出典 http://sirabee.com

記事提供:しらべぇ

昨年、一部ネット上で路上キャッチに声をかけられて入った居酒屋の会計やサービスが問題になったことがある。本来の人数を上回るお通し料をとったり、事前に説明のない週末料金やサービス料を請求していたのだ。

以前、しらべぇ編集部ではこうしたプチぼったくり居酒屋の見分け方について紹介したことがある。この騒動以降、世間でプチぼったくり居酒屋への注目が高まり、問題となった居酒屋は閉店、その後運営会社が謝罪する事態にまで発展した。

これにより、事態は収束を迎えたようにも思える。しかし、こうしたプチぼったくり居酒屋はいまだに新宿や渋谷など都内の主要繁華街に100店舗以上存在すると言われ、騒動以降も堂々営業しているケースがほとんどだ。

とは言え、この騒動に加え最近では繁華街で路上客引き禁止のアナウンスが流れていたりと、彼らへの風当たりが強くなっている。

そこで今回は、プチぼったくり居酒屋の現状を立地エリアをまわって調査してみることにした。この日、筆者が訪れたのは新宿駅西口ヨドバシカメラ裏のエリアと新宿駅東口駅から歌舞伎町に向かう靖国通りまでのエリアの2箇所だ。

新宿駅西口ヨドバシカメラ裏エリア

このエリアでは路上客引き禁止のアナウンスが流れており、最近では違法なキャッチがいないかパトロール体制が敷かれている。平日18時ごろ、ひと通りエリアをまわって確認できたのは以下2つのパターンだ。

・店舗の前に立って「呼び込み」をする

路上を移動することは避け、店舗の入口前でビラを持ちながら「客引き」ならぬ「呼び込み」をしていた。積極的に話しかけることは憚られるのか、どの店舗でも「飲み放題いかがですか」などの無難な勧誘をするにとどめていた。

・路上に立っているが客引きはせず

路上に立って頻繁に無線でやりとりをしているキャッチの姿を確認できた。パトロール隊の動きをキャッチ同士で連絡を取り合っていると思われる。彼らは店舗の前には立たず、従来どおり路上に立っているものの、客引きを一切行わない奇妙な行動を取っていた。

その理由は声かけをしにくいからというものがあるだろう。かといって路上に立たなくては彼らはその日仕事にならない。こうした膠着状態を象徴する風景であった。

新宿駅東口〜靖国通りエリア

新宿駅東口から歌舞伎町に向かう途中に、プチぼったくり居酒屋が複数見られる。たいていはビルの6~8階に入っており、ワンフロアで2店舗入っている形態が多い。

19時ごろ、筆者がひとりでこのエリアをうろうろしていると、路上キャッチの男性に声をかけられた。

「お兄さん!お店お探しですか!」

「今日は探してないんですよね」

「ワンチャンないですか!完全個室で飲み放題やってます!いろんなお店ご案内できます!」

プチぼったくり居酒屋キャッチの特徴のひとつに複数店舗を紹介してくるというものがある。それらはすべて同系列のグループ店だ。彼らが紹介する店の特徴は、完全個室で2品頼むだけで飲み放題などの謳い文句があること。これに加え、過去に紹介した記事にあるように店名に「天空」「碧」「舞」「水」「空」などの単語が入っていることがよく知られている。

■「7階・8階の店とは一切関係がございません」

筆者が「店の場所を知りたいので店の前まで案内してほしい」と伝えると、キャッチの男性は店の前まで案内してくれた。ビルのフロア案内を見ると7階と8階だけ1フロアに2店舗入っており、それらの店だけ看板が他のフロアの店と比べて安っぽい。また6階の店舗の案内看板には「7階・8階の店とは一切関係がございません」と書かれている。

ようするに、「上のフロアと一緒にされたらたまったものではない」と言っているのである。このキャッチお兄さん、プチぼったくり居酒屋へ誘う人物でほぼ間違いないだろう。客のふりをして、現状を聞いてみた。

「今日は利用しないのですが、今後検討してまして」

「何名さまからご利用になられます?」

ここで本題を切り出した。

「最近、ネット上で路上キャッチに誘われて入った居酒屋の会計やサービスが問題になっていることはご存じですか」

いえ、知らないですね

彼の発言が真実かは別にして、店のサービスを尋ねてみることにした。

「2品だけ頼めば飲み放題をつけてもらえるんですか」

はい!2品だけでご案内してます!

「でも席料やサービス料、週末料金がかかるんですよね」

それは…お店によって色々ですね、どういったお店がいいですかね?

男性は、そのまま勧誘を続けようとするので取材の旨を伝え、ここ一ヶ月のキャッチの事情について聞いてみた。

■「今後もキャッチをやめるつもりはない」「客の大半は路上から」

キャッチ男性は核心的な部分は答えてくれなかったものの、以下のような回答を得ることができた。

・最近の勧誘についてはかなり慎重になっている。しかし、キャッチをやめるつもりはない。

・そもそも、彼らが案内するような店はリピーターがほとんどおらず、客の大半は路上キャッチでつかまえてきた人たちだからである。

・派手な動きやしつこい勧誘はせず、動く範囲を自主規制して声掛けを行っている。

・店のサービスや料金体系についてはここ数ヶ月でまったく変化がない。

つまり、ネット上での騒動のわりに、繁華街での事情はさほど変わっていないということである。筆者が話を伺った男性は自分が紹介する店が「ぼったくり」とは決して言わなかった。

ぼったくり被害を防ぐ抜本的な対策は?

しかしながら、そもそも街を歩いていて自分に声をかけてくる見ず知らずの人物がよいことをしてくれる可能性は低い。むしろ、声をかける側にとってメリットがもたらされるから彼らは通行人に声をかけるのである。それはキャッチも同様なのかもしれない。

プチぼったくり居酒屋の問題は、街に詳しくない年配の方や地方から出てきた人など、今後リピーターにならない人が狙われる点だ。彼らが存在する限り、姿かたちをかえてプチぼったくり居酒屋は存在し続けるのかもしれない。

被害者が出ている以上、キャッチについては条例などで規制する措置が必要なのは言うまでもないが、消費者として無知なことを巧みに利用され罠にはまらぬよう、繁華街を歩くときの警戒心とリテラシーを身につけることがもっとも求められていることなのかもしれない。

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