こんにちは。シノヅカヨーコです。電車通学だった学生時代、わたしの頭を悩ませていたのが「痴漢行為による被害」でした。待ち伏せされたり、駅を降りても付きまとわれたり、時には体液で制服を汚されたこともありました。

両親に心配をかけないようにいつもどおりに家を出るものの、痴漢に怯えるあまりにうまく電車に乗ることができず、毎日遅刻していた日々は、あれから十年が経ったいまでも忘れることができません。

今回は、実際に受けた痴漢被害から警察での出来事を被害者目線で綴っていきます。そのうえで、女性専用車両の必要性について考えていきたいと思います。

露出度が高いからといって痴漢に遭いやすいわけではない

みなさんは「痴漢に遭いやすい人」とはどんな人だと思いますか。スカートが短い女性でしょうか。美人でセクシーな女性でしょうか。それとも大人しそうな女性でしょうか。

実際のところ、露出が多かろうと少なかろうと痴漢には遭います。膝下10センチという野暮ったい丈のスカートを履いていても被害に遭いましたし、パンツスタイルであれば痴漢に遭わないかといえばそうでもありませんでした。

タートルネックのセーターを着ていても服のなかに手を入れようとしてくる男性はいましたから、どんな服装をしていようと被害に遭う可能性はあります。また、美人かどうかも関係ありません。痴漢の多くが背後から現れるのでまともに顔なんて見えてないでしょうしね。

痴漢行為は満員電車でのみ行われるわけではない

痴漢行為といえば、通勤・通学時の満員電車で行われると思われがちですが、空いている時間帯に行われることもあります。早朝のガラガラの電車で仮眠をとりながら帰路についていたところ、

隣に密着するように座り体を触りはじめるタイプの加害者に遭ったことがありました。また、座っている目の前に立ち、性器を露出してくるタイプの加害者もいました。痴漢被害は、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車でのみ起こり得るわけではないのです。

「この人痴漢です!」のその先には…

筆者自身、痴漢加害者を捕まえた経験が何度かあります。最初に痴漢加害者を「捕獲」したのは16歳、高校二年生のころでした。あらかじめ断っておきますが、冤罪の可能性はありません。

何度も同じ加害者から被害を受けていたため相手の顔も覚えていましたし、自分の下着に指を滑り込ませる手を間違えるはずはありませんから。そのころの筆者といえば同じ人に何度も狙われ、車両を変えても時間帯を変えても追い掛け回され、駅を降りたあともしつこくつきまとわれるという状態でした。

加害者の手を掴み「痴漢です!」と声を上げると、加害者はわたしの手を振り切り全速力で駆けだしました。どうやら改札をハードルのごとく飛び越えて駅の外まで逃げていたようです。逃げる加害者をわたしの代わりに追いかけて取り押さえてくれたのは、体育大学に通う大学生の男性でした。

泣きじゃくるわたしのそばには、わたしより少し年上の女性がついていてくれました。それから、駅員室へ。助けてくれたふたりも付き添ってくれました。やってきた警察と一緒にパトカーに乗って警察署へ行きました。そこからが、長丁場でした。

痴漢を受けた被害者のはずが…

警察署へ着くと、警察官の男性がひとりやってきました。痴漢加害者の男性とは別室ですが、奥から何やら罵倒するような怒鳴り声が聞こえていて恐怖を感じたのをよく覚えています。

高校生の筆者が驚いたのが、被害者のはずの自分が警察の方から「お叱り」を受けたことです。「速やかに帰宅していればこんな時間にならなかったのでは?(とはいえ痴漢にあったのは19時ごろです)」「スカートが短いんじゃないか?(校則に則った膝下10センチです)」。

この言葉は、当時の筆者の心に突き刺さりました。被害に遭ったわたしに落ち度があったんですか?と。さらに「被害届は出さなくても、身元引受人として奥さんが迎えにくることになるので彼も懲りるだろう」と粘り強く交渉されたのです。

結局、被害届は出しませんでした。いいえ、出せなかったというのが正解です。たかだか17の小娘が三人の警察官に囲まれて「交渉」なんてされたら、「いいえ、わたし被害届を出して相手を社会的に抹殺します!」なんて言えませんよ。

言ってやればよかった。奥様がいても、お子様がいても、わたしが受けた傷にはなんの関係もありません。日に日にエスカレートしていた行為に歯止めをかけたくて起こした勇気を踏みにじられたような気持ちでした。痴漢被害に遭った時間は19時ごろ。

解放された時間は日付をとうに超えた午前2時ごろでした。警察署まではパトカーで来ましたが、帰りにパトカーはありません。そんな時間に制服姿の女子高生がうろつくわけには行きませんから、迎えに来てくれた両親と一緒に車で帰路へつきました。

なんて無駄な時間を過ごしたんだろう…!それが正直な感想でした。これは十年も前の話しです。近ごろは女性の警察官が対応してくれる場合が多いなど、対応が変わってきているようですね。

どんな状況でも痴漢被害者に「落ち度」なんてありません

痴漢被害では「隙があったのでは」「誘うような格好をしていたのではないか」と、なぜか被害者を責める声が少なくありません。これっておかしなことですよね。万引きで潰れた本屋に

「平積みするなんて自衛が足りなかった、全部とられないように隠すべきだ」だなんて誰も言いません。たとえ被害者が下着のような姿だとしても、痴漢行為をはたらいていい理由にはなりません。いかなる場合であっても、被害者に「落ち度」はないのです。

痴漢被害から身を守るために「自意識過剰」になりましょう

満員電車に現れる痴漢加害者は、大きく分けて2つのタイプに分かれます。ひとつが「手で下半身に触れてくる」タイプです。このタイプの痴漢は最初に手の甲でそっと触れ、手のひら、スカートを指で少しずつたくしあげる、下着に手をかけるとエスカレートします。

もうひとつは「下半身を押し付けてくるタイプ」です。妙に腰をグラインドさせて下半身をこすりつけてくるのが特徴で、エスカレートすると性器を露出してくる場合も。いずれのパターンも、ちょっとでも疑わしく思ったら逃げるが勝ち。

ちょっとでも「痴漢かな?」と思うことがあったらすぐにその場を離れましょう。「傘やカバンが当たっていただけ」など杞憂で終わってくれたらそれでかまわないんです。自意識過剰になりましょう。

あなたがサッと逃げて未然に防ぐことで、勘違いによる冤罪で加害者になってしまう事態も避けられます。また、空いている電車に乗る場合は無防備な姿を晒さないためにも、極力居眠りしないようにしましょう。

痴漢冤罪の加害者は「女性」ではありません

男性が恐れる痴漢冤罪のリスク。犯してもいない犯罪で罪に問われ、職や家族までも失う可能性があるなんてとんでもないことですよね。筆者も既婚者ですから、自分の夫がもしも…と考えるととても恐ろしいことだと思います。

痴漢冤罪に怯えるあまり、不必要に女性に対して恐怖を抱いてしまう男性もいると思います。しかし、それは大きな間違いです。本当に怯えるべきは女性ではなく痴漢加害者です。

痴漢冤罪は、実際に痴漢被害があるからこそ生まれる犯罪です。疑われる理由をつくっているのは、痴漢加害者の存在です。

願うのは、女性専用車両が必要なくなる日

最後に。ここまで痴漢被害者の視点で書きましたが、筆者は「女性専用車両反対派」です。痴漢問題や女性専用車両をテーマに挙げるとなぜか「男性対女性」の構図になりがちですが、痴漢被害に遭う女性の敵は「痴漢加害者」であり、

すべての男性ではありません。痴漢冤罪を恐れる男性の敵もまた「痴漢加害者」であり、すべての女性ではないのです。あくまで性被害の加害者と被害者の問題ですので、性差別の問題にすり替えるのはナンセンスだと思います。

海外には女性専用車両を宗教的な理由などで設置している国もありますが、日本における女性専用車両の設置目的は「性被害や暴力から女性を守るため」。女性を分けて乗車させなければいけないほど性被害が蔓延しているということは、国民として恥ずべき事態です。

痴漢という性犯罪がなくなり、一刻も早く女性専用車両が必要がなくなる日が来ることを願うばかりです。

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家事が嫌いなぐうたら主婦。25年2月生まれのムスメと夫の三人暮らし。 育児、暮らしにまつわるネタを中心にライター業をしています。お酒とチョコレートが大好き。

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