悩みを募らせている親子も多いのです。

パッケージに描かれたのは、絶滅の危機にあいながら強く生きている鹿の親子。本人たちの頑張りももちろんですが、こういった現状への周りの理解がとても大事なのではないでしょうか。

障害があっても社会貢献できる

さらに、AKIさんのお父さんは障害者の社会的立場についても言及しています。

障害者というと"一生手を差し伸べてください"って立場だと思うんですね。世間的にそういう認識を持っている方も多いと思うんですけど。

ただ、障害者の方でも、少しでも自立出来ているのであれば、何か社会に貢献出来る事があるんじゃないかと前々から思っていました。

なんでも(健常者に)やってもらってばかりというのは、少し違うんじゃないかと思います。障害者でも出来る事はあるし、表にどんどん出ていって、少しでも障害者と健常者の壁がなくなっていけばと思っています。

出典 https://www.okamoto-school.com

Heart Art in TOKYOというエイズチャリティーの絵画展での受賞歴もあるAKIさん。コンドームのイラストに鹿の親子を選んだのは、自然破壊への警鐘の意味もあるのだそう。

「生態系を重視した絵を描いていく事で、これからも自然破壊やエイズなどについてみなさんが考えるきっかけとなるような活動をしていければと思います」と述べています。

現在は、このコンドームの配布は終わっていますが、AKIさんの社会貢献の活動は続いています。海外ではエイズ予防をはじめ、様々なメッセージを込めたコンドームは多く存在します。日本人はなかなか目を向けにくい性の問題ですが、これをきっかけに考えてみるのはどうでしょうか。

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主婦暦5年目の34歳。5歳のダウン症の娘、2歳のやんちゃ息子と旦那1人の4人家族。田舎育ち。実家は牛の放牧をしています。

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