札幌で2014年7月に開催された「TED x Sapporo」のスピーカーとして参加した、北海道・赤平市にある株式会社植松電機の専務取締役、植松努さん。

作業着姿でニコニコと照れながらステージの中央に立っただけで会場から笑顔がこぼれる。この一見どこにでもいそうなおじさん、実は現在宇宙開発に携わっています。

「宇宙開発は僕の夢じゃないんです、僕にとって宇宙開発は手段にすぎません」と話す植松さん。宇宙開発をすることで本当に成し遂げたいことというのが胸を打つものでした。

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「どーせ無理」が口癖の教師による虐待

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僕は、小学校に上がってすぐに担任の先生にものすごい嫌われたんです。

僕が信じていたことや、ばあちゃんが教えてくれたことは全部否定されました。僕の夢は「お前なんかにできるわけがない」ってさんざん言われました。じいちゃんが撫でてくれた頭は、先生にさんざん殴られました。とっても辛かったです。

でも、助けてくれる大人はいなかったです。

僕はその先生が言っていた言葉を忘れていませんでした。その先生は「どーせ無理」という言葉をよく使っていたんです。この「どーせ無理」という言葉がおそろしい言葉なんだと思いました。

これは人間の自信と可能性を奪ってしまう最悪の言葉です。でもとっても簡単な言葉なんです。これを唱えるだけで何もしなくて済んでしまうから、とっても楽チンになれる恐ろしい言葉でもあるんです。

こんな言葉で未来を諦めさせられてしまった人たちは自信を失ってしまうんです。でも人間は生きてくためにはどうしても自信が必要なんです。

だから自信を無くしてしまった人の中にはお金で自信を買うようになって、身を飾るようになったり、またそれを自慢しなければならなくなったり、そのために人を見下さなければいけなくなってしまったり。また他の人ががんばったら困るから努力を邪魔するようになってしまう人もいるんです。

こういう人がみなさんの身のまわりにももしかしたらいるかもしれません。でもその人たちは自信をなくしてしまったかわいそうな人たちなんです。

その人たちが自分の自信を守りたくってしょうがなく他の人の自信を奪ってしまっているのかもしれません。

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涙ながらに話す植松さん。夢と希望をもって始まった小学校生活で、まさか担任の先生からこんな仕打ちを受けるとは誰が想像できたでしょうか。

そこで知った、人間の自信と可能性を奪ってしまう「どーせ無理」という言葉。

「どーせ無理」をなくしたい

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僕の会社にアフリカの人たちが来てくれました。彼らが僕の話を聞いてくれた後で教えてくれました。

今アフリカでは「自分なんて勉強したってムダだ、努力したってムダだ」って自分の未来や可能性を諦めてしまった人たちが最後には人を殺して奪うようになるんだそうです。なぜならば頑張れないから、生み出せないから、奪うしかないんです。

暴力で奪うこともできます。でも他にも、嘘をついたり、弱いふりをしたり、だましたりして奪うこともできるんです。でもみんなが奪ってしまったら社会なんか成立しないんです。

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植松さんはこの「どーせ無理」という言葉の恐ろしさを知ると同時に、だったらこの「どーせ無理」がこの世から無くなれば、いじめや暴力、はたまた戦争もなくなるかもしれないと考えているのです。

「諦める」ことを覚えてしまった大人たちへ

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教育というものは、死に至らない失敗を安全に経験させるためのものだったんです。でもそれがすっかりおかしくなってしまったんです。なぜかというと、失敗をマイナスだと思っている大人がたくさんいたからなんです。その人たちがみんなの可能性と自信を奪ってきたんです。

でもこれからの日本を、世界をよくしていくためには「どーせ無理」に負けない人が増えればいいんです。

じゃあその人たちはいったいどこにいるのか。それは「みんな」です、全ての人がそうなんです。なぜならば、僕ら人間は必ず「小さい頃」を経験しているからなんです。

みなさんも思い出してみてください。

小さい頃はボタンがあったら押してみたかったんです。ハンドルがあったら回してみたかったんです。そして「余計なことすんじゃない」って怒られるもんだったんです。

実は、生まれた時から「諦め方」を知ってる人間なんてこの世に一人もいないんです。みなさんは全員、諦め方を知らないで輝いて生まれてきたんです。でも僕たちが諦め方をちょっと習っちゃっているのかもしれません。

そんな自分たちの自信を取り戻すためのとてもいい方法が一つだけあります。それは「やったことがないことをやってみる」なんです。やったことがないことをやってみるだけで、小っこい自信が湧いてきますから、是非皆さんは「やったことがないこと」に挑んでみてほしいって思います。

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やったことがないことをやり続けてきた植松さんの成功を見ていると、とても説得力がありますが、植松さんだって何度も失敗を重ねてきました。

マズイと思ったら逃げてもいい

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でも、やったことないことやると失敗するんです。

これは実験映像です。ロケットが火吹いて飛びました…飛びませんでした。火吹いて落っこちてきちゃいました。

どうすりゃいいのか。

コントローラーを捨てて…逃げる。

この実験映像が示していることは、「マズイと思ったら逃げるもアリ」ということなんです。

僕が知ってる限り真面目で優しくて責任感のある人ばかり死んでしまうんです。死なないでほしいんです。生き延びてほしいんです。

だからマズイと思ったら逃げるのも絶対アリなんです。

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自殺しないで欲しいというメッセージも含まれていました。

「思うは招く」

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でもその時に失敗した自分を、逃げた自分を、諦めた自分を責めないでください。

僕らは今、生まれて初めての一回きりの人生をぶっつけ本番で生きているんです。

僕らにとって失敗というものはより良くするためのデータにすぎませんから。失敗しても乗り越えてほしいです。

これから先僕らがやっていくべきことは「できない理由」を探すことではありません。「できる理由」を考えることです。

僕は小さい頃から飛行機・ロケット好きでした。でもやったことない人が「できるわけない」って散々言いました。でも母さんは「思うは招く」って教えてくれました。思い続けたらできるようになりました。だから思い続けるってきっと大事です。

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辛い幼少期を乗り越え、祖母の助言を守り、祖父の言葉を信じ、母の教えを貫いた結果、「できるわけがない」と否定されてきたことができるようになってきているという植松さんのスピーチを聞いていると、生きる勇気がわいてくるような気がしました。

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